第二十九話 希望は次の場所へ旅立つ
「ソーン村長、四人揃いました。」
「おお、よく来てくれた。」
ソーン、グレイ、ホープの四人はテーブルの周りに集まる。
「ソーンさん、お話ってのはいったい……。」
「ヒメノ君、みんな。単刀直入に言おう。この国の村や町で、国王オーディンに従っていないところは何ヶ所もある。」
「え、そうなの!?」
リサは驚く。
「そうだ。だから、大っぴらに公表は出来ないが反乱軍として活動してる人たちも多いんだ。」
「反乱軍……あんた達もオーディンに何かされたのか?」
「いいや、スノウ君達のように記憶は消されてはいない。……だが、国王は全て自分の思い通りにするためなら町や村を容赦なく破壊したんだ。」
「そんな!?」
ユキナはショックを隠せない。
「何で、そうまでしてオーディンは何をしたいんだ。」
「分からん、じゃがここでやつに屈してしまったら、この国はオーディンに好きなようにされてしまう。それだけは避けなければいけない。」
「そうだな。それは誰も望まない結果だ。」
ギリッ。
スノウは拳に力が入る。
「お願いだ。私達の希望よ。反乱軍のリーダーとなり私達と共に戦ってくれないか。」
ソーンは頭を下げる。
シーンッ。
部屋は静寂に包まれる。
その静寂は、スノウが破る。
「リーダーか、俺たちには似合わない役割だな。」
「ちょっと!兄さん!」
ズンッ!
ヒメノがスノウに迫る。
「酷なことを言ってるのは重々承知だ。だがーー。」
「俺たちは、トップっていうエースをやってきた。誰かを導ける力はあるか分からない……が、導く原動力にはなれる。」
ソーンは頭を上げる。
「俺たちが道を切り開く。それから先のことは、指導者としての力がある人に任せるさ。」
スノウはソーンに微笑みかける。
「お前達も、それでいいよな!!」
「はい!」
「もちろん!」
「当たり前です!」
スノウの掛け声に、他の三人も答える。
「ありがとう。ホープよ。」
ここから、スノウ達ホープは反乱軍のエースとしての道を歩み始める。
その道は、荊の道であるのは言うまでもない。
次の日。
「今日までお世話になりました、ソーン村長!」
ヒメノが先頭に立ってお辞儀をする。
「こちらこそ、二度も救ってもらったんじゃ。ワシらが出来ることは何でもさせてもらうぞ!」
「必要なものあったら連絡してくれよ!俺がいつでも届けてやる!」
グレイは頼もしく言い放つ。
「うん、ありがとう!グレイっち!」
「俺たちがまず行くのは、ファンサリルって町であってるよな?」
「ああ、そこにはどうやら対ゴブリン用兵器が出来上がったと聞いてな。」
★ファンサリル……この国で数少ない機械を作っている町で、人口も多く町長のヴァルヴァも評判の良い町である。
「兵器っていうのは、スーツを着用してゴブリンと戦えるってやつだろ?」
「そうみたいじゃ。だが、詳しくは分からないのが現状でな、少し不思議な町でもあるんじゃ。」
「まあいいんじゃない?楽しそうな町だし行ってみようよ!」
リサが元気よく手を上げる!
「元気でな。」
「ソーンさんもお元気で!」
四人はファンサリルへ向けて旅立つ。
「あたし達も少しずつ強くなってきてる感じするよね!」
「そうですね、私達の力の主とも会話できましたし、みんな
スタッ、スタッ、スタッ。
四人は賑やかに歩く。
「道中モンスターとか来たら、運良く技を思い出せたりしねえかな。」
「先輩が全て倒すっていうなら、一つくらい思い出せるのではないですか?」
「俺を過労死させるきか。」
ここから二時間ほど歩いた先に、ファンサリルは位置する。
半分ほど来たところで、一度休憩に入る。
「リサさん、火をください。」
「オッケー!」
「先輩、肉を切っておいてください。」
「あいよ。」
四人は手際良くシチューを作る。
「いただきます!」
広い野原で昼食を食べ進める。
そして、相変わらずリサは大食感を発揮する。
「リサ、食い過ぎて太るなよ。」
「カチーン!女の子に向かって、それは激おこ案件だよ!」
「実際たくさん食べるのに、全くスタイル変わらないですよね。羨ましい。」
ジーッ。
ヒメノはリサをまじまじと見る。
「まあ体質もあるよね〜。ユキチンの場合、栄養は一箇所に集中してそうだけど!」
「へっ??」
「くっ、ユキナちゃんの裏切り者!」
「な、何でいきなりそんなことに!でも、戦うためなら二人のような体の方がーー。」
シラーッ。
その場が二人の殺気で満ちる。
「ユキナちゃん?何か言いました?」
「持たざる者の気持ちを、感じてみる?」
「ひぃー!!」
ユキナはスノウのそばによる。
「女ってのは大変だな。」
「先輩、そんな一言で片付けないでください!」
「あ、わ、悪い。」
四人は食事を終え、また歩き始める。
「お!あれじゃねえか?リサ、見えるか?」
「任せて!うーん、そうみたい!門のところにファンサリルって書いてある!」
四人は新しい町にたどり着く。
ここでまた新しい出会いが彼らを待っている。
♦︎♦︎
「よーし、これで新型も完成だな!」
「はい。これでさらに奴らを倒せますし、これが売れればこの町は安泰ですね!」
「もちろんよ。この町はもっと豊かにならなくてはな。」
二人の男が薄暗い部屋で話している。
この会話はいったい何を指しているのか。
第五章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第五章まで読んで頂きありがとうございました。
ホープは反乱軍として活動を開始しました!
これから更に世界について知っていきます!
スノウ達の今後を気になってくれる方!
次の厨二病な技は!? 新たな兵器とは何!?
ホープの四人組 応援してるぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします!
ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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