第八十七話 神との再開
スノウ達はアトレウス、フェルナンド、リオネルと再開した。
「ここに来たってことは、謁見の間に行くつもりだろ?」
「さすがだな、その通りだよ。」
アトレウス達はスノウ達をビフレストに連れていく。
「スノウ、お前変わったな。フォールクヴァングで出会った時とは大違いだ。」
「俺が?そうか?」
スノウは自分の体を見る。
いつもと変わらず、
「俺には分からないな、数週間ぶりに会っただけでそんなに変わるか?」
「まあ、自分の成長は、意外にも周りにしか分からないもんだ。気にするな。」
「あ、ああ、分かった。」
クスックスックスッ。
周りでスノウ以外のホープメンバーが笑い始める。
「お前らなんで笑ってるんだ?」
「いえ、兄さんは周りのことばかり見てて自分のこと気にしてないんだなって思ったんです。」
「まあ、お兄なら予想通りだよ!ほらほら、気にしないで謁見の間に行くよ!」
ヒメノとセラがスノウを茶化す。
「な、なんだ、バカにされてる気しかしねえ。」
「スノウは、今のままでいいんじゃないかい?僕はそう思うよ。」
「ん、ああ。セドリックの言う通りなのかも分かんねえけど、なんか腑に落ちねえな。」
スノウは何が変わったのか分からずに、ビフレストに入る。
まずは村長である、ソーン・マイクの家に向かう。
コンッ、コンッ、コンッ。
セドリックがドアをノックする。
「どうぞ、開いてるよ。」
「失礼します。」
ガチャッ。
ホープはソーンの家に入る。
「おおっ!ホープのみんなだったか!うむ?君はヴァルキュリア隊の……。」
「はい、セドリック・リーンベルです。今は訳あってホープにて活動しています。先日は、僕のヴァルキュリア隊のゲイルがご迷惑をおかけしました。」
ガシャンッ。
セドリックが頭を下げ謝罪をする。
ビフレストでゲイルが子供を人質に取り、ホープと一戦交えた記憶が呼び起こされる。
「まあ、君も国の命令に従っただけであろう。見ての通り、この村は被害を受けていない。そこまで深く考えんでも良い。」
「そう言って頂けるとは、ソーン村長の寛大さに感謝致します。」
「そしたら!セラも自己紹介させてよ!」
ドタッ、ドタッ。
セドリックの後ろからセラが顔を出す。
「初めまして!スノウの双子の妹、セラリウム・アクセプトです!黒狼を継承しています!」
「おおっ!さらに希望が増えたか!嬉しい限りだ。」
そして、六人全員が入ってくる。
「久しぶりだな、ソーン。」
「ああ、我らの希望と再び会えて嬉しい限りだ。」
「ソーンさんも、お変わりないようで。」
スノウ達はここに来た理由を話す。
「なるほどな、ここまでいろんなことを経験したが故に戦神から聞けることもあるだろう。いつでも入って良いぞ、入場にはこの紙を持っていってくれ。」
「紙?警戒レベルを上げたのか?」
「まあな、あそこは何が何でも守らなくてはならないからな。」
スタッ、スタッ、スタッ。
ホープの六人は謁見の間に向かっていた。
アトレウス達とはビフレストで別れ、ソーンとアトレウスは何かを話し合っていた。
「ここに来たのも、最近なはずだよな。なんか、すごい日が空いてる感覚だ。」
「確かに、ここまで波乱の毎日でしたからね。兄さん、当たり前のことかもしれませんが、私たちは私たちの意志で動いてますよね?」
「当たり前だろ。俺たちは、オーディンの手のひらで踊らされてるおもちゃじゃねえ。一人の人間として今を生きてる。」
これまでに、
ファンサリルでIWSという対ゴブリン兵器と出会い、
ブレイザブリクではセドリックと再開。
ミュルクヴィズで、セラとも再会を果たし、
セクヴァベックでは、
ユーダリルでは、
ブレイザブリクに戻ると、デュポンとの死闘が。
そしてバッリでは、前国王のアトリについて、そしてトロルの変異についても目の当たりにした。
ホープの彼らは16-18歳の子供達であることを忘れてはいけない。
しかし、元最強の戦士達である彼らは全てを受け入れ前に進んでいる。
そして、さらに真実を知ろうとしていた。
「ここだな、謁見の間。」
「ここが!初めて来たよ!」
謁見の間には、戦神と会うための大きな石が置かれている。
「それじゃあ、また呼び出してみるか。」
シュイーンッ!
軍神 フェンリル・テュール
慈愛の神 グリンカンビ・フリッグ
激情の神 グラニ・オーズ
寛容の神 ヨルムンガンド・ロヴン
四体の戦神が石の上に現れた。
「セラ、お前もやってみろ。」
「うん、
ボフンッ!
宣誓の神 フェンリル・ヴァールも姿を表す。
その姿は、スノウのフェンリル・テュールの黒バージョンといって問題ない姿。
「久しぶりだな、テュール。」
「ああ、また会えることを幸福に思うぞ。」
「これが、スノウ達の中にいる戦神なのか。すごい迫力だ。」
セドリックは戦神の迫力に圧倒される。
「さあ、スノウ。ここに来たってことは、知りたいことがあるんだろ。」
「ああ、教えてくれ。オーディンについて、アトリからどうやってこの国を、ギムレーを奪ったのか。」
スノウ達は、この世界の理について知ることになる。
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