第3話 『喰われた』
パル25世は、ある日、サン・キ・ユーさんをよんで、こう言いました。
『サン・キ・ユーさん。じつは、この壁画の怪獣が、毎晩抜け出して暴れるので困ってるんだよなあ。ちょっと、痛い目に遭わせてくらさい。』
そこには、おそらく、古代の恐竜が描かれていました。
ティラノサウルスの、仲間と思われます。
それは、実に見事な壁画でありました。
なにしろ、実物を見て描かれたらしいのです。
『まかしてください。』
たまたま、ヘレナ王女さまが来ていました。
『あらまあ。サン・キ・ユーさん、安請け合いしてはだめよ。パパは危ない人だから。』
『ははは。では、王様。まず、こいつを追い出してください。そうしたら、おいらが、この電気レーザーショックガンで撃ちますから。』
『きみ、どこで、そんな危ないもの手に入れたんだ? それは、ボリュームを上げると、相手を殺しかねないべ。軍用品だろ。』
『ダイジョブです。教会長さんの、横流しですから。さらに、気絶モードですから。』
『そうか。じゃあ、いくよ。』
サン・キ・ユーさんは、王様が、超能力者であるということを、忘れていました。
なんと、目の前に、古代の恐竜が壁画から抜け出して現れ、サン・キ・ユーさんは、がぶっと、かまれたのです。
幸い、大事には至らず、大きな舌で、なめられただけでしたが。
それから、恐竜とサン・キ・ユーさんは、仲良しになったのです。
しかし、鬼のぼくを置いてきぼりにし、恐竜だか、怪獣と仲良しなんて、鬼のみにもなってください。
なお、その恐竜さんは、さすがに、いまはもう、いませんが、壁画は王宮に、ひっそりと残っております。
ふだん、管理人さん以外は近付けません。
たまに、お散歩にでるとか。
なんせ、王宮は、広大ですからね。
少し、分けてほしいくらいです。
🦖
👹💧
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