第5話 小さな世界


ーー職業選択により変化したステータスと新たに習得したスキルの確認を終えた。


俺はユニークスキル『小さな世界エンダール』の能力を使用して[セーフティハウス]へと来ていた。[セーフティハウス]は昔ながらの趣のある一軒家だった。風呂やトイレなど暮らすだけなら不便は無さそうなんだけど、火や水を使用するのに魔石が必要みたいだ。他にも[魔石交換システム]が内蔵しており食料や日常品、その他にも色々な物と交換が出来るようになっていた。


何が言いたいかと言うと、ここで生活するには魔物を倒して魔石を回収する必要があるということである。


ぐうぅぅ…


安心したのか腹の虫が盛大に鳴り出した。食料も魔石と交換出来ることはわかったしな、弁当を食べてしまうかな。


リュックに入った弁当を平らげ、寝室の畳の上で休憩をとった。数時間後、減っていた体力は完全に回復し身体もすこぶる調子が良くなっていた。




・・・・・・



【ーースライムを討伐しました。】


【ーー立花恭介のレベルが2へ上がりました。】


何体目かのスライムを倒したところでレベルが上がった。思っていたより早いと感じたけど、それが称号の効果なのだろう。スライムとの戦闘も初めに比べれば楽になった。迫りくる攻撃を搔い潜り、スライムの核を拳で打ち抜く。以前は石を使って何度も叩いて破壊した核が拳一発で破壊出来るようになっていた。目で追うのがやっとだったスライムの攻撃が余裕をもって対処でき、防御した腕は容易に攻撃を弾きかえす。これがステータスが上がった恩恵なのだろう。


それに加えスライムの鞭による攻撃も受ければ受ける程にダメージを受けなくなってきていた。ユニークスキル『不滅王の肉体アウローラ』の[無限の可能性]の効果だろう。


ステータスが上がった恩恵なのだろう。苦戦を強いられたスライムにも、安定して戦うことが出来るようになってきた。それは戦いを重ねる度に迅速になり気づけば相当数のスライムを倒していた。


【ーースキル『鑑定』のレベルが2へ上がりました。】


【ーースキル『アイテムボックス』のレベルが2へ上がりました。】


【ーースキル『マップ』のレベルが2へ上がりました。】


【ーースキル『探知』のレベルが2へ上がりました。】


【 ー 条件を満たしました。スキル『思考加速』を習得しました。】


スライム相手に《覇》を使用する必要は無かったので手当たり次第に『鑑定』をかけ、ダンジョンを歩き『マップ』をうめて、こまめに『探知』を発動しながら探索を行った。スライムとの戦闘も増え、ドロップアイテムも増えた事で『アイテムボックス』も大活躍だった。


ダンジョンの奥に進むにつれて魔物のレベルが高くなり強力になる。スライムも例外では無く、レベルが高いスライムもちらほら出てきていた。戦いは徐々に高速化していき、思考速度も戦闘する度に鍛えられた。それがスキル『思考加速』の習得につながったのだろう。


スキル『探知』がレベル2へと上がり、探知範囲が拡大した。魔物の反応もより詳しくわかるようになった。弱い魔物か強い魔物かが探知の反応でわかるようになった。


スキル『アイテムボックス』はレベル2へ上がったことで容量が拡大した。感覚的には5倍程拡大された感じかな?


スキル『マップ』はレベルが2へ上がり、時計機能が追加された。


――2025年04月15日 14:38


俺が地割れに呑み込まれたのは、04月10日のはずだから5日経ったのか…心配かけてるよな…


落ち込んでいてもしょうがないな。調度良いところにスライムが来たし『鑑定』を試してみよう!



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鑑定結果 『スライム』

レベル 2

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おっ! レベルが表示させるようになってる!?



ーーその後もスライムとの戦闘は夜更けまで続いた。



ーー数日が経った。俺は[魔石交換システム]のリストを確認していた。ここ数日で生活に必要な物は揃え終わった。少しは魔石も余裕が出来たので〈庭〉と交換した。今まで家の周りには見えない壁で囲まれており、家から出る事は出来なかったのだが庭が出来た事で外に出ることが可能となった。これで庭で少しは身体を動かす事が出来る。新しく出来た庭で入念に体操をして、身体を鍛えた後にいつものようにダンジョンを探索する。



【ーー 一定の魔石の供給を確認しました。魔石交換システムのリストが更新されます。】



ーーダンジョン探索を開始して2週間が経った。未だに出口は見つかっていない。毎日休まずダンジョンを進み、スライムを倒しながら魔石を集めていった。エンダールも随分と変わってきたと思う。〈庭〉を拡張し、新たに〈家庭農園〉を設置した。この〈家庭農園〉は種を植えると1日で芽を出すんだけど…どうなってんの? 家庭菜園のレベルだけど野菜が多く実って一人で食べきれない。まぁ…アイテムボックスのレベルが上がったお陰で腐らせずに保管出来るから問題ないけどね。


そう言えば、エンダールの事でわかった事がある。エンダールとダンジョンで時間差があるようなのだ。最初は全然気づかなかったんだけど、『マップ』の時計機能が追加された事で発覚した。ダンジョンでの1日はエンダールで10日だった。


俺も順調に成長してきている。スライム相手に何度も何度も戦い方を変えては修正を繰り返していく内に、スキル『体術』を習得していた。身体が動きやすくなった気がする。


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立花タチバナ恭介キョウスケ

レベル 5

種 族 『人間種』

職 業 『覇王Lv.1』

副 業 『ダンジョンシーカーLv.1』

称 号 『(初)ダンジョンに挑戦せし者』『(初)魔物を討伐せし者』『(初)レベルアップを獲得せし者』『覇王』『探索者』


体 力  500➡️ 1000/1000(UP↑)

魔 力  200➡️ 700/700(UP↑)

攻撃力  『F』

耐 久  『E』

俊 敏  『F』

器 用  『F』

知 力  『F』➡️『E』 

 運   『S』


ユニークスキル

不滅王の肉体アウローラ』➡

小さな世界エンダール』➡


エクストラスキル

『覇王の導』


スキル

『鑑定Lv.2』(UP↑)『マップLv.2』(UP↑)『アイテムボックスLv.2』(UP↑)『探知Lv.2』(UP↑)『思考加速Lv.1』(NEW)『体術Lv.1』(NEW) 


戦技

[硬拳 《1》](NEW)        

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◆スキル『体術』 ランクF

・身体が疲れ難くなったり、戦技を習得する。戦技とは戦技の一種でようするに必殺技のようなものだ。


◆戦技[硬拳] ランクF

・拳を鋼のように硬化させる戦技である。[硬拳]を発動するとスタミナを消費して、次の使用までにクールタイム10秒を要する。


◆スキル『思考加速』 ランクC

・思考速度が上昇するスキルである。その効果は魔物との戦闘時に思考する上で大いに役立っている。

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