第十話 シンクロ、決意の時
ドダッ!ドダッ!
「グガァ!」
斧持ちのゴブリンが襲いかかる。
「リサ!合わせろ!
シュンッ!シュンッ!
スノウの素早い刺突が繰り出される。
「ウギャ!」
ゴブリンは怯む。
「ふざけるな!」
「至って大真面目よ!
カキーンッ!
長剣と斧がぶつかり合う。
「さすがリサだな!
ジャキンッ!
スノウがゴブリンの足を斬る。
「ヒギャッ!」
「押し切る!」
ズシャッン!
リサはそのまま長剣で斬り裂く。
ポトンッ。
白いクリスタルとなり落ちる。
「ナイス!リサ!」
「任せてよ!」
二人はハイタッチする。
次はヒメノとユキナ。
こちらのゴブリンは二本の槍を持つ。
「死ね!」
ブンッ!ブンッ!
ゴブリンは槍を振り下ろす。
「私の槍に勝てますか!
カキンッ!ドゴッ!
ユキナは二つの槍を受け流し、お腹に衝撃を与える。
スシャッ!
「上空に気をつけてね!
バゴンッ!
ヒメノが上空から直下に蹴りを放ち、ゴブリンの頭にクリーンヒット。
「グガッ!ウグァ!!」
ゴブリンは槍をユキナに投げつける。
「ユキナちゃん!手を!」
「うん!」
パシッ!
ヒメノはユキナの手を取り空へ避ける。
「行くよ!
ゴブリンの頭に衝撃波がヒット。
「ウギャァ!」
ポトンッ。
白いクリスタルとなりその場に落ちる。
「あと一体だ!ユキナ!」
「合わせます!先輩!」
ピキーンッ!
(何だ、このイメージは。)
(まさか、先輩の考えてることが伝わってくる?)
「グガァ!」
ブンッ!ブンッ!
ゴブリンは棍棒を振るう。
「遅い!」
スタタタタッ!
二人はゴブリンの左右に各々避け、
「
「
ザシュ!グサッ!
スノウの速い刀捌きが足を斬り、ユキナの重たい一撃が頭を刺す。
ゴブリンは白いクリスタルになり、戦闘終了。
「先輩、今のって。」
「ああ、何となくだがユキナの考えてることがわかったな。」
四人はゴブリンを討伐する。
「スノウ!ユキチン!」
タッタッタッ。
リサが走り寄る。
「ねえねえ!なに今の!打ち合わせしてたみたいな連携だったよ!」
「本当に、兄さんもユキナちゃんもそんな連携いつの間にできたんですか?」
リサとヒメノは興味津々。
「それは、
後ろからアトレウスが来る。
「
「簡単な話、相手の考えてることが自分のことのように分かる。お前達、トップが使えた力だ。」
「あたし達だけが使えたんだ。」
リサが考え込む。
「どうしたんですか?リサさん?難しい顔して。」
「いや、それってユキチンがエロいこと考えてたらそれも分かるのかなって。」
「な!何言ってるんですか!リサさん!」
ユキナは怒る。
「ねえねえ、スノウ!ユキチンから何か他に感じ取れなかった?」
「ん?ああ、そういえば少し卑猥な想像してるのがーー。」
サァーッ。
スノウは背中に殺気を感じとる。
「せ、ん、ぱ、い??死ぬか殺されるかどっちがいいですか?」
ユキナが殺気をスノウに送る。
ブルッブルッブルッ。
スノウは震える。
「よーし!ヒメノ!俺たちも、
スノウは逃げだす。
「はは、元気でいいな、お前ら。」
「アトレウスさん、もう一度ギルドに来てくれませんか?」
ヒメノがアトレウスをギルドに連れてく。
七人が再度ギルドに集まる。
「それで、お前達はこれからどうするんだ?」
アトレウスがスノウに聞く。
「そうだな、今はこの町で力を取り戻していくさ。その先の話はそれからだ。」
「そうか、また戦ってくれるんだな。」
アトレウスは目を閉じる。
何か思うところがあるようだ。
「どうしたんですか?アトレウスさん。」
「ホープ。お前達は、二つ隣の村のノーアトューンに行ってみろ。」
「ノーアトューンですか?そこに何が?」
スサッ。
アトレウスはもう一つの紙を出す。
「お前らの武器は、ここの鍛冶屋が作ってるんだ。何か思い出すこともあるだろう。」
「え!そうなの!あたし達の武器を強化とかしてくれるかな!!」
「出来るだろうな、今のお前達の武器は急ごしらえなものだろ、まずは一つずつ準備するべきだ。」
アトレウスは地図を渡す。
「ここの小柄の傷だらけなオヤジに会いにいけ、名前は俺も知らん。」
「分かりました!」
ヒメノは地図をしまう。
「最終確認だ。ホープ部隊の四人、これから先多くの過去を思い出して、正直良いことばかりではないだろう。それでも、先に進む勇気はあるか?」
アトレウスは真剣な眼差し。
「……はー、そんなでかい覚悟俺たちにはねえよ。……だけど、立ち止まるつもりもない。少しずつ進んで、俺らなりにやってみるよ。」
「三人も良いのか?」
アトレウスは他三人もみる。
「はい!私も兄さんと同じ考えです!」
ヒメノは自信満々。
「あたしも同じだよ!この四人ならどんなことでも平気だよ!」
リサは胸を張る。
「私は少し不安ですけど、私にもやれることはあるはず。後悔したくないからやります!」
ユキナも自信のある表情。
「そうか、分かった。俺たちは冒険者として近くを旅してるだろうから、何かあれば遠慮せず言え。」
「ありがとう。アトレウス。」
パカッ、パカッ、パカッ。
アトレウス達は馬に乗り村を出る。
「兄さん、まずは何からしますか?」
「そうだな、鍛冶屋にも会いたいけど金がなきゃ買うこともできねえしな。依頼達成しつつ、ハンク達に恩返しでどうだ?」
スノウは三人に聞く。
「はい!」
「いいよ!」
「問題ありません!」
三人は元気よく返事する。
「よし、じゃあギルド行くか!」
ホープの四人は意気揚々とギルドへ向かう。
ホープを歓迎するかのように、日差しが彼らをライトアップする。
(俺の双子の妹、セラリウム・アクセプト。もし本当にいるなら生きててくれよ。必ず探し出してやる。)
スノウの中にもう一つの決意が現れる。
彼らは少しずつ記憶を取り戻し、力が復活してきた。
だが、
最強の戦士に返り咲くにはまだ時間がかかるだろう。
しかし、彼らの強い意思は何者にも負けぬ最強の武器となる。
第二章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第二章まで読んで頂きありがとうございました。
彼らは一つずつ記憶を取り戻し、成り上がる準備をしていきます
スノウ達の活躍を気になってくれる方!
中二病いいぞ! ホープの過去が気になる!
ホープの四人組 応援してるぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューや★評価とフォローをお願いします!
ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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