第12話  下品なヤク〇!

下品な奴! とうとう正体を現したな! しかし、サラリーマン生活を35

年も諾々とやってきた亮一の敵う相手ではなかった。

>  こういう連中を相手にしたらどちらかが死ぬまで付き纏われる、背筋に痺れ

る程の悪寒が走り初めてつばさと別れたいと思ったのは、この時だったかも知れ

ない!

>  「ナオミ・・・。」亮一の心に宿った上善寺ナオミの面影を抱き締めていた。

> 初めて分かった、大切な人を! かつて私の大切な人を病める時も死が二人を

分かつ時も決して離れないと誓った前妻が居た事を忘れていた。

>  もうその心は無いし、ナオミの傍らにある事さえ気付かなかった!それだけ

一緒に居る時間が長かったと、いう事なのか?

> 「突っ立ってないで座れば?」つばさに促され椅子に座った時、先ほど丸坊主

が注文した生中と肉が運ばれて来た。が、ジョッキ以外の全皿は、全て丸坊主の

前に置かれた。

> 「エーッ、俺の分は?」口に出た言葉を返すのは、「兄さんも食べるん?」

> 「い、イヤいいですわ。」食欲を逸して沈黙した。

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