第六章 英雄、反乱軍としての初めての仕事

第三十話 スーツを着た戦士との邂逅

四人はファンサリルの門の前に着いた。


「スノウ、あたしこんな大きい門初めて見たかも。」

「ああ、俺もだ。なんかすごい豪華な飾りだな。」


ドーンッ!

四人の前に現れた門は、頂点に大蛇が飾られており赤と黒で彩られた圧力を感じる形をしている。


町の中は露店も出ていて、かなりの賑わいを見せている。


「ここがファンサリル、あ、兄さん!あのお店アクセサリー売ってますよ!」

「あ、ああ、そうか。」

「何ぼーっとしてるの!見に行くよ!」

「お、おい!」


ダッダッダッ!

リサに手を引かれスノウもお店に行く。


「いらっしゃい!お、お兄さん可愛い子たくさん連れて、みんなにプレゼントかい??」

「いや、特にそんなつもりはーー。」

「え、本当!スノウ買ってくれるの!!」


ズンッ!

リサが食い気味にスノウに詰め寄る。


「え、先輩優しいですね!どれがいいかな〜」

「私は〜」

「おい、まだ買うとはーー。」


ジーッ。

三人がじっと見つめる。


「わ、分かったよ。早く選べ。」

「やったー!」

三人は好きなアクセサリーを選んでいく。


ヒメノは紫色の宝石がついた指輪を手に取る。


リサは赤色のブレスレットを選ぶ。


ユキナは緑色のネックレスを付ける。


「これください!」

「はいよ、お兄さんも大変だね。そしたら、銀貨六枚にまけとくよ!」

「助かるよ、ありがとう。」

スノウがお金を払う。


「そうだ、アクセサリー屋の兄さん一つ聞いてもいいか?」

「なんだい??」

「この町になんか、ゴブリンを倒すスーツがあるって聞いたんだけど知ってるか?」

「うーん、スーツってことはIWSのことかもな。」


バサッ!

アクセサリー屋のお兄さんは、町の地図を広げる。


「IWS?聞いたことないな。」

。対ゴブリン用に、町長のヴァルヴァ様が作ったものだ。ここ、町の中心部に拠点がある。」

「ここから近いんですね。兄さん行ってみましょうか?」

「そうだな。」


スタッ、スタッ、スタッ。

四人はIWSのある拠点に向かう。


「俺たちでも簡単に倒せるわけではないゴブリンに対抗できる力か、なんでこの町だけにあるんだろうな?」

「確かにね、スノウの言う通り他の町にもあったらもっと安全な暮らしができるはずなのに。」

スノウとリサが話していると、



ウィーン!ウィーン!


どこからか警報のような音が鳴り響く。


「なんだ?警報?」

「スン、スン。皆さん!ゴブリンの匂いがします!ここから南の方です!!」

「そういうことね!いくよ!みんな!」


ダダダダダッ!

四人はゴブリンのいる方向へ向かう。


「防衛隊前へ!門を越えさせるな!」

盾を構えた軍人が三人一組で陣形を組む。


ドスッ、ドスッ。


ゴブリンが八体ほど視認できる。


「すぐにが来る。それまで持ちこたえーー。」

「お先に失礼します!」


ダダダダダッ!

リサを先頭にホープの四人がゴブリンに突っ込む。


「な、おい!君たち!危険だぞ!」

「私たちは大丈夫です!みなさんは町の守りを固めてください!」

ヒメノが先頭のゴブリンと対峙する。


「グギャ!死ね!」

鷹派二式オウハニシキ! 鷹弾イーグルシュート!」


ジャギーンッ!

ボトッ。

ヒメノの突撃で、ゴブリンの腕が切り落とされる。


「イギャァァ!」

「ナイス!ヒメチン! 虎派二式コハニシキ! 白虎ビャッコ!」


ザシュンッ!

ポトンッ。

リサの斬り上げで一体撃破。


「よくも、許さない!」


ブンッ!ブンッ!ブンッ!

一体のゴブリンは斧を振り回す。


「危ねえもん、振り回すなっての!狼派一式ロウハイッシキ! 迅狼ジンロウ!」


バキーンッ!

スノウの素早い斬り攻撃で斧を捌く。


「終わりです! 鮫派六式コウハロクシキ! 鮫肌サメハダ!」


ブンッ!ブンッ!ジャギーンッ!

ポトンッ。

ユキナの回転斬りでもう一体撃破。


冷静にホープの四人はゴブリンを対処していく。


「さあで、次だ!ヒメノ!合わせろ!」

「はい!」


ダダダダダッ!

スノウとヒメノの間にゴブリンが二体。


氷付与アイスエンチャント! 狼派二式ロウハニシキ! 蒼波ソウハ!」


シュンッ!シュンッ!

スノウが氷の斬撃を二発放つ。


(あの斬撃、私もたしか……。)


ピキーン!

ヒメノの頭に記憶が呼び起こされる。


「いける! 風槍ウインドランス展開! 鷹派五式オウハゴシキ! 翼撃ヨクゲキ!」


ブンッ!ブンッ!

ヒメノはブーツに纏った風を、斬撃の様に二発放つ。


アギト!」


感覚共有シンクロが発動し、二体のゴブリンは斬り裂かれる。


「ヒメノ、さすがだな!」

「はい!おかげさまで、一つ技を思い出せました!」

「さて、次行くぞ!」


ユキナとリサも一体のゴブリンと対峙する。


「うがぁ!」

虎派八式コハハチシキ! 虎牙剛斬コガゴウザン!」


ザシュンッ!

ゴブリンが振り下ろした斧ごと切り裂く。


「いきます! 鮫派三式コウハサンシキ! 破甲槍ハコウソウ!」


バゴーンッ!

ユキナの槍の衝撃波で撃破。


「よし、あと三体!」

「リサさん、行きましょうーー。」


ヒューン!ヒューン!

強い風を起こしながら何かが空を飛ぶ。


「な、なに!?」

「黒い、金属が、飛んでる??」

リサとユキナの前に一体の黒い物体が降り立つ。


「うがぁ!じゃまだ!」

「はぁぁ!せいやぁ! 正拳突セイケンツキ!」

「フギャ!」


ドゴンッ!

ゴブリンの腹を貫通し、白いクリスタルになる。


「す、すごい力。」

「一撃で、こんな簡単に。」


ポカーンッ。

二人は驚きのあまり口を開けている。


「兄さん!あの二体を!」

「ああ、俺たちでやるぞ!」


ズザッ!

スノウが先陣を切って走り始めた途端、


(なんだ、上から何か来る!)


「止まれ!ヒメノ!」

「へっ?」

「おらぁ! 落石ラクセキ!」


バゴーンッ!

空から降ってきた物体の重いかかと落としが、一体のゴブリンを消し去る。


「なんだ、こいつ。」

「兄さん!肩を見て!」

その黒い物体の肩には、


IWS


の三文字がある。


「なんだ、お前はーー。」

「俺たちの町を襲おうなんて、舐めたことを! 直拳ストレート!」

「フギャァ!」


ドゴンッ!

ゴブリンの顔を殴り飛ばし撃破する。


「ふう、任務完了っと。協力ありがとうな、兄さん達!」

「あ、ああ。」


スノウ達の前にIWSという力を使える者達が現れた。

彼らの力は、一体……

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