第25話 全裸の幼馴染の女子高生
お?
おお?
やっべ、これは……いい!
俺はマッサージ台にうつぶせになって寝ている。
ご先祖様がちっちゃな手の平で、俺の背中にオイルをのばしていく。
絶妙な力加減、ああーふわふわと意識がとんでいくみたい。
「どやっ? きもちええやろ? このあたしにマッサージさせるなんて、かわいい慎太郎だから許してんやぞ。ほらほらこの辺も気持ちええやろぉ?」
今度は太もものうら。
ああ~~。
やばい、疲れが抜けていく~。
と、そこに、桜子の声が聞こえてきた。
「あれ~? お風呂回じゃなかったんですか~?」
「なんじゃい桜子、お前裸できたんかい。素っ裸やないか。バスタオルくらい巻いてこんかい」
あ!?
俺は瞬間的に顔を上げようとするが、後頭部をご先祖様に押さえつけられた。
「お前は黙って寝てればええんや」
いやいやいやいや、そういかんでしょ?
だってさ、今そこに、幼馴染の女の子が裸でいるってことなんでしょ?
幼馴染とはいえ、いまやクラス一の美少女といわれている桜子が?
「久しぶりに慎太郎といっしょにお風呂はいろっかなーと思ったのに。昔は一緒に入ってたし」
いやそれは幼稚園の頃の話で……。
「それに……私やほのかさんのために一生懸命頑張ってる慎太郎をみたら、すこしはご褒美あげよっかなーって……」
それはいい心がけだ!
じゃあ失礼してちょっと見させてもらうよ!
顔を上げようとしているのに、ご先祖様が俺の頭をぐいぃ~~! と押し付けている。
「ご、ご先祖様……」
「あたしはお前のご先祖として、不健全な道に入らないようにする義務があるんや……。桜子よ、ご褒美あげるってなら、お前はそっちの腕をもんであげな。あたしはこっち」
二人で俺の腕のマッサージを始める。
「ご先祖様、そのバニーガール、とってもかわいいですね!」
「せやろ? あとであんたも着てみるか?」
「サイズあります?」
「……あんた、それ、なにカップや?」
「Iカップですよ~」
ぐおおおおおお!
全力をもって顔を上げようとする。
だが、俺の頭を押さえつけているご先祖様のパワーがすごい。ぴくりとも頭がうごかない。
「どう? 慎太郎、気持ちいい?」
桜子が尋ねる。
うん、気持ちいい。
マッサージ、気持ちいいよ。
でもさ、それよりも、それよりもだっ!
ぐおおおおお!
生殺しやんけーー!
と、そこにもう一人の声が。
「わわ! バニーちゃんと……なんで桜子ちゃん、裸なのッ!?」
ほのかさんの声。
っていうか、まじで裸なの?
二人が嘘を言って俺をからかってる可能性もあると思ってたけど、まじっぽいぞ!?
今、俺の腕をマッサージしているこの幼馴染、Iカップの素っ裸!
「うわー、桜子ちゃん、大きいねー……すっごい揺れてる~……ウエストもすっごいほそいし、プロポーションよすぎない?」
くっそがぁぁぁぁ!
ご先祖様の力が強すぎるぅぅ!!!
「ご先祖様、なにとぞかわいい子孫に……幸福を与えてください……」
「だめや。すぎた快楽は人生を間違えさせるんや……あたしもお前にいい思いしてもらいたい……かわいい子孫やからな。でもな、まだ早い……いっとくけど、桜子のおっぱいは女から見てもすごくいい形と色をしているぞ……こんなん見たらお前はダメになってしまう。だからこそ、見させてはダメなんや……」
ご先祖様はそういうが、桜子はなんかこう、色っぽい声で、
「別に私は慎太郎なら、いいかなって……。さっき和彦君たちに襲われそうになった時、一番最初に慎太郎の顔が心にうかんだんだ……だから……いいかなって」
「ダメや! まだ早い……早いんや! こら、じたばたするな、ほらみんなで押さえつけて!」
「あ、はい」
ほのかさんまで加わって俺は押さえつけられてしまった。
くそーくそー女の子の裸なんて直接みたことないのに!
今そこにあるのに!
見たいのに!
ここは天国みたいな地獄だ~~!
「ごめんね、慎太郎君……私、今骨だからうまくマッサージできないんだ……かわりに、足つぼマッサージやってあげるね」
「ぎゃぁぁぁぁああああ! 痛い痛い痛いぃ!」
ほのかさんの力加減がやばい、骨で直接足裏をぐいぐい抑えられてやばい死ぬ、痛い!
これじゃあ俺がざまぁされてないぃ?
くっそ、痛い見たい痛い見たい!
……結局、俺は一瞬も桜子の裸を見ることはできなかった……そのかわり。
「ステータスオープン!」
名前 しんたろう
職業 ダンジョンマスタ―
性格 善
レベル Lv20
HP 428 MP 0 マP 400000
攻撃力 1350 防御力 120
知力 8 体力 1560
魔法攻撃力 28 魔法防御力 42
すばやさ 28 うんのよさ 100
特殊能力 ネクロマンシー
「なんかレベル上がってる……」
「そらそやろ、バニーガールと全裸の幼馴染の女子高生にマッサージされて、男としての経験値を稼げない奴なんておれへん」
「でも、知力さがってるんですけど……」
「そりゃ頭は悪くなるやろ……ってか、慎太郎、わが子孫ながらあんたのマP、チート級になってるやんな……」
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