第4話 魔の同窓会
何も考えられ無かったが、ナオミが来客なら今はこれが優先だとばかりに急
いで吹き上げズボンの右ポケットの膨らみを手で押さえながら来客対応の為につ
ばさの後を追う形でサービスフロントへ入ったのは、アナウンスが鳴ってから1
0分後の事だった。
> 「いらっしゃいませ。」フロントカウンターに座らず立って待っていたナオ
ミにツカツカと歩み寄る。余所行きの笑顔で・・・。
> 背中を指す様な視線に痛みを感じながら所用を済ませて行く。
> 鮮やかな客さばきをしていたのは、つばさがこちらを睨んでいたせいだった。
> 何よあの娘、「感じ悪ぅ!」嫌悪の捨て台詞とワゴンRを残して立ち去った。
> 車検の依頼に来たのは、キリコと岐阜総合病院1階喫煙室の隣室にある売店イ
ートインでのコーヒータイムの3時間後だった。
> 「これよこれっ! スーパーカップのバニラが堪らんよ。」そう言いながら付
属の木製アイススプンで四分の一づつ切り分けそれをコーヒーブラックのカップ
に入れた。
> キリコならではの飲み方だった。
> 「染みるねえ~。」眼を瞑り口を窄めてバニラの香りと甘さを堪能し、その中
のコーヒーの苦味も味わっていた。
> 「告られたんよね四日前に・・・。」キリコを観てカミングアウトしたが、そ
の内容は同級生の宮大工、三田秀雄(みたひでお)に同窓会の酒の席で「上善水
の如しって知っとるか上善寺?」まーたかよと適当に聴いていたが・・・。
> 民芸居酒屋の堀座卓の有る宴会場にナオミは同窓会で来ていた。
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