5

そして、朝になり目を覚ますと・・・




お兄ちゃんが今日も私を抱き締めながら寝てくれている・・・。




時計を見ると6時半。




時計から視線を移し、目の前にあるお兄ちゃんの顔を見詰める。




カメラ越しではなく、自分の目でしっかりと見詰める。




白くてキメの細かい輝く肌、目の下には少しだけソバカスがある。

鼻筋がスッとしている高い鼻、少し薄めの唇。

キリッと整えられた眉毛と少しだけ寝癖はついているけど似合う長さに切られている髪の毛。




大大大好きなお兄ちゃんの顔を見詰めながら・・・




見詰めながら・・・




私は、手を伸ばした・・・。




お兄ちゃんの下半身に、手を伸ばして・・・




朝だからそうなっている下半身に、




少しだけ、触れた・・・。




その瞬間・・・お兄ちゃんがパッと目を開いた・・・。




長い睫毛が、キリッとした二重瞼をもっとハッキリとさせる・・・。




そんな目を少し歪ませて・・・




「りーちゃん・・・それはダメだよ・・・。」




「ダメばっかり言わないでよ・・・。

私はお兄ちゃんが好きで、お兄ちゃんも私が好きだからいいんだもん・・・。」




お兄ちゃんが私の手を掴んでいるけどそれを無視してお兄ちゃんのに触れる・・・。




そして・・・




ゆっくりと上下していく・・・。




「凄い・・・こんな風になるんだ?」




「りーちゃん・・・っ!」




お兄ちゃんの優しい制止を無視して、私はそれを上下していく・・・。




お兄ちゃんの顔と私の顔がくっつきそうな距離で見詰め合い、お兄ちゃんの顔が切ない顔になっていくのを見ていく・・・。




「あぁ・・・りーちゃん、ダメ・・・やめて・・・。」




「でも、お兄ちゃんの手・・・どんどん力が弱くなってくるよ・・・?」




私がそう言うと、お兄ちゃんの瞳が揺れ始めて・・・




「りーちゃん・・・」




私のことを呼び、また・・・口を開いた・・・




口を開いた時・・・




ノックもなしに、いきなりドアが開けられた。




「理子!!ちゃんと家に帰ってこい!!」




騒がしい声・・・。




私の本当のお兄ちゃんが、今日も邪魔をしてきた・・・。




「お兄ちゃん!!

今良いところだったのに最悪!!!」




「何が良い所だよ!!

兄妹でそんなことしてんじゃねーよ!!」




「血繋がってないから良いんだもん!!」




今日も私がお兄ちゃんにそう叫ぶと、お兄ちゃんが怖い顔をもっと怖くして“お兄ちゃん”のことを睨み付けた。




「妹に手出してんじゃねーよ、エロ兄貴!!」




「うん・・・。」




お兄ちゃんにまたそう言われ、“お兄ちゃん”は困った顔で笑いながらお兄ちゃんのことをベッドから見上げている。




「来てくれてありがとう・・・。」




そんなお礼まで飛び出してしまい・・・




私はお兄ちゃんに・・・




お兄ちゃんに・・・




噛み付いた・・・。




言葉のとおり、噛み付いた・・・。




お兄ちゃんの腕に、噛み付いた・・・。




「・・・いっってー・・・っ!!!!」




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