地下2 感動(?)の再会

「ふぁ〜!」


 店作り終わったぜぇー!


 つっかれたぁー!


 んじゃ早速作った店の中で休むとするか!


 それついでにまあぱぱっと内装を説明するぜ。


 店は一階建てにした。


 まぁさっき言った通りそんな大きめにする予定じゃねぇし別に良いだろ。


 だが流石に居住スペースと一緒なのはヤベェから居住スペースは奥の方にしてある。


 もちろんお客さんの方から見えねぇ様になってる。


 んでもって仕事スペースには当たり前だが受付と商品が置いてある。


 まあその置いてある商品は大体価値の無ぇもんにした。


 盗まれても大丈夫な様にな。


 ま、盗んだら盗んだで俺が追っかけてそっこー取り返すんだが。


 んで、欲しいもんがあったら口頭で言うようにしてもらってる。


 後日取りに来て貰うとかそんな感じだ。


 錬金ってんな便利なもんじゃねーんだぜ?


 まあ使用回数制限とかは無ぇんだけどさ。


 ま、色々制限があるって思ってくれりゃあいい。


 奥の居住スペースの方には水洗式トイレとここに来る道中で倒したにわとりの様なモンスターの羽を使ったベットがある。


 まあまだそんくらいしかねぇが、必要に応じて広げたりする予定だ。


「さぁーて開店と行きましょうか!」


 受付の横にかかっている『CLOSE』と書かれた看板を裏返して『OPEN』にする。


 ………………誰も来ねぇ。


 いや知ってたわこんちくしょう!


 こんな奥深くまで来た奴いねぇだろうしな!


 ったく、客がいねぇんじゃ店やってても意味無ぇわ。


 あ゛ぁー何すっかなー。


 ……そーだ! 灯りを付けて回ろう!


 単純に今後この階層の探索に役立つしこの店に案内する役割にもなるな!


 そーと決まりゃあとっとと作っちまおう。


 おっとその前に……


「スゥー……ハァー……」


 やっぱ一服しねぇとな!


 んじゃ、始めるか。


 まずは【物質錬金】を発動するか。


【物質錬金】っつーのは、まぁなんだ? 対象の物質の形を自由に変えられるっつー魔法だ。


 色んなもんの形を粘土ねんどみてぇに変えられるから今まで重宝しまくってきた。


 ただこいつはあくまで形を変えるだけだ。


 だから【変換錬金】も発動する。


 そーすりゃあ灯りが作れるってこった。


 まずぁ天井の方に【物質錬金】をして少し突起状にさせる。


 んでその突起の先端を膨らむようにして、その膨らんだ部分をおりみてぇなあみあみにしてく。


 最後にその中に『ルシュタルト鉱石』っつう光る石を【変換錬金】で作る。


 これで灯りの完成だ。


「我ながら上出来だな」


 んじゃあ均等になるように他のも作ってっかぁー。


「スゥー……ハァー」


 うし! 頭がえた!


 ドンドン作ってくぞー!


 ポンポンと生成しまくる。


 まぁ形が単純だからな。


 いやぁー灯りがあるっていいわ。


 暗くて見えねぇ所がほぼ無くなる。


 そういやあの綺麗きれぇなクリスタルも光ってたなぁー。


「後で色々見てみっか」

「ゲコ!」


 おぉ! おめぇもそう思うか! 


 ………………って生きてたのかお前ぇ!?


 即行そっこう武器を取り出す。


「ゲコゲコ! ゲコ!」


 あ? 何だ? なんか言ってんな。


「ゲェコ、ゲコ」


 ……おいおい待て待て待て待て、なんか言ってる意味が分かっぞ!?


 どーなってやがる!


「ゲコゲコ」


 あ? あの薬?


「あの薬がどーしたんだよ?」

「ゲコゲコゲコ」

「はぁぁぁ!? あの薬の所為せいで自我が目覚めただぁ!?」


 うっそだろお前ぇ!?


「ゲコ」


 あ゛ぁーめんどい事になっちまったー。


 一応あの薬は精神に異常をきたしつつ体もイカれさせるっつー薬だったんだが……どっかでミスったかぁー?


「ゲコゲコ?」

「あ? 上見てみろ、灯りあっだろ? あれ作ってんの」

「ゲェコォ……」


 なぁに感心したような鳴き声出してやがんだ。


 まぁ、敵対してねぇなら殺す必要はねぇな。


「俺ぁこの先に行くが、なんか注意すべきもんってあるか?」


 この階層の事ぁこの階層にいるモンスターがいっちゃん知ってるだろ。


「ゲコ、ゲコゲコ。ゲッコゲコ」

「おけ、サンキュー」


 どーやらこの先にドラゴンの巣があるらしい。


 ドラゴンか……懐かしぃーな。


 68階層の隠し部屋で一対一ワンブイワンやらされた時はビビったが、あんま強くはねぇ。


 装備整えたら行ってもいいな。


「ありがとな! 名前は……ゲコでいいか!」

「ゲコ!」

「じゃあなゲコ、情報提供あんがとな!」

「ゲェコォ!」


 そう言って別れた……はずなんだが……


「ゲコ、ゲコ、ゲコ、ゲコ」

「なぁんで付いて来てやがんだ!」


 すんげぇー付いて来やがる。


 何なんだコイツは!?


「お前ぇ俺の言ってる意味分かってんだろ! ならさっさと去れや!」

「ゲコゲコ、ゲコ?」


 …………ほぉ?


「マジか? それ?」

「ゲコ!」


 ゲコいわく、錬金するのに必要な素材の在処ありかを教えるから拠点に付いて行かせて欲しいらしい。


 ……ん゛んー難しいところだ。


 いくら何でも錬金は無から何かを生み出せる訳じゃあねぇ。


 何らかの物質を別の物質に変えてるだけだ。


【変換錬金】は何かと制限があるから素材があった方がありがてぇっちゃありがてぇ。


 薬とかはそういう素材を元に作ってるしな。


 しかもこの階層に来てまだ一日も経ってねぇから周囲の地形なんざ分かってる訳がねぇ。


 詰まるところ素材の在処を教えてくれる存在っつーのは非常にありがてぇんだ。


 だが店の位置がバレたら仲間を連れてボコしに来るかもしねぇ。


 …………連れてくか。


「付いてこい」

「ゲコ!」


 そう言って灯り作りは一旦中断して、ゲコと共に店へと帰った。



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