第六十四話 新装備登場!最強に近づく
こちらはセドリックサイド。
「セドリン、ロックボアってどんなやつか分かる?」
「僕も実際に見たことはないけど、王国の書室で読んだことはあるかな。」
「セドリックさんって勉強熱心ですよね。」
三人はゆっくりとロックボア討伐に動いていた。
「まあ、僕も小さい時からトップ候補だったし、脱落した後は王国の騎士隊長になるために常に修行してたからね。でも、君たちトップが経験した辛さにはとても及ばないよ。」
「何言ってるの。辛さなんて、誰かと比べてもしょうがないよ。セドリンが努力してるなら、それでいいじゃん。」
リサは遠くを見つめながらぼやく。
どこか、悲しげな雰囲気を放ちながら。
「まあ、でも、努力しても簡単に変わらないものもあるけど……。」
リサの視線は、ユキナの胸囲へ。
「へ?いや、これは個性ですから!リサさんは別に気にしなくてもーー。」
「ふーん。だってさ、セドリンはどう思う?」
「え?なんで僕に振るんだい?」
リサはじーっとセドリックを見つめる。
「え、あ、ええと、別に今のままでいいんじゃないかなーー。」
「はい!セクハラ!これは後でスノウ達に報告しよう〜。」
「いや待ってくれ!別に僕は、リサくんは今のままで充分魅力的な女性って意味で……っは!」
「あははっ!今度は口説いてるの?セドリンはコロコロ変わって大変だな〜。」
リサは先ほどのどこか遠くを見てた顔を隠すかのように、陽気に振る舞う。
この変化にセドリックとユキナは気付けなかった。
「ブォォ!!」
どこからか、獣の声が響く。
「おっ、またすぐ出てきた!これもまたセドリンのせいーー。」
「なんでも僕のせいにしないでくれ!今回はターゲットなんだから問題ないだろ!」
「二人とも!こっち睨んでますから、構えてください!」
ズザッ!ズザッ!
ロックボアが助走をつけると、砂埃が舞う。
ドゴッ!
三人めがけてロックボアが突進してくる。
「僕が受け止める!来たれ!
フワァ。
セドリックの剣に光が宿り、一つの盾のような形になる。
バキーンッ!
ロックボアの弾丸のようなスピードの突進を、セドリックは体一つで受け止める。
「くっ、はぁぁ!」
「ブホッ!」
その攻撃を弾き返す。
そしてユキナとリサが走り近寄る。
(あの丈夫そうな体、傷をつけるには!)
ピキーンッ!
ユキナに記憶が呼び起こされる。
「貫きます!
槍を思い切りロックボアの横腹に突き刺す。
「フガァ!」
痛みを感じたロックボアは暴れ出す。
「確か君は、ツノが折れるのを嫌がるよね!
ヒュンッ!ヒュンッ!
セドリックの光の斬撃がロックボアに直撃。
バギッ!
ツノが折られ、動きに鈍りが生じる。
「リサさん!」
「うん!一気に行くよ!」
リサとユキナはロックボアを挟む形で向かい合う。
(ユキチンとならできる。こいつを倒すには……。)
(リサさんとの連携が大事になる!)
ピキーンッ!
二人の記憶が呼び起こされる。
「いくよ! 敵を焼き斬れ!
「
リサの火を纏った長剣の連続斬りが、
ユキナの水を纏った槍の連続刺しが目にも止まらぬ早さでロックボアを襲う!
「
「イェーイ!あたし達息ピッタリ!」
「そうですね!なんかいつもより動きやすかったです!」
「そうだね。よしっ、そしたら町に戻ろうか。スノウ達も戻る頃だろう。」
「オッケー!セドリンにセクハラされたって報告しなきゃーー。」
「だからそれは!」
三人も特に問題なく素材を回収する。
やはり彼らは最強の戦士。
その道を拒むものはほとんどいないようだ。
そして、町に再度ホープが集まる。
「あ、おかえり!セドくんたち!」
「ただいま。やっぱり、セラくん達の方が早かったか。」
「ううん!まだセラ達も帰ってきたばかり!」
手に入れた素材をハリソンの元に持っていく。
コンッコンッコンッ。
「ハリソン、持ってきたぞ。」
「おおっ!本当に仕事が早いね!そしたらこれで全員分作れるよ!」
ハリソンは素材を受け取り、依頼完了。
「そうだ!保管してた素材でスノウくんの
「マジでか!?見せてくれ!」
「それじゃあみんな中に入ってくれ!スノウくんには着替えてもらわないとね!」
ホープはハリソンの家に入り、スノウは別室に入る。
「スノウさん、こちらが狼流派の
「これが、俺の。」
スノウは部屋のお手伝いさんに指導を受けつつ、着替えていく。
「スノウ、どんな格好になるのだろうか?」
「まあ、セラ的には今までの服装よりはかっこいいと思うよ!」
五人でガヤガヤ話していると、
ガチャッ。
「悪い、待たせたな。」
スタッ、スタッ、スタッ。
扉を開けてスノウが入ってくる。
狼流派の
右胸には白い狼のエンブレム。
スピードを活かしやすいように、軽い革で作った黒のショートブーツ、両手には黒い革のリストバンドを付ける。
二本の刀は両腰に差し、両太ももには投げナイフが二本しまってある。
さあ、最強の戦士にまた一つ戻った。
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