第二百話 神との決着

「死ね!テュール! 闇の連牙弾ダークガトリング!」

「嫌だね! 凍魔晶付与ブリザードエンチャント! 白狼中式ハクロウチュウシキ! 百花繚乱ヒャッカリョウラン!」


ダダダダダッ!

ピキーンッ! ポロポロポロッ。

闇の弾丸がスノウの目の前で地面に落とされる。


「ちっ、やはり相性が悪いか。」

「そうだな、元から俺とお前は相性最悪だったからな! 凍魔晶付与ブリザードエンチャント! 狼派二式改ロウハニシキカイ! 鋭氷蒼波エイヒョウソウハ!」


バリリリッ!バリリリッ!

氷の斬撃が飛び交う。


「ふんっ!そんなもので!」


バゴーンッ!

闇の衝撃波で斬撃を吹き飛ばす。


「遅えよ、俺はここだ!」

「なにーー。」

狼派七式改ロウハナナシキカイ! 剛翔餓狼撃ゴウショウガロウゲキ!」


ガゴーンッ!

ロキは何とか反応し、攻撃を受け止める。


「上手く耐えたな、運がいいやつ。」

「ふざけるなよ、お前達のせいで何人の同胞が死んだと思っている!」

「あいつらのことか、。」

「そうさ!戦神として彼らは使命を全うしようとした、だが、人間の脆さのせいで全員死んだのだ!」


ダダダダダンッ!

複数の闇の魔法の弾丸が射出される。


「確かに、あいつらは死んでいったよ、戦神としてな。……けどよ、それは人間のせいじゃねえだろ!」

「何を言うか!人間の弱さが引き起こした事態だろう!それなのに、奴らはわしら神のことしか責め立てない!」

「この力は、人間には大きすぎる力だったんだ!スノウ達ホープは奇跡的に順応できた、けど、この作戦は、FC計画が間違いだったんだ!」

「間違いではない!人間が力を欲したからわしらは与えた、だが、自分たちの弱さを自覚していなかった人間は、我ら神をも犠牲にした!」


ガギーンッ!

二人の攻撃がぶつかり合う。


「それは俺たちの考え不足だったんだ、俺たちは自分の国を化け物に奪われて以降、ただただ感情的になっていた。そして、手を差し伸べてくれたアトリに対して恩返しをしたいと考えた、けど、間違えたんだ。」

「何を間違えたと言うのだ!わしらが敵の侵攻から守る、そのために体を借り受ける、それで話は決まっていた!」

「その意見は、こっちから一方的に押し付けたものだろ!

「そんなものをして何になる!人間が脆いが故に、死にゆく未来は変えられなかった! 消失の爆撃ロストサンダー!」


バゴーンッ!

空から塵も残さない威力の暗い雷が降り注ぐ。


「変えられたさ!俺たちが、お互いの弱点を補い合って、助け合うことができたなら、違う未来を手にできてたはずだ!」

「なぜお前は、そんなにも前を向いて進める。いくつもの仲間を失ったんだぞ、その元凶が目の前にいるのに、なぜ協力なんてできる!」

「人間に!!俺たちと同じ経験をしてほしくないからだ! 凍魔晶付与ブリザードエンチャント! 白狼上式ハクロウジョウシキ! 絶対零度アブソリュートゼロ!」


バリリリリッ!

空間が氷で覆われる。


「んなっ、この空間はーー。」

「俺の空間だ。もうお前は、ここから逃げられない。」

「舐めるな!」


ダダダダダッ!

パキパキパキッ!

闇の弾丸が、放つと同時に固まって落ちる。


「人間のために、ここまでできるとは、お前は変わったやつだ。だから異端と呼ばれるのさ、お前達ホープは!」

「異端でもなんでもいいぜ。俺たちは、仲間の死にゆく場所に何度も出会っている。……けど、あいつらは、復讐なんて望んでなかった。」

「何を言うか!そんなの表向きの言葉、そのまま信じる方がおかしいのだーー。」

「死ぬ直前に、そんなことを言えると思うか?あいつらは、自分たちの後を追ってほしくないから、俺たちに託したんだ!そして、この戦いはあいつらの言葉を信じた俺たちと、人間を憎んだお前達が引き起こしたもの。」


バゴーンッ!

さらにロキは力を強める。


「ならば、わかりやすい決め方がある。よく人間が言っているな、正しいものは負けない、とな。」

「そうだな、ならここでもやってみるか?俺とお前、どっちが正しいのか。」

「そのつもりだ!うぉぉぉ!!!!!」


ヒューンッ!!

ロキの手のひらに大きな闇の塊が現れる。


「なら、俺もやらせてもらうぜ!付き合ってくれよ、スノウ!」

(おう!いくらでも任せておけ!)


パキパキパキッ!

スノウの体を氷が覆っていく。


正真正銘、最後の攻撃。



「朽ち果てろ! 漆黒の光線ダークネスレーザー!」


バゴーンッ!

闇の巨大なビームが射出される。


「終わらせるぜ、凍魔晶付与ブリザードエンチャント! 白狼流派最終奥義ハクロウリュウハサイシュウオウギ! 氷牙千刃狼ヒョウガセンジンロウ!」


ピキピキピキッ!

シュンッ!シュンッ!シュンッ!

氷で生み出された無数の剣が、レーザーに向け放たれる。


バギバギバギッ!

レーザーと氷の剣がぶつかり合う。


「うぉぉ!!死ね!テュール!」

「俺は負けられんねえ、あいつらのためにも、相棒のためにも!!はぁぁぁ!!」


シュンッ!

一つの巨大な氷の刃の如く、スノウが突撃する。


グググググッ!

徐々にスノウが押し始める。


「くっ、勝てないというのか、わしではーー。」

「これが俺たちの力だ!その身で味わえ、ロキ!!」


ワォォンン!!

氷の狼の姿となり、闇のレーザーを飲み込む。




そして、


ジャギンッ!

スノウの一撃が、ロキを斬り裂く。


「くそっ、わしらが、間違ってると言うのか。」

「何が正しくて、何が間違いなのかは正直わからねえ。……けど、今回ばかりは、俺たちと人間側が正しいのかもな。」

「ふっ、まだ分からないがな。オーディン様は、わしら以上に、人間を、憎んで……。」


シュイーンッ。

空に粒子状になり、ロキは消えていく。



「ふぅ、共鳴突破クロスドライブ 停止オフ。」


シューンッ。

スノウは元の姿に戻る。


「なあ、テュール。全員集まったら、最後に教えてくれ。お前達の過去に、何があったのか。」

(ああ、分かった。約束する。)


ピキーンッ!

白いドアが現れる。


「あそこが出口か、待ってろ、オーディン。……ロキ、てめえのことは未だに許さねえ、けどまあ、ゆっくり休んでくれよ。」


ガチャンッ。

ドアを静かにくぐった。


スノウvsロキ

スノウの勝利


ホープは全員生き残った。


第三十一章 完


◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


第三十一章まで読んで頂きありがとうございました。


ホープは五神を倒すことに成功。

彼らは戦神達の過去を知ることに。

そして、オーディンを倒す準備もできた。



ついに!


ついに!



次が最終章!!!!!



スノウ達の今後を気になってくれる方!

オーディンとの決戦! ホープは希望となれるのか!

ホープの六人を応援してるぞ!


と思ってくださいましたら、

ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします!


ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!

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