みーちゃんの地球儀

みーちゃんの地球儀

春色のパンツスーツで美しき母たらんとす今日入園式

四月からりす組になるみーちゃんの少し小さくなってきた靴

幼子が笑顔で駆けてくる姿を見るため園にお迎えに行く

菫咲く春の野に出でて幼子はだんごむしさんを丸めて遊ぶ

幼子がヒメオドリコソウ踏み分けてだんごむしさんはどこにいますか

川の字がＨの字へと変わりゆく時計回りの娘の寝相

川の字がＨから「け」に進化して今夜も重い娘の寝相

大きめの風呂敷あればマントにもドレスにもなる園児の遊び

風呂敷のドレスまといて「ありのままの自分」と歌う小さな女王

地球儀をくるくる回し「ようちえんはどこにあるの」とみーちゃんが訊く

園庭に四時の日差しは厳しくて涼む陰なき夕涼み会

男子らよ水ヨーヨーは武器なのか振り回してはぶつけ合いおり

おばあちゃんのおうちたのしいかえらない　でもぱぱままがいないのもいや

はなびした　うみでおよいだ　かきごおり　あいすもたべた　なつのえにっき

玉入れの籠の低さも可愛らし幼稚園児の大運動会

靴箱にみな団栗（どんぐり）を貯め込んで幼稚園児は栗鼠（りす）になるなり

幼子がおゆうぎ会を待ちわびて家でも歌う山の音楽家

くりくりとよみきかせきくこどもらのうしろあたまがゆれるきょうしつ

まだ子どもだもんと主張する君の前歯がひとつ今日抜けました

さくらぐみみんなまっすぐまえをむきさよならぼくたちのようちえん