第5話 小さな世界
ーー職業選択も無事にとは言えないけど終わった。
俺は今、ユニークスキル『
何が言いたいかと言うと、ここで生活するには魔物を倒して魔石を回収する必要があるということである。
ぐうぅぅ…
安心したのか腹の虫が盛大に鳴り出した。食料も魔石と交換出来ることはわかったしな、弁当を食べてしまうかな。
リュックに入った弁当を平らげ、寝室の畳の上で休憩をとった。数時間後、減っていた体力は完全に回復し、身体もすこぶる調子が良かった。
・・・・・・
【ーースライムを討伐しました。】
【立花恭介のレベルが2へ上がりました。】
何体目かのスライムを倒したところでレベルが上がった。思っていたより早いと感じたけど、それが称号の効果なのだろう。スライムとの戦闘も初めに比べれば楽だった。迫りくる攻撃を搔い潜り、スライムの核を拳で打ち抜く。以前は石を使って何度も叩いて破壊した核が拳一発で破壊出来るようになっていた。目で追うのがやっとだったスライムの攻撃が余裕をもって対処でき、防御した腕は容易に攻撃を弾きかえす。これがステータスが上がった恩恵なのだろう。
身体は動くのに、頭がついて行かない。早く動くと頭の処理が追い付かないのだ。しばらくは魔石を集めながら慣れる事に時間をかけよう。
【ーースキル『鑑定』のレベルが2へ上がりました。】
【ーースキル『アイテムボックス』のレベルが2へ上がりました。】
【ーースキル『マップ』のレベルが2へ上がりました。】
【ーースキル『探知』のレベルが2へ上がりました。】
【 ー 条件を満たしました。スキル『思考加速』を習得しました。】
魔力が豊富に余っているので数秒毎に『探知』と『鑑定』を繰り返し使い続けた。そして複数のスライムとの戦闘を繰り返したお陰かスキル『思考加速』を習得することが出来た。スライムの鞭の嵐を対処していたためだろう。
スキルレベルが上がった事で『探知』は半径20mから50mまで拡張、『アイテムボックス』は5倍くらいに拡張、『マップ』には時計機能が追加された。ダンジョン内では時間がわからないので助かる。
――2022年04月15日 14:38
俺が地割れに呑み込まれたのは、04月10日のはずだから5日経ったのか…心配かけてるよな…
落ち込んでいてもしょうがないな。調度良いところにスライムが来たし『鑑定』を試してみよう!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鑑定結果 『スライム』
レベル 2
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おっ! レベルが表示させるようになってる!?
ーーその後もスライムとの戦闘は夜更けまで続いた。
ーー数日が経った。俺は魔石交換所のリストを確認していた。ここ数日で生活に必要な物は揃え終わった。少しは魔石も余裕が出来たので〈庭〉と交換した。今まで家の周りには見えない壁で囲まれており、家から出る事は出来なかったのだが、庭が出来た事で外に出ることが可能となった。これで庭で少しは身体を動かす事が出来る。新しく出来た庭で入念に体操をして、身体を鍛えた後にいつものようにダンジョンを進む。
【ーー 一定の魔石の供給を確認しました。魔石交換所のリストが更新されます。】
ーーダンジョン探索を開始して2週間が経った。未だに出口は見つかっていない。毎日休まずダンジョンを進み、スライムを倒しながら魔石を集めていった。エンダールも随分と変わってきたと思う。〈庭〉を拡張し、新たに〈農園〉を設置した。この〈農園〉は種を植えると1日で芽を出すんだけど…どうなってんの? 家庭菜園のレベルだけど野菜が多く実って一人で食べきれない。まぁ…アイテムボックスのレベルが上がったお陰で腐らせずに保管出来るから問題ないけどね。
そう言えば、エンダールの事でわかった事がある。エンダールとダンジョンで時間差があるようなのだ。最初は全然気づかなかったんだけど、『マップ』の時計機能が追加された事で発覚した。ダンジョンでの1日はエンダールで10日だった。
俺も順調に成長してきている。スライム相手に何度も何度も戦い方を変えては修正を繰り返していく内に、スキル『体術』を習得していた。身体が動きやすくなった気がする。レベルも順調に上がっており、スキルのお陰でダンジョンにも慣れて来た気がするよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レベル 5
種 族 『人間』
職 業 『覇王Lv.1』
副 業 『ダンジョンシーカーLv.1』
称 号 『(初)ダンジョンに挑戦せし者』『(初)魔物を討伐せし者』『(初)レベルアップを獲得せし者』『(初)職業を解放せし者』『覇王』『魔王』『闘王』『探索者』
体 力 『D+』➡️『C-』
魔 力 『D』
攻撃力 『D+』
耐 久 『C-』
俊 敏 『D』
器 用 『D』
知 力 『D』
運 『S』
ユニークスキル
『
『
エクストラスキル
『覇王孤煌Lv.1』(LOCK)
『魔王紅纏Lv.MAX』
『闘王遊戯Lv.MAX』
スキル
『鑑定Lv.3』『マップLv.3』『アイテムボックスLv.3』『探知Lv.3』『気配察知Lv.2』『思考加速Lv.1』(NEW)『体術Lv.1』(NEW)
➡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スライムの攻撃を弾いている内に、ユニークスキル『
ーースキル『体術』は身体が疲れ難くなったり、体技を習得出来たりするらしい。体技とは戦技の一種でようするに必殺技のようなものだと思う。
1日中動き回っているのに疲れないのはステータスの上昇が原因だと思っていたんだけど、スキル『体術』の能力も合わさっていたんだな。
ーースキル『思考加速』は思考速度が上昇する。このスキルは戦闘中に大いに力を発揮する。人では考えられない速度での戦いが続くので、どれだけ速くても良いくらいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます