第3話

 食料など、とっくに尽きてしまっていた。

 よくここまで食いつなげたものだ。

 生きているのはほぼ奇跡と言っても過言ではないだろう。

 ここまでの人生を振り返り、扉を開ける。





 ……久しぶりの外の空気に、違和感を感じる。

 周囲からは腐臭が漂い、吐き気を催すような怖気が身を犯し始めた。

 ああ、だから。

 だからあの人は、ここから出るなと固く言ったのだ。

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