第3話近場のつもりが遠すぎた
ーーーーそして残された
家に真琴がいるとせっかく大人しくなったのにまた興奮するかもしれないから、夕方まで外出してきなさいと母から指令が下った。
ようはたまにはオシャレして出かけてみれば?と言っているのである。
しかし普段から自室でゴロゴロしているのが日常の
結果、普段着で近所にある公園に行きがてら商店街を冷やかすぐらいしか思いつかなかった。
せめて友人と出かけられたらよかったんだろうが。
いかんせん数少ない友人たちは、いきなりの予定ぶっ込みを許してはくれない。
相思相愛の恋人とデートしていたり、個人の趣味に時間を
ちなみに彼女たちの趣味は、非常にアクティブな全身の体を使ってます系の趣味なので。
休日にまで全力で体を使ってしまえば仕事に影響出まくりな真琴は、よほどのことがない限り付き合えない。
(しかしその趣味のおかげで女友達たちは人格優れたイケメンの金持ち彼氏をゲットしたのだから凄い)
運動は出来なくもないが、近所の風景を眺めながらまったりゆったり散歩を楽しむ方が好きなので。
広い公園から紅葉が並んで植えられている遊歩道かまでの一本道を歩いていたはずが、どういう訳か。
周辺に紅葉した植物はたくさん生えているが、こんな
ご近所の元気なお年寄りたちいわく、公園周辺の木々は
つまりここは、公園周辺の土地じゃない。
公園から少し歩けば山に入れるようにはなっているが。
それでも道なんて整備されていないのだから、わざわざ虫が潜んでいる鬱蒼と茂った
何かおかしい。
そう考えてからの真琴の行動は素早かった。
まずは川を探すことにしたのだ。
体力がある内に水を確保して、そこから太陽が出ている間に方角を確かめる。
幸いなことに、健康診断でまったく問題ないとお墨付きをもらった真琴の聴覚で先ほどから
水場は近い。
伸びまくった枝などを避けながら、水音がする方に歩いていく。
ーーーーーーすると、日頃の行いが良かったのか悪かったのか。
川からはい上がるようにして倒れていた、水も滴るいい男を発見した。
ここで冒頭に戻るという訳である。
真琴はイケメンを
……………………イケメンが目覚めるまでの決して短くない時間。
すでに太陽で方角を確かめられない時間になっていた。
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