最強の俺たちが国王に記憶を消されたので、どんな手を使ってでも成り上がってやる件

第百三十八話 連携こそ力なり

次はセドリックとリサの戦い。

「僕はスノウやセラくんみたいに完全に位置はわからない、やつの攻撃は僕が受けるから、隙をついてリサくんが攻撃を！」

「分かった！無理はしないでね！」

「もちろん！」

ドスドスドスッ！

すでに消えているオークが迫ってくる。

(攻撃がくる！)

「来たれ！光（ヒカリ）よ！　戦騎術（センキジュツ）！　陸（ロク）！　反射光（リフレクター）！」

バギーンッ！

グローブの攻撃を察知し、なんとか受け止める。

(うぐっ、これまでのオーク以上の重さだ。)

「そこだね！　虎派八式（コハハチシキ）！　虎牙剛斬（コガゴウザン）！」

ガギーンッ！

リサの力技が降り注ぐ。

しかし、グローブで弾き返される。

「っな！？」

「グァ！！」

ブンッ！

グローブがリサに迫る。

「リサくん！」

ガギーンッ！

セドリックが瞬時にリサの前に入り、攻撃を弾く。

「無事かい？」

「う、うん。ありがとう！」

「なるほど、かなり頑丈みたいだね。」

ポタッ。

セドリックは腕から血を流す。

「セドチン、血が！」

「大丈夫、こいつを倒すまでは。」

「セドチン……なら、あたしを使って！」

「え？どういうことだい？」

ドスッ、ドスッ。

オークの足音が迫る。

「そのまんまだよ！あたしは力が売りの戦士、位置さえ教えてくれればなんとか捌くよ！」

「けど、もし少しでも僕の反応が遅れたらーー。」

「あたしはセドチンを信じてる。だから、セドチンもあたしを信じて！」

「あ、ああ！分かった！」

ブンッ！

拳が二人に迫る。

「目の前から来るよ！」

「おっけー！　虎派四式（コハヨンシキ）！　虎転一刀（コテンイットウ）！」

バキーンッ！

長剣で拳をうまく捌く。

「次は右だ！」

ブンッ！

さらに拳が迫る。

「任せて！　虎派六式（コハロクシキ）！　円虎玉砕（エンコギョクサイ）！」

ドガーン！！

回転斬りで弾き返す。

「よし、これならーー。」

(待って、これじゃ背中がガラ空き！)

リサは背後に殺気を感じとる。

「やばーー。」

「戦騎術（センキジュツ）！　玖（ク）！　光進双烈斬（コウシンソウレツザン）！」

ブワーンッ。ガギーンッ！

光がセドリックの姿となり、拳を弾き返す。

「ありがとう！」

「ああ！ここで一気に行くぞ！」

ズンッ！

セドリックが目の前まで迫る。

「これが、僕の覚悟だ！　集まれ！光（ヒカリ）よ！　戦騎術終型（センキジュツシュウノカタ）！　佰（ヒャク）！　光影終総撃（コウエイシュウソウゲキ）！」

ブワーンッ。

セドリックの形をした光が五体生まれる。

槍、斧、弓、棍、魔法書を持つものが一人ずつ。

本人は剣を構え突き進む。

「うおぉー！！」

全武器の応酬がオークを追い詰める。

「トドメを！リサくん！」

「待ってました！　吹き飛ばせ！　炎鳥（フレアバード）！　虎派終式（コハシュウシキ）！　鳳凰天衝（ホウオウテンショウ）！」

ズザッ、ボォォ！！

長剣を青い炎で覆い、全力で斬り上げる。

「ウゴァァ！！」

ポトンッ。

クリスタルとなり、オークを倒す。

「はあ、はあ、さすがだね、リサくん。」

「セドチンも、ありがとうね。」

パチンッ！

二人はハイタッチをする。

最後にセラ、ヒメノ達の戦闘。

「ヒメちゃん！空から狙える？」

「任せてください！セラさんもお気をつけて！」

ブワッ！

ヒメノは空を飛び、オークから距離をとる。

「透明だから、ヒメちゃんに相性は良くない。セラがヘイトを稼ぐ！」

ズザッ！

セラも刀を構え突撃する。

「グァ！」

ブンッ！ブンッ！

セラ目掛け数発の拳が飛んでくる。

(くっ、ギリギリ捌けるか。)

