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「面倒見良いとか笑わせるなよ、桃子。」




大笑いしながら光一がそう言ってきたので、私は慌てて口を開く。




「余計なこと言わないでよ!?

ていうか、何で光一がうちの会社のプロジェクトチームに入ったの!?

最初はいなかったよね!?」




「1月から病院再建チームに入ってたからな。

5月からこっちのチームに加わった。」




「断りなさいよ、自分の母親が働いてる会社なんて!!」




「断るかよ、自分の母親の会社以上にこの会社・・・」




光一が言葉を切った後、ゆっくりと立ち上がった。




ゆっくりと立ち上がり、食堂にいるみんなを見渡し・・・




口を、開いた・・・。




私が止めるより先に、口を開いた・・・。




「俺のじいちゃんが会長やってる会社だしな。」




そう、口を開いて・・・。




「ヨボヨボの祖父がいつもお世話になってます!!

僕、会長の松居喜一の孫、鮫島光一です!!

亡くなった父も母もマツイ化粧品で働いてました!!

両親のことをご存知の方もいらっしゃいますかね!?」




光一がそんなことを大声で言ってしまい・・・




「・・・やっぱりそうか!!!

鮫島君と瓜二つだから、もしかしたらと思ってたんだよ!!!」




「理菜の息子さんなの!?

・・・やだ~!立派になって~!!」




おじさまおばさま社員達がワッと光一に集まってきて、私の周りにも人だかりになった。

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