第13話 おサルのマサル!
「い、イヤいいですわ。」食欲を逸して沈黙した。
> こいつら常識無いんや。
> 普通相手の事も考えて注文するだろ。
> 日本の常識は最早通用しないんだ。
> それならそうと、自我を通したる!神戸を嘗めんなヨッ!
> 腕を組み背凭れに身を任せ眼を閉じた・・・。
> 「ちょっと起きてよ凄いイビキね、有り得ない!」つばさが横向きで割り箸で
皿をコンコンと叩いていた。
> 忍法熟睡の術!
> 両手を肘から曲げて掌を返しダメだこりゃ! のポーズをしたつばさを見た時、
勝った成功! そう思った。
> 半時間ばかりの仮眠で亮一伝説は跡形も無く崩れ去った。
> 弟分を残して先に帰った丸坊主の飲食代金は、税込み3万6千5百二十円。
> してやったりの感情は今ここだけの優越感に過ぎなかった。してやられていた。
> 焼肉食べ放題、金払い放題。
> BGMが実しやかに流れていた。冷徹にあっさりと歌っていた。
> 「送ってよ。京町堀に帰るから。」身体を叩きのめしても飽き足らず精神をぶ
ち壊す。
> こんな連中だ。
> 大坂四つ橋筋西側京町堀の居酒屋「推古伝」に亮一、つばさ、丸坊主2人の片
割れが4人掛けテーブルに座っていた。
> カウンター席の方がおさると話しが出来るから好きだったが、我を通す気力
が無かった。
> ここの店長はつばさの元彼だそうで人懐こい顔をしていたが、「のび太くん」
と亮一を呼び、銀縁のメガネで坊ちゃん刈風の亮一には似合い過ぎていた。
> 亮一は「おさる」と呼んで北西賢(きたにしまさる)という名前から猿を連
想していた。
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