ガギーンッ！ガギーンッ！

第六感を活かし、なんとか攻撃を弾く。

「あたし達の特権、使わせてもらうよ！」

ピキーンッ！

感覚共有（シンクロ）を行い、ヒメノに指示を出す。

(ヒメちゃん！真下！)

「はい！　鷹派六式（オウハロクシキ）！　嘴閃（シセン）！」

ヒューンッ！！

ザッ！ザッ！ザッ！

真下に降下し、連続蹴りを浴びせる。

「グオ！！」

「くっ！」

(しゃがんで！)

バッ！

瞬時に地面に伏せ攻撃を避ける。

「セラを忘れないでね！　希狼派四式（キロウハヨンシキ）！　廻閃牙（カイセンガ）！」

グルンッ！ジャギンッ！

回転斬りがオークに傷をつける。

「ウォォ！！」

ブンッ！

オークの足蹴りがセラに迫る。

「くそっ、雷充填（ライトニングチャージ）！　希狼派五式（キロウハゴシキ）！　破雷（バラ）！」

ガギーンッ！

セラは咄嗟に防御技を使う。

が、

(くっ、重すぎ。)

ドンッ！

「うわっ！」

セラは吹き飛ばされる。

「セラさん！」

ヒューンッ！！

地面スレスレを滑空し、ヒメノがセラを受け止める。

「えほっ、えほっ。ありがとう、ヒメちゃん。」

「いえ、こちらこそあまり力になれずにすみません。」

「いいや、セラ考えついたよ。長期戦を避ける良い案が！」

ズサッ。

二人はオークがいる方を向く。

「いくよ、ヒメちゃん！」

「はい！合わせます！」

ブンッ！

二人はトップスピードで迫る。

「グォォ！！」

オークが拳を振り下ろす。

(ヒメちゃん！そこから全力でやっちゃって！)

「はぁぁ！！　火槍（ファイアランス）！　風槍（ウインドランス）！　ダブル展開！」

ボォォ！

ヒューンッ！

右足に炎が、左足に風が纏われる。

「ウゴア！？」

オークは直感で危険と感じ、ヒメノの方に走ろうとする。

「行かせないよ！　雷充填（ライトニングチャージ）！　希狼派七式（キロウハナナシキ）！　紫電衝破（シデンショウハ）！」

ドゴーンッ！

オークの足に雷の衝撃波が直撃し、動きを止める。

「ウギャ！」

「ありがとうございます！セラさん！　これが私の奥義！　鷹派終式（オウハシュウシキ）！　暁（アカツキ）！」

ブンッ！ボォォ！

ズザッ！ズザッ！ズザッ！ズザッ！

両足に炎と風を纏い、連続蹴りを浴びせる。

「ウグァァ！」

「セラ達の力、その目に焼き付けなさい！　これがセラの全力！　雷充填（ライトニングチャージ）！　希狼派終式（キロウハシュウシキ）！　狼電雷刃双牙（ロウデンライジンソウガ）！」

ビリリリリッ！

二本の刀に大きな雷が纏われる。

「はぁぁ！！！！！」

ヒメノと反対側から雷の二本の回転斬りが迫る。

ビリリリリッ！

雷撃が、オークを襲う。

そして、

「大嵐（サイクロン）！」

ドガーン！！

炎、風、雷に覆われたオークはクリスタルとなり、地面に落ちる。

「はあ、はあ、はあ、やった……。」

「セラさん！」

ガシッ。

ふらついたセラをヒメノが受け止める。

「えへへ、少ししんどかったかも。」

「少しどころじゃないですよ！はぁ、双子揃って無理しがちなのは同じなんですね。」

「え、そんなところお兄と同じなのなんか嫌〜。」

ニコッ。

二人は微笑み合う。

新種のオークを、ホープは巧みな連携で討伐成功したのであった。