第三十一話 IWSの力、計画スタート

「あんたが、IWSなのか?」

「ん?ああ、IWSはこのスーツのことな。俺たちは、として活動してる。君達は?」

「ホープ。トップの生き残りだ。」

「……おいおいおい、マジか!本物かよ!」

スーツを着た男はテンションMAX。


「ヘルクリスマスの英雄が、こんなところに来るなんて!いやー、生きてて良かった!」

「失礼ですが、あなたは?」

「おう、悪い悪い、つい興奮しちまった。俺は、スティング・レイ。このファンサリルの防衛隊的な感じだな!」

そう言いつつ、スーツのヘルメットを脱ぐ。


スティング・レイ 20歳 男性。

緑色の長髪をゴムでいわいており、好青年という印象。両頬に縦に傷が残っており、幾つもの戦場を生き残ったのかがうかがえる。

ブラック隊の隊長であり、町の有名人。


「俺は、スノウ・アクセプトだ。こっちが妹の。」

「ヒメノ・ミコトです。」

「おう、よろしくな!」

スティングは手を差し出す。


「あ、ああ。よろしく。」

スノウとスティングは握手をする。


「そういや、あっち側にいるのもスノウ達の仲間か?」

「ああ、二人も俺たちと同じだ。」

「なら、早く戻って休もうぜ!君たちと、話したいことたくさんあるし!」

スティングはリサとユキナのいる方へ走る。


「あ、おい!てか、普通にあれ着たまま走れるんだな。」

「どんな構造なんでしょう?」

スノウとヒメノも後を追う。


「おーい!アウル!そっちも無事か?」

「もちろんっすよ!隊長!」

「リサ、ユキナ、二人も無事か?」

「もっちろーん!アウルさんに助けてもらったし!」

もう一人のIWS使用者も挨拶をする。


アウル・トライ 20歳 男性。

真っ黒髪の短髪で、右肩に大きな鎌のワッペンをつけている。


「お前がこの部隊リーダーの、スノウか。」

「ん、まあリーダーってかそんなところなのかもな。」

「いいね!英雄さん達が来てくれたんだ!隊長!早く町に戻りましょう!」

アウルは正門の方に走る。


「君らも、後で酒場に来てくれ。俺らの町、ファンサリルについても話すよ。」

「分かりました、後ほど伺います。」

「君も、しっかりしてるね。ヒメノちゃんを妹に持ってるスノウくんは運がいいね。」

スティングも正門に向かう。


「しっかりした妹……ね。」

「兄さん、何か文句でも?」

「いーや、何にも。」

四人も町に戻る。


(か、引っかかるな。)




スノウ達は宿屋に寄り、荷物を置いた後酒場へ向かった。


ガチャン。

ドアが開くと、そこにはたくさんの人たちが飲み食いしていた。


木のコップで乾杯する者、力試しなのか腕相撲をしてる者、賑やかな酒場なのには間違いない。


「おーい!ホープのみんな!」

「あ、先輩!スティングさん達です!」

四人はスティング達の元に向かう。


「ありがとうな、わざわざ来てくれて。」

「いえいえ!てか、ここのご飯すごい美味しそう!頼んでもいいですか!?」

「ああ、いいぜ。ここは隊長持ちだからいくらでも!」

アウルは酒をすでに飲んでおり、元からお調子者なのだろう。とても賑やかである。


「ありがとうございます!じゃあ、牛のローストと豚の……。」

「注文は、リサに任せるか。あいつ大食感だから、気をつけてくれ。」

「ほーう、それは気になるな。」

スティングは背中に何かを隠す。


「なあ、スティング。後ろにいるのは、子供か?」

「おお、さすが。ライラ、出ておいで。お兄さん達がこの町を一緒に助けてくれた人だよ。」


モソモソッ。

一人の金髪の女の子が出てくる。


「は、初めまして。ライラ・メサです。」


ライラ・メサ。10歳

この町の孤児院で生活しており、スティングとアウルにとても懐いている。

まっすぐな金髪がとても似合う女の子。


「初めまして!ライラちゃん!」

「は、はじ、めまして。」

「悪いなユキナちゃん、こいつは少し人見知りでな。」

ライラはスティングの背中に隠れる。


「少しづつ仲良くなれたらいいですね。」

「ああ、俺もこいつに他の友達ができたら嬉しいよ。」

「でもいいのか、子供がいる前でこれからする話をして。」

スノウはライラを気遣う。


「ああ。そんなに物騒な話ではないからな。君たちが知りたいのは、IWSがどんなものなのかってところだろ。」

「ああ、それが知りたくてここまで来た。」


IWS……正式名称;アイアン・ウェポン・スーツ

全身スーツとヘルメットに分かれており、全体的に10cmほどの厚さがあり、鉄をメインとした金属で作られており、黒塗りされている。

うなじの位置にボタンがあり、ここでヘルメットとスーツを着脱可能。


早く動ける秘訣として、腕、背中、お尻、ふくらはぎの位置に小さい筒状のエンジン部分があり、ここにチャージされたを噴射してスピードをつけている。


「まあ、俺らの武器はこんなもんかな。そっちは俗に言う、流派ってやつで戦うんだろ?」

「ああ、それぞれ違いはあるけど同じくゴブリンとかを倒す力はある。」

「すごいな、生身の体であいつらとやり合ってるんだから!」

スティングはスノウの体に触れ始める。


「な、なんだ?」

「いーや、なんか体の構造が違うんじゃないかと思ってな。」

「俺らも一応人間だぞ。そんなことはねえよ。」


ホープはIWSという戦う力について知った。

だが、まだ気にかかることは尽きない。



♦︎♦︎


「いける、いけるぞ!これなら、Mk-ならもっと稼げる!」

「やりました!やりましたな!」

暗がりでお互いを称え合う二人組。


Mk-とはいったい何を指すのか。

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