第3話 とんだプロトコル

「言うなよ昨日の事! あの女に仲良くしないでね? ばらしたら承知しない

よ!?若いパシリに言って懲らしめるんだから・・・。」あの女は無いよ。と言

い掛けたが踵を返し・・・。

>  やにわに展示車のエンドパネルまで小走りで駆け寄り、腰を屈め左手をトラ

ンクに突き杖代わりにして片方の脚を上げて何をしているかと思えばブルーのパ

ンティを脱ぎ丸めて亮一に「ハイ!」と、手渡すと、また小走りでサービスフロ

ント受付まで帰って行った。

>  つばさが亮一を追い越す刹那、横目でチラリ!と、睨んだ! 

> こ、殺される! 亮一の胸中に警報アラートが鳴り続けていた。

>  気が動転したままリヤクォーターを磨く。

> 何これ?イチゴ模様? ゲゲッ!つばさのパンツ!クシャクシャに丸めてズボ

ンの右ポケットへ潜らせておいた。

>  ストッキング履いてないのか?セクシーなやつ。と、思いながらカムリ全体

を見渡していた。視界がボヤけ、今何をすべきか優先順位を確認する能力が断た

れていた。

>  展示中の新型カムリには指紋や手垢がベタベタと着いていて昨日のイベント

に来客が触り上から押していたのはショックの硬さの確認の為だったが、手加減

を知らない素人の客は往往にしてフェンダーを凹ませるほどの力でそのまま体重

を掛けて押すバカが居るのは否めない。

>  リヤトランク、リヤバンパー、斜めに賺して見るのは線傷と凹みの確認の為

だ。

> 中古自動車査定士の国家資格を持ちそれをフルに活用出来ている。

>  無心になってウエスでボディーを拭いていた。時間やすべき事のプロトコル

が飛んでしまっていた。

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