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「お兄ちゃん・・・」




私は裸のまま、パジャマを着ているお兄ちゃんに布団の中で抱き付く。

そんな私にお兄ちゃんは今日も困ったように笑って、部屋の電気を消してくれた。




「りーちゃん、おやすみ・・・。」




「まだおやすみしない・・・!!」




そう叫んで、私はお兄ちゃんの下半身に手を伸ばす・・・。




手を、伸ばしたら・・・




お兄ちゃんが、自分の下半身を手で隠した・・・。




今日も、隠した・・・。




それには今日も泣きそうになる・・・。




「何でダメなの・・・?」




「僕は、りーちゃんの彼氏じゃないから・・・。

りーちゃんも・・・僕の彼女じゃないでしょ?」




「うん・・・。」




私が答えると、お兄ちゃんは真っ暗になった部屋の中でしばらく無言になって・・・




「・・・彼女には、なってくれない?」




「うん、彼女は嫌だ・・・。

お兄ちゃんと妹がいい・・・。」




「うん・・・。」




お兄ちゃんが返事をした後、シングルベッドの中で私に背中を向けた・・・。




「りーちゃんがしたいって言うから、ああいうことしちゃってるけど・・・」




言葉を切った後に、お兄ちゃんは少しだけ肩を震わせ・・・




「お兄ちゃんと妹は、こういうことしちゃダメなんだよ・・・。」




今日も、そう言ってきた・・・。




私は泣きそうになりながらも、お兄ちゃんの背中に抱き付いた・・・。




「血は繋がってないもん・・・。

結婚出来るもん・・・。」




「そうだね・・・。

でも、りーちゃんには彼氏が出来るかもしれないから・・・。」




「そんなのいらないもん・・・。

だからお兄ちゃんも彼女作らないでよ?」




「僕は・・・作りたくても作れないよ・・・。」




会社でジワジワとお兄ちゃんのファンが増えているのに、お兄ちゃんがそんなことを言っている。




「私以外の人と結婚したら、お兄ちゃんの奥さんを一生いびってやるんだから。」




私がそう言うと、お兄ちゃんは肩を震わせながら笑っていた。

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