第百十三話 闇と光の融合
セドリックは闇のオーラに包まれていく。
彼の内側から闇は発生しているようだ。
「うあ、あ、あぁぁ!!!!!」
「セドくん!!」
ブワーッ!!
彼を渦巻く闇は、竜巻の如く勢いを増す。
「くっ、セドくんは光魔法を使えたはず。なのに、なんで闇魔法を感じるの!?」
「ぼ、く、は。ぼくは……。」
シューンッ。
闇の風が収まり、少しずつセドリックの姿が見えてくる。
「っ!?セ、セドくん、なの?」
「がぁ、ぁぁ。」
セドリックの眩しいくらいに輝く銀色の鎧から一変。
ドス黒い紫色に全身覆われ、目は真っ赤に輝いている。
もはやそれは、人とは呼べない。
化け物だ。
「セドくん!」
「うがぁ!」
「っ!?」
シュンッ!
スピードに特化したセラですら目で追うのがやっとの速さで突撃してくる。
「ぐぉぉ!」
「早い、
ガギーンッ!
闇に覆われた剣と刀がぶつかり合う。
「うぅ、ぐぅ、ぐぁぁ!!」
「この力、セドくんのものとは違う。」
「じゃまだぁぁ!!」
「うわぁ!」
ブンッ!
セラは力押しされ、吹き飛ばされる。
「えほっ、えほっ。力が強いとか、早いとか、それだけじゃない。セドくんの力には、恐怖が練り込まれてる。あの時の、デュポンとはまた違う力だ。」
「消えろっ!!!!!」
シュンッ!
更に加速したセドリックはセラに迫る。
「このままじゃ、セラが殺される。やるしかない!
ドゴーンッ!
セラも力を解放し、セドリックとぶつかり合う。
「うごぁぁ!!」
「闇になんて落とさせない!あなたは、セラの大切な仲間、セドくんなんだから!」
ガギーンッ!ガギーンッ!ガギーンッ!
激しい攻防が繰り広げられる。
闇の禍々しさと、雷撃が周りの地面を傷つける。
「死ねぇぇ!!」
「死なないよ!お互いに!
ジャキンッ!
雷の光のような早い一撃が、セドリックに直撃する。
「う、ぐぅ。」
しかし、特に痛がるそぶりを見せない。
「セドくん、苦しいよね。あと少し頑張って、セラが、早く終わらせる!」
「うごぁ!!!!!」
「はぁぁ!!
スンッ。
カキンッ!
音すらも感じさせない早い一撃は、セドリックの剣を弾き飛ばす。
「さあ、次はあなたよ。セドくんを返してもらうから!」
「うご、ぁ、ぁ!」
(や、め、ろ。こんな力、使ってはダメだ!)
ヒュワーンッ!
セドリックの右手に大きな闇の塊が生まれる。
ブォォ!!
その塊は、風を纏いながらどんどん大きくなる。
「な、なに!?光魔法の人が、闇魔法をこんなに使えるわけ……っ!?まさか、セドくんに闇魔法を植え付けた!?」
「ぐぁ、ぁ!」
右手がフォールクヴァングの方に向く。
「な、だめ!!」
「
バゴーンッ!
大きな闇の塊がフォールクヴァングに向けて射出される。
ゴゴゴゴゴッ!
地面を削りながら村に一直線。
シュンッ!
「やらせない!
ジュキーンッ!
刀から大きな雷のバラが咲き誇る。
ドゴゴゴゴッ!
闇の塊と雷のバラがぶつかり合う。
「くっ、う、重い。でも、村には向かわせない!」
バギーンッ! ドガンッ!
セラは全身の力を振り絞り、闇の塊を岩の方に弾き飛ばす。
ボロッボロッボロッ。
岩が消え去り、まるで切り抜かれたかのように何もない。
「げほっ、げほっ。やばい、力が。」
セラは口から血を流し、片膝をつく。
「うごぁ!!」
「くっ!」
シュンッ!
隙をついて迫ったセドリックが拳を振り抜く。
「えほっ。まだ、終われない!
ガギーンッ!
重さのある雷の衝撃波で闇の拳を受け止める。
「ぐ、ぁ、ああ!」
「だめ、弾けない。」
ドガンッ!ゴスッ。
セラは吹き飛ばされ、岩の壁に叩きつけられる。
(や、やめろ!とまれ、ぼくの体!セラくんを、殺したくない!)
ドスッ、ドスッ。
ゆっくりとセラに近づく。
「う、く、えほっ。だめだ、体に力が、入らない。」
カタタッ。
なんとか立ちあがろうとするが、セラは力を使い果たしている。
ブンッ!
ターゲットをロックオンしたセドリックは、右手に闇の剣を生み出す。
「う、が、ぁぁ。」
「ごめん、ね、セドくん、あなたを、助けられない。」
(やめろ!やめろ!誰か、お願いだ!僕を、殺してくれ。)
ガチャンッ。
剣がセラの頭上に。
その剣に、セラの傷ついた姿が映る。
「うっ……。みんな、ごめん。」
(嫌だ!やめてくれ!僕は、僕は!)
ズザーッ!
剣が振り下ろされる。
(やめろー!!!!!)
シュンッ!
ガギーンッ!
闇の剣が弾き飛ばされる。
「っ!?」
「何してんだよ、なあ。」
サァァ。
周りが冷気で覆われている。
その空間は、氷点下の如く。
「許さねえ、てめえだけは!
ドゴーンッ!
スノウが力を解放し、セドリックと対面する。
「お、お兄……。」
セラは力なくスノウを見上げる。
「ぐぉぉ!」
ガシッ!
スノウはセドリックに突進し、セラから引き離す。
「セドリック!!」
「うがぁぁ!!」
背中を預けあっていた者たちの戦いが、再び始まる。
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