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月曜日、朝・・・。




「母ちゃん、ちゃんと食ってるのかよ?」




土曜日も日曜日も家に帰って来なかった光一が、さっきフラッと帰って来て家に置いているスーツに着替えている。




「最近は食べてるよ。

企画部にいた時は朝も早いし夜も遅くて食べる時間もそんなになかったけど。

人事部に異動したばっかりだから、まだバリバリ働いてないしね。」




“光一こそ、どこに泊まってるの?”




その言葉をグッと飲み込んだ。

男の子だし、あんまり口煩いことは言いたくない。




理子の時は、隣に住む家の息子とまだ付き合っていなかったこともあり、何度か心配の言葉を光一に呟いた。

その度に光一が理子を迎えに行ってくれていたけれど。




「結婚前の妊娠は、お母さん許さないからね。

女の子のことはちゃんと大切にしなさいよ。」




「うん。」




素直に頷く息子の大きな背中を見ながら、不安しかないのでバシッとその背中を叩いた。




「分かってるの?

ちゃんと、ちゃんと、大切にしなさいよ?」




「はいはい。」




鬱陶しそうに私のことを振り返り、そんなテキトーな返事をしてきた。




「それより、母ちゃんも綺麗にしておけよ。

まだ32だろ?女なんだから。」




「私は“女”じゃなくて、“お母さん”!

“お母さん”に“女”の顔なんていらないの!!」




私が笑いながらそう答えると、光一はニヤニヤとしながら私のことを見てきた。




「何が“お母さん”だよ。

“クソババア”だろ?」




「あんたこそ、“クソガキ”でしょうが。

マジで“クソガキ”過ぎて、ここまでくると泣けてくるよ。」




2人でそう言って笑っていると・・・




「お母さ~ん!!

今日はお兄ちゃんのお昼ご飯にお弁当作ったの!!」




理子がお弁当箱を2つ抱えながら我が家に入ってきた。

“お兄ちゃん”とは光一のことではなく、婚約者の方。




「お母さんとお兄ちゃんの分も作ったから、持って行く~?

お兄ちゃんには肉三昧のお弁当だよ!!」




「「持って行く!!」」




光一と言葉が揃い、理子からお弁当を受け取った。




「可愛い娘が作ったお弁当とか、破壊力抜群!!」




「時間なくて可愛く出来なかったんだよね。

中身、お兄ちゃんと同じ感じなの。」




「可愛い娘のご飯がお昼にも食べられるだけで、仕事頑張れるよ!!」




そう言って、可愛すぎるうちの娘にギューッとしてから家を出た。

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