第九十八話 感情の覚醒、先へと進む
「あははは！いくらトップだからって、イズンちゃんに勝てると思ってるの！？」
「あんた以外の五神は、容易く負けてくれたみたいだけど。あんたも同類でしょ？」
「ムカッ。いい度胸してるわね、いいわ。生意気な人間は、もっと嫌い！」
ブンッ！
空からイズンが迫る。
「
「
バギーンッ！
リサの斬り上げと、イズンの砂を槍のように尖らせた足技がぶつかり合う。
「リサッ！」
「あたしは大丈夫！みんなは、町の人を守ってあげて！」
パリンッ！パリンッ！
「グォォ！」
ドサッ、ドサッ、ドサッ。
ゴブリンがグリトニルの町に現れる。
「いつの間に！？くそ、ヒメノ！俺と来い！反対側はセラ！ユキナ！任せるぞ！」
「分かった！お兄、リっちゃん、気を付けて！」
ダダダダダッ！
ホープはグリトニルを守る為に行動を開始する。
「へえー、本当に一人で勝つつもりなんだ。やっぱり生意気な人間ね！」
「一人？本当に一人だと思う？」
ガギーンッ！
二人は距離を取る。
「はんっ！そうしか見えないけど？イズンちゃん相手になめたことをしてくれるね！」
「あんた、心底自分が強いと信じてるんだね。なんて可哀想な神様。」
「……、うざい、死ね！」
シュンッ！シュンッ！シュンッ！
イズンは高速で何かを射出する。
「
バゴーンッ！バゴーンッ！バゴーンッ！
リサの目の前で泥の塊が爆発する。
(これは、本命の技じゃない、目眩しね。なら！)
ゴォォォォ！
リサの長剣に火が纏われる。
「
キシャァァ！
火でできた蛇がリサの周りを回り始める。
蛇の火により、周りの泥は振り払われる。
ブンッ！
「イズンちゃんは上だよ！
空高く飛んだイズンが、リサの脳天目掛け直下でかかと落としをする。
「分かってるよ、それが作戦だもの！
チャキッ。シュンッ！
リサは剣を納め、イズンの攻撃を避ける。
「ふーん、避けるのが作戦？」
「そんなわけないでしょ。可哀想な神様。」
ザシュンッ！
ポタッ、ポタッ。
イズンの右腹から血が流れる。
早すぎる居合斬りに全く気づかなかったようだ。
「痛っ！よくも、よくもイズンちゃんの体に傷を！」
「あんたはそれ以上のことをしようとしたのよ。傷つけられる覚悟のないやつが、他人を傷つけるな！」
「くそっ！ならっ！」
ブンッ！
ガシッ！
イズンはルカを人質に取る。
「うぐっ。」
「これでどう？生意気な行動をお前がしたから、こいつは死ぬ！全て、お前のせいよ！」
「ふっー、すーっ。」
リサは呼吸を整える。
心なしか、周りの気温が上がった気がする。
「さあ！選びなさい！こいつをここで見殺しにするか！お前が代わりに死ぬか！」
「あんたは、やってはいけないことをした。」
ドスンッ！
リサの一歩が、地面大きく揺らす。
「な、なに！？地震！？」
「いいえ、これはあなたへ対する怒りよ。完全に、ブチギレたわ！！」
ゴォォ！！
リサの周りに赤いオーラが生まれる。
(おうおう！リサよ、楽しそうじゃないかい！)
(楽しいかは分からないけど、一緒にやってくれる？)
(もちろんじゃ！わしらの力で、吹き飛ばしたろうや！)
(オッケー！)
「何よ！そんな見せかけの力でーー。」
「
ドゴーンッ！
リサが
黄色と黒の縞々の尻尾が生え、両手の爪が獣の様に伸び、牙も生える。
それはまるで、狩をする虎の様。
「すーっ！グォォ！！」
リサの咆哮が、イズンを震え上がらせる。
「な、なに！？これが、人間一人の力！？」
「一人じゃないって言ってるでしょ。あたしには、大切な仲間と、相棒がいる！！」
シュンッ！
ガシッ！
高速でダッシュし、イズンの顔面を掴みルカから引き離す。
「うぐっ！は、離せ！」
「分かったわ、離してあげる。」
ブンッ！
ドゴンッ！
イズンは壁に打ち付けられる。
「えほっ、えほっ。この力、人間だけじゃない。もしかして、グラニ？」
「ご名答よ。ご褒美に、力を見せてあげるわ。」
ブンッ！
リサがイズンの目の前に接近する。
「ちょっ、まっーー。」
「敵を焼き尽くせ！
ゴォォ！！
長剣に赤と黄色でできた、龍の炎が纏われる。
「くっ！
バギーンッ！ドゴンッ！
イズンが作り上げた石の壁ごと龍の炎が斬り裂き、イズンは吹き飛ぶ。
「痛いし、熱いし、最悪！こんな町、もうどうでもいい！壊し尽くしてやるーー。」
「あんたにやれる？」
ドスンッ！ドスンッ！
リサが一歩ずつ近付くたびに、地面が揺れる。
「ひ、ひぃ！こ、今回は見逃してあげるわ！イズンちゃんに感謝しなさい！」
ボワーンッ！
イズンは闇の中に消え、逃げ去る。
「ふぅ、あたしにもできた。
シューンッ。
リサは元の姿に戻る。
「すまない、迷惑をかけて。」
「迷惑なんてかけられてないですよ！全部、あのイラつく神様が悪いんですから！」
「リサっ！大丈夫か！」
ダダダダダッ！
他の四人も集まる。
「うん！楽勝！」
リサがピースサインをする。
「さすがリサさん、ルカ町長もご無事で良かったです！」
「でも、セドくんは……。」
周りを見渡し、セドリックがいなくなったことを痛感する。
「兄さん、セドリックさんは……。」
「あいつは、何かをずっと背負い続けてた。俺は、セドリックを諦めるつもりはねえ。あいつが助けを必要としてるなら、必ず連れ戻す。」
スノウの目には強い意志が宿る。
「なら、君たちに一つ行ってみてほしい村がある。」
「どこだ？」
「彼らヴァルキュリア隊のよく立ち寄る村、ヒミンビョルグだ。」
町を救った彼らに、また一つ未来を変える仕事が増えた。
第十五章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第十五章まで読んで頂きありがとうございました。
五神が全員現れ、ホープ側も
しかし、セドリックとは離れることに……
次の章では、セドリック達ヴァルキュリア隊のことがわかる！？
スノウ達の今後を気になってくれる方！
セドリックの過去！？ 次なる敵は！？
ホープの六人を応援してるぞ！
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします！
ここまで読んで頂きありがとうございます！今後とも宜しくお願いいたします！
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます