第6話 VS ビックスライム

ーーダンジョンの攻略を初めて1ヶ月程が過ぎた。エンダールの時間経過が緩やかなので、エンダールでの鍛練を中心にダンジョンを攻略していた。そして・・・


はぁ~下へ続く階段かぁ…それに何だよ! あのデッカイスライム!??


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鑑定結果 『ビックスライム』

レベル 10

ランク 『F』

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レベル10…高い!!


鑑定のレベルが上がったことで、魔物のランク情報が追加された。何度も鑑定を繰り返した結果でもある。エンダールでの鍛練中も『探知』と『鑑定』は欠かさず行っていた。


俺の現在のレベルは6だから、今のままだと厳しいか? 1階の『マップ』も埋まってないし、埋めながらレベルアップしていこう。


ダンジョンは初め一本道だったのだが、奥に向かうにつれて枝分かれしていた。『マップ』が無ければ迷っていたに違いない。


それと奥に進むにつれて魔物のレベルも上がっている。こまめに『鑑定』を使い魔物のレベルを確認している。



・・・・・・



うぅ…レベルが上がらん! スキルレベルはいくつか上がったんだけどな。これ以上スライムを倒すだけではダメそうだ。



ふぅ~~挑むしか無いか。



これ以上ここで粘っても時間だけが無駄に過ぎるだけ。怖いけど先に進まなければならない。もし、ヤバそうだったら逃げよう。



ーービックスライムとの戦いが始まった。



基本攻撃はスライムと変わらないが、耐久、スピード、攻撃の威力が段違いに高いだけでね。


ドン!!


スライムの核を狙うが、あの弾力あるボディーに邪魔されて攻撃が核へ届かない。打撃耐性が高いようだ。



バチン! ガチン! バガン!!



触手が4つに増え縦横無尽に叩き付けられている。攻撃は確かに強いけど、耐えられないほどではない。結構防いだお陰で打撃耐性も上がった気がする。問題は攻撃だ。核まで攻撃が届かなければ流石に勝てない。


《硬拳》


戦技を発動するが攻撃が核まで届いていない。


バチン!!


ガードした腕が痺れる。


そして、その攻撃を利用して後方へとわざと飛ばされて距離を取った。


倒す方法はある。ただ俺がそれに頼りたく無いだけでね。エクストラスキル『覇王』は強力故に危険で、それに頼ってしまうと俺自身が成長しない。


ビックスライムの攻撃をスッテプを踏んで避け、[硬拳]を核目掛けて撃ち込む。


戦技には熟練度がある。戦技を使い続けると熟練度が上がる。熟練度が上がると〈威力の向上〉〈クールタイムの軽減〉〈消費スタミナの減少〉の効果が上昇していく。


無数のスライムの鞭を避けて反らして受け流す。チャンスを伺い[硬拳]を撃ち込む。


巨大なスライムの鞭を幾度も防ぎ続けている事で[無限の可能性]の打撃耐性の効果が向上し続けている。


【ーースキル『体術』のレベルが2へ上がりました。戦技[硬脚]を習得しました。】


◆戦技[硬脚] ランクF

・脚を鋼のように硬化させる戦技である。[硬脚]を発動するとスタミナを消費して、次の使用までにクールタイム10秒を要する。


身体の変化に直ぐに気がついた。


身体が良く動く。それに・・


ハハッ!


戦技の威力まで向上している。


[硬拳]


ズゥン!!


ビックスライムの核まで随分と近づけたな。戦闘に脚も混ぜて戦いのバリエーションを増やした。打撃耐性の高い今なら鞭を脚でも防ぎ弾く事が出来る。


新たに習得した[硬脚]も織り混ぜて攻撃回数を増やす。ビックスライムの攻撃は既に問題無いレベルまで打撃耐性は上がっている。後はビックスライムの核に届く攻撃さえあれば倒せるんだけどな。


【ーースキル『体術』のレベルが3へ上がりました。戦技『丹田』を習得しました。】


スキル『体術』がレベル3へと上がり、戦技『気功法』を習得した。気功法は〈気〉を使い肉体を強化する戦技のようだ。


◆戦技[丹田] ランクE

・体内で体力を消費して〈気〉を生み出す。クールタイム10分で体力を100消費する。


《丹田》


【ーーエクストラスキル『覇王の導』が発動しました。[覇気]が解放されました。】


ーー力が満ちる・・・これなら行ける!


