第二十二話 二人の約束、この世界の理

「う、うぅ。」

リサはスノウにもたれかかり、涙を流す。


「まったく、俺にも背負わせろって言っただろ、リサ。」

「スノウ、ごめん、スノウーー。」

「謝るな!リサは何も悪くねえ。やるべきことをやろうとしただけだ。」


シューッ。

リサから赤い光が解放され、膝から崩れ落ちる。


「スノウ、あたし、悔しいよ。目の前で、また、守れなかった。」

「ああ、そうだな。俺も同じだ。リサだけの責任じゃない。」

「う、うう。」

スノウはリサの後ろ髪を撫でる。


「少し休め、あとは俺たちがやるから。」

「うん、ありがとう。」


ストンッ。

リサは眠り落ちる。


「兄さん!大丈夫ですか!」

「リサさんは!」

「大丈夫。疲れて眠っただけだ。」

ヒメノとユキナも走りよる。


「リサも暴走状態になった。やっぱり俺たちは、この力を持ち合わせてるみたいだな。」

「そうですね、ユキナちゃんにも同じことがいつか……。」

「は、はい。私にも、力が。」

三人は周りを見渡す。


ビフロストはさらにボロボロになっていた。

家々は壊れ、畑も荒れていた。


「おーい!大丈夫か!」

避難所からグレイが走ってくる。


「ああ、なんとかな。とりあえず、リサを休ませたい。どこか入れてもらえないか?」

「分かった、診療所に案内しよう。」

「ありがとう。」


スタッ、スタッ、スタッ。

グレイは診療所に案内する。


「体力切れのはずだから、少し寝てれば平気だとは思う。ユキナ、付き添い頼んでもいいか?」

「分かりました。先輩たちは?」

「村長さん達と話してきます。ここが襲われたのも含めて、いろいろお話してこないとですから。」


ガチャンッ。

スノウとヒメノは診療室を後にして、外に出る。


カンッ、カンッ、カンッ。

外では、村人達が少しずつ補修に取り掛かっている。


「おーい!二人とも!」

「あ、グレイさん!」

グレイが合流する。


「彼女の症状は?」

「体力切れなだけだ。休めば大丈夫なはずさ。」

「そうか、よかった。急で悪いんだが、村長が君らと話したがっているんだが、来てくれるか?」

「ちょうどそのつもりでした。」


スタッ、スタッ、スタッ。

四人は村長のいる、避難所の会議室に向かう。



「おお、君たちが村を守ってくれた英雄さんか!」

小柄なお爺さんが話しかけてくる。


彼は、ソーン・マイク。51歳の村長で、長いとんがり帽子が特徴。


「ああ、まあ。」

「私は、ヒメノ・ミコトです。こっちが兄の、スノウ・アクセプトです。」

二人は軽く挨拶をする。


「やっぱり、二人なのか!」

「やっぱり、とは?」

「この村で知らん者はおらんよ!なんせ、世界の危機を救った英雄、トップのメンバーなのだから!」

ソーンはテンションを上げる。


「あ、ああ、そうなのか。」

「なんじゃ?世界を救ったんじゃぞ!もっと喜べ!」

「それがですね、私達、記憶をなくしてるんです。」

ヒメノはこれまでの経緯を話した。


「なんと、すまないことを聞いたな。」

「いや、あんた達は悪くないさ。そういや気になってるんだが、オーディンのいる城ってどんなところなんだ?」

「そうじゃな、詳しく話しておこうか。」


オーディンの住む城。『

そして、ヴァルハラがある地域は、


ギムレーの真ん中に位置しており、そこにはトップに次ぐ騎士団、が存在している。


最後に、オーディンを取り巻く五神と呼ばれる親衛隊

《フレイヤ》、《トール》、《フレイ》、《イズン》《ロキ》の五神がいる。


グラズヘイムに住む人間は、選ばれし者のみが住むことが許される、その選ばれ方は未だ未定。


「こんなものだろうか。最低限のわしが知ってる知識じゃが。」

「十分すぎるぜ、ありがとうな。」

「後一つ質問なのですが、トップの戦士達がここを修行に使ってたって言うのは?」

ヒメノが問いかける。


「ああ、それはここの裏山を主らの教官がよく使っていたからじゃろ。」

「教官?」

「ああ、じゃよ。」



二人の中に衝撃が走る。


城で四人を助けた黒いローブの男。

名前は、クレイトス。


「まさか、じゃあ俺らは自分たちの教官に助けられたってことなのか。」

「そうなりますね、でも、なんであそこに入れたんでしょうか?」

二人は考え込む。


(ん?そういや、あの時)

「最強の戦士よ、もう一度世界を、救ってくれ。」

「え、なんですか?」

「俺らがワープされる前に伝えられた言葉だ。クレイトスは、分かってたんじゃないのか?」

スノウは険しい顔をする。


「分かってたってのは、何がじゃ?」

「憶測だけどさ、あのってのは、本当に起きるべくして発生した戦争なのか?」

「え、それって……まさか!」

ヒメノは閃いたようだ。


「ああ、少なからずオーディン達は人間じゃない。だとしたら、この国を奪う名目で意図的に仕組まれたんじゃないのか?」

「そんな、だとしたら私たちが存在してるのって……。」

「多分、あいつらに利用されるだけのおもちゃだったってことだろうな。」

「そんなことって……。」



二人はだんだんと真相に近付いていく。

なぜトップが生まれたのか、彼らの使命とは。



彼らは一つ一つ目の当たりすることになる。


第四章 完


◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


第四章まで読んで頂きありがとうございました。


ホープのみんなもだんだんと力を取り戻し、この世界について詳しくなっていきます!


スノウ達の今後を気になってくれる方!

次の厨二病な技はなんだ!誰が力を発揮するのか!

ホープの四人組 応援してるぞ!


と思ってくださいましたら、

ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします!


ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!




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