2

カメラを片手に廊下を歩いていると・・・

経理部の部屋から1人の男の人が・・・。




その人を見て、私はカメラを下ろした・・・。




そして・・・




「お兄ちゃん!!!」




大大大好きなお兄ちゃんを呼び、お兄ちゃんに向かって走りだし・・・




思いっきり、抱き付いた。




「りーちゃん・・・。」




お兄ちゃんは困った顔で私のことを“りーちゃん”と呼び、私の背中をポンポンと優しく叩いてくれた。




「これから大学院?」




「うん、17時になったからね・・・。」




「今日も帰りは22時過ぎくらい?

夜ご飯何食べたい?」




「ハンバーグがいいな・・・。」




「分かった!作って待ってるね!」




そう答え、大大大好きなお兄ちゃんにギューッと抱き付く。




そしたら・・・近くでクスクスと笑い声が聞こえてきた。

そっちを見てみると、女の人達が2人いて・・・




「兄妹っていうより、新婚さんみたいだね?」




「理子ちゃんって本当にお兄さん大好きだよね。」




と、言ってきて・・・。




「お兄さん2人とも系統の違うイケメンで、彼氏はハードル上がっちゃうね~。」




「それに岩渕君とは血が繋がっていないし、彼氏もやきもち妬いちゃうだろうね。」




そんな余計なお世話なことを言ってきて、私は口を大きく開けた。




「私、彼氏なんていらないから!!

お兄ちゃんがいればそれでいいの!!

血が繋がってないし、結婚出来るんだから!!

余計なお世話してこないで、オバサン!!」




「りーちゃん・・・!」




私がそう声を荒らげると、お兄ちゃんが慌てた声で私を呼んだ。




「妹が、すみません・・・。」




「・・・大学生からしてみたら、うちらオバサンだしねー。」




「オバサンが余計なお世話してむしろごめんねー。

ガチで好きだとは知らなかったし、確かに変なこと言った!」




オバサン2人がそう言ってくるけど、私はお兄ちゃんに抱き付きながら睨み続ける。




そしたら、お兄ちゃんが・・・




「僕達はそういうのではないので・・・。

誤解しないでください・・・。」




そんな・・・




そんなことを言った・・・。




それにオバサン2人は絶対にホッとした感じになり、私のことを憐れみの目で見てきて・・・




「お兄ちゃん、大学院遅れちゃうから離してあげな?」




「今は経理部の所属だけど、本来は経営企画部に配属されたエリート軍団の1人だからね?」




.




18時になり、私は会社で支給されているカメラを片付け広報部の部屋をすぐに出た・・・。




そしたら・・・




「理子ちゃん、お兄ちゃんにフラれちゃったんだって?」




「お兄さん達が美味しいご飯食べさせてあげるよ!」




廊下でお兄ちゃんくらいの歳の男の人達がそんな声を掛けてきた。

口を開きそうになるのをグッと我慢して、無視をして歩き続ける・・・。




「血も繋がってないし、お互いの親はまだ再婚してないんでしょ?」




「隣の家に住んでるってお兄ちゃんから聞いたけど、理子ちゃんみたいなタイプがああいうの好きになるの意外だよね!」




「もしかして、小さい頃からいやらしいことされてたから好きになっちゃったとか!?

妹になる子がこんなに可愛いかったら、普通我慢出来ないからね!

岩渕君むっつりスケベっぽいし!!」




その言葉には我慢出来ず、口を大きく開いた。




「お兄ちゃんむっつりスケベじゃないから!!」

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