[美女の噂]
「どんな
「サークルの男子たちが話してるのをちょっと聞いただけだから詳しくは知らないけど、人類科学学科に凄い美人が編入してきたとか何とか・・・・」
「編入? ですか?」
「みたいよ。どっかの大学からうちに入って来たらしい、とか」
「そうなんですか・・・・凄い美人て言ってましたか?」
「うん、言ってた。何か三度見しちゃうくらいだとか。私はまだ見たことないんだけどそんな綺麗な人ならぜひ見てみたいわ」
たぶん間違いない。
三度見するほどの美人なんて普通そこら辺にそうそういない。
きっと〈彼女〉だ。
「でも不思議よね、助けてくれたのはいいとして何で松波さんが狙われてるって分かったのかな。刺されそう、なんて」
先輩が夏花と同じ疑問を口にした。
すかさず夏花が同調する。
「確かにそこなんですよね。もちろん感謝しかないんですけど・・・・」
「そうよね・・・・ていうか、大丈夫なの? そのストーカーかなり危険じゃない? じゅうぶん気をつけてよ、松波さん」
「はい・・・・」
「先輩、その人のこと何か分かったら連絡ほしいのでLINE交換してもらってもいいですか?」
夏花が食い気味に言う。
「あ、いいわよ。私もちょっとその人に興味が湧いたから周りに聞いてみるわ」
「ありがとうございます!」
「お願いします」
とにかく早くもう一度あの人に会いたい、会って話を聞きたい──私の中にその思いが広がっていった。
そして、一応あたってみた私たちの周囲への聞き込みでは得られなかった情報が先輩からもたらされたのは早くも、午後の講義を終えた直後のことだった。
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