第三十三話 あれは味方?……それとも
ズサッ!ズサッ!
地面にヒビが入る足音が迫る。
「先輩!あれ!」
「ああ、数も多いな。行くぞ、ユキナ!」
二人はゴブリンの群れに突撃する。
「あいつらがターゲット。殺せ!」
10体のゴブリンが武器を構え襲ってくる。
「
スノウの力技で一体のゴブリンを吹き飛ばす。
「ウギャッ!」
「ウォー!」
剣を構えたゴブリンが二体差し迫る。
(数が多い、こんな時に最適なのは……。)
ピキーンッ!
スノウの頭に記憶が呼び起こされる。
「
桜の木の花びらが散るかのように、上段から乱れ斬りを繰り出す。
「二体倒した!次はーー。」
「ウゴーッ!!死ね!」
ゴブリンの上位種、オークが迫る。
「でかいくせに、意外と素早いな!」
(右パンチからの、蹴り。)
スノウは第六感を使い上手く避ける。
避けた方向から他のゴブリンが迫る。
「ちっ、避けるのが無理なら、受けきる!」
ピキーンッ!
再度スノウの頭に記憶が呼び起こされる。
「
氷が付与された刀でゴブリンの斧を受け止める。
カチカチカチッ!
斧が氷漬けにされ、
「なんだっ!これは!」
「悪いな、お前の負けだ!」
スノウは斧を割り、相手を斬り裂く。
「これで三体、オークも含めて後は……。」
ユキナは大きな斧を持つゴブリンと対峙する。
「死ね死ね!」
「
槍から放たれる衝撃波で一体撃破。
(っ!後ろからすぐくる!)
ピキーンッ!
ユキナの記憶が呼び起こされる。
「水よ、私と来て!
槍を地面に刺し、水の壁が現れゴブリンの斧を受け止める。
「こんなもの!ウガァ!」
水の柱を斬り裂くと……そこには誰もいない。
「あなたは踊らされたんですよ。
早い槍の一撃がゴブリンを仕留める。
「後五体!オーク一体にゴブリンが四体。」
「なら、俺に任せな!」
スティングがIWSを着て到着する。
「スティングさん!」
「いくぜ!
スティングの拳が一体のゴブリンを貫く。
「ユキナ!スノウを助けに行ってくれ!オークとタイマンは流石に部が悪い!」
「分かりました!スティングさん、あとはお願いします!」
ユキナがスノウの方へ走る。
「さあさあ、お前の相手は俺だ!かかってきな!」
スティングは上手く飛び回り、ゴブリンを撹乱していく。
「うざいやつ!」
「っち!」
オークの二本の槍がスノウを襲う。
「
避けざまに一撃入れるが、少し切れたのみ。
「早い上に硬いのか、厄介だな。」
「先輩!手伝います!」
「お、ユキナ。頼むぜ!」
二人はオークと向かい合う。
「ウガァ!死ね!」
二人は槍の攻撃を避け、
「
「
二人の速さ重視の斬り攻撃が重なり、
「
すれ違いざまにダメージを入れる。
「う、痛い、だけだ、俺は、死なない!」
「頑丈だな、この
「みたいですね、あのオークは硬くて力が強い……っは!」
ユキナが何かを思い付く。
「先輩、この化け物にならーー。」
「ああ、何となく考えてることはわかった!合わせる!」
「はい!」
スノウとユキナは真正面に対峙する。
「人間、殺す!」
「そう簡単に殺されるかよ!ユキナ!」
「はい!
ユキナが槍を受け止める。
そして、
「
スノウはユキナの槍に触れ、槍が氷でコーティングされる。
「これで、吹き飛びなさい!
新しい
バキッ!
槍は二本とも砕ける。
「先輩!今です!
ユキナの魔法で、地面を30cmほどの幅で水が流れる。
「俺の足を、
スノウは氷の靴を履き、水の上を滑る。
「お前らでは、殺せない!」
「それはどうかな!
水の流れの勢いを味方につけ、重い一撃を放つ。
「
スピード型の
ジュシャッ!
オークは真っ二つに斬られ、青いクリスタルになる。
「俺たちを、なめんなっての。スティング!」
「おお!こっちも終わったところだ!」
スティングも残りのゴブリンを倒し終える。
「よし、こっちは安全だな。急いでヒメノ達の方にーー。」
ドガーン!!
裏門の方から爆発音が聞こえる。
「なに!?」
「あっちは裏門の方!スノウ、ユキナ!」
「ああ!急ぐぞ!」
タッタッタッ。
三人は急ぎ裏門へ向かう。
すさーっ。
ゴブリンの侵略があったとは思えない静けさ。
「な、なんだ?もう、終わってるのか?」
「すんすん。なんか、焦げた匂いで他の人の匂いが分かりません。」
「おーい!ヒメノ!リサ!どこだ!」
三人はあたりを探すと……。
「っは!嘘だろ。」
「ヒ、ヒメノちゃん!リサさん!」
ヒメノとリサが地面に倒れている。
体には傷が目立ち、血も流している。
「おい!ヒメノ!大丈夫か!?」
「に、兄さん。」
「生きてるな。何があった!」
ヒメノは弱々しく指を指す。
「あ、あれ。きを、つけて。」
ヒメノの指指す先には、赤い物体が。
よく見ると、肩にIWSと書かれておりスティングの着ているIWSの色違いに見える。
「な、なんだあれ。スティング!あいつは!」
「俺にも分からねえ!初めて見るIWSだ。」
その赤いIWSはスノウ達を捉える。
「はあ、はあ、邪魔者、消す。」
赤いIWSはこっちに迫る。
「なに、この寒気。殺気ってやつでしょうか。」
「分からねえ。けど、味方って感じはしねえな。」
スノウ達三人は未確認の赤いIWSと対峙する。
果たして、目の前のIWSは味方か、それとも敵か。
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