《硬拳》


ズビュン!!


「なっ!? 核を動かせるのかよ!!」


そして、それが俺に一瞬の隙を与えた。ビックスライムの渾身の一撃が頭上から振り下ろされた。鞭を一本に纏めた巨大な鞭が俺を押し潰す。


ベキッ!! バキッ!!!!


ガードした右腕が砕け、頭部は硬い地面に叩きつけられた。死んでいないのは右腕のガードが間に合ったのと高い打撃耐性があったからだ。


自動超回復が身体を回復するが、相手がそれを待っている訳がなく、頭上には既に巨大な鞭が構えられていた。


ズガガガーーーン!!!!


間一髪、思いっきり地面を蹴り転がるように回避する。


地面が粉砕され砂埃が舞う。右腕が回復するには時間がかかるが、足と左腕は問題無い。


《硬脚》


「フフ、かかったな。本命はこっちだ!!」


《硬拳》


ズゥーーン!!


バキン!!


ビックスライムの核が砕けた。俺が死んだと思って油断したな。瞬時に核を移動したのは流石だがフェイントまでは見抜けなかったな。


[硬脚]を囮にして核を動かせた後に[硬拳]を叩き込んだ。


【ーーフロアボス〈ビックスライム〉を倒しました。初回クリア報酬が贈られます。】


【ーー恭介のレベルが8へ上がりました。職業『ダンジョンシーカー』のレベルが2へ上がりました。スキル『気配察知』を習得しました。】


ドロップ品は大量のスライムゼリーと大きめの魔石だった。その他に初回クリア報酬として金の宝箱が一つと銀の宝箱が二つ置かれていた。中身は金の宝箱が〈柔軟のスキルスクロール〉、銀の宝箱が〈魔鉄の剣〉、〈魔鉄鉱500キロ〉だった。


スキルスクロールは使用するとスキルを習得できるアイテムで激レアアイテムである。今の状況で保管はあり得ないので使用する。


【ーースキル『柔軟』を習得しました。】


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立花タチバナ恭介キョウスケ

レベル 8(UP↑)

種 族 『人間種』

職 業 『覇王Lv.1』

副 業 『ダンジョンシーカーLv.2』(UP↑)

称 号 『(初)ダンジョンに挑戦せし者』『(初)魔物を討伐せし者』『(初)レベルアップを獲得せし者』『覇王』『探索者』


体 力  1000➡️ 1500/1500(UP↑)

魔 力   700➡️ 1200/1200(UP↑)

攻撃力  『F』➡️『E』

耐 久  『E』➡️『D』

俊 敏  『F』➡️『E』

器 用  『F』➡️『E』

知 力  『E』 

 運   『S』


ユニークスキル

不滅王の肉体アウローラ』➡

小さな世界エンダール』➡


エクストラスキル

『覇王の導』[覇気]


スキル

『鑑定Lv.3』(UP↑)『マップLv.3』(UP↑)『アイテムボックスLv.3』(UP↑)『探知Lv.4』(2UP↑)『思考加速Lv.4』(3UP↑)『体術Lv.3』(2UP↑)『気配察知Lv.1』(NEW)『柔軟Lv.1』(NEW)


戦技

[硬拳 《3》](2UP↑) [硬脚 《1》](NEW) [丹田 《1》](NEW)       

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◆スキル『気配察知』ランクC

・周囲の気配を察知する。気配察知は常時発動型のスキルである。


◆スキル『柔軟』ランクC

・自身の身体を柔らかくする。柔軟は常時発動型のスキルである。

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