第八話 久しい再会、刃を交えて
「はぁっ!
ズシャッン!
リサがウォーウルフを切り裂く。
ポトンッ。
倒されたモンスターは素材となってその場に落ちる。
「これで最後です!
ヒメノが最後のウォーウルフを蹴り飛ばす。
八体の討伐が依頼だったが、ホープの四人は23体の討伐をした。
牙や毛皮、爪を回収しギルドに戻る。
ガチャンッ。
ホープはギルドに入る。
「お帰りなさい!みなさん、どうでしたか?」
「はい!これだけ集めたよ!」
リサは自慢げに袋を置く。
「え?八体の討伐でしたよね?こんなにってことは……。」
「よく分からねえけど、俺らを襲ってくるやつ全部倒したから20体くらい倒したかもな」
「は、本当に規格外な人達ですね。」
看板娘のミナは、報酬を持ってくる。
「依頼達成料と、追加報酬も入れときますね!」
チャリンッ!
そこには金貨3枚と銀貨6枚。
ギムレーでは、金貨一枚が銀貨10枚、銀貨一枚が銅貨10枚になる。
ちなみに、この町では一食銅貨5枚で食べられる。
「やったー!ありがとうミナっち!」
「いえいえ!これからもよろしくお願いします!」
リサは受けとり、四人は外に出る。
日差しが彼らを照らす。
「そういや、金の管理は誰がするんだ?」
「ヒメチンが適任じゃない?」
「分かりました。責任持って管理します。」
ヒメノがポーチにお金をしまう。
「お金を稼ぐ力はあるし、ありがたいことに住む場所もある。いい環境にワープしてもらえましたね。」
「ありがたいことに、か。なあ、ユキナ。なんで俺たちはここの村に飛ばされたんだと思う?」
スノウがユキナを見る。
「なんでって、あの黒服の人が助けてくれたから……。」
「そうだ、あいつが危険を冒してまで俺らをこの地に送った。何か、意味があるんじゃないか?」
スノウは周りを見渡す。
「確かに、兄さんの憶測は正しいかもしれないですね。でも先に起きてた私たちもこの村を見て回りましたが、特にヒントはーー。」
ヒメノが風を感じとる。
(この風の切り方、矢が飛んでくる!)
シュンッ!
「みんな伏せて!」
「っ!」
四人は伏せると、頭上を高速の矢が突き抜ける。
パチンッ!
矢は折れる。
「なんだてめえは!」
スノウは刀を構える。
スタッ、スタッ、スタッ。
「これを避けるとは、本当にホープ部隊なのか。」
「あなたですね、今の攻撃は。一体どういうつもりで!」
「ちょっとした試練さ、お嬢さん。」
黒ずくめの三人がスノウ達の前に現れる。
剣を持つ者、弓を持つ者、大斧を持つ者。
「試練?何を言ってるの?」
「リサさん、まずはあの人達を大人しくさせましょう。」
四人は戦闘態勢に入る。
「そうさ、まだ試練は終わってない!」
ズサッ!
先頭の男が剣を片手にスノウに襲いかかる。
「ちっ!
スノウの刀に青い光が纏われる。
カキーンッ!
スノウと男は戦い始める。
「あの弓使いは私が!私と飛んで!
ヒメノは空を飛んで弓持ちの黒服と戦う。
「なら、あの大男はあたしとユキチンで!あたしと戦え!
「了解です!私と踊って!
二人は大男と戦う。
まずはスノウサイド。
「はぁ!
シュンッ!
男はスノウの心臓に向け、刺突を放つ。
「
バキーンッ!
刀と剣がぶつかり合う。
「やはり、本物か。」
「さっきから、訳のわからないことを!」
サッ!サッ!
スノウは追い打ちをかける。
「だが、まだ終わらん!
「さっきから同じ技ばかり!」
(ん?そういや、俺もこんな感じの技あった気が。)
ピキーン!
スノウの頭にイメージが流れ込む。
「
スノウは目にも止まらな速さで、四回刺突する。
パリンッ!
男の持つ剣が弾かれる。
「くっ!こいつやっぱり。」
ガタッ。
男は膝を落とす。
続けてヒメノサイド。
「落ちろ!
男は空を飛ぶヒメノを狙う。
「遅いですよ!
ブンッ!
サマーソルトを振るうが避けられる。
「大振りすぎだぜ、嬢ちゃん!」
シュンッ!シュンッ!シュンッ!
弓が数発飛んでくる。
「くっ!」
ヒメノは左方に飛び避ける。
(スピードがある技があれば……あれ?こんなこと前にも。)
ピキーン!
ヒメノは閃く。
「はぁぁ!
地面を強く蹴り、右足で特攻する。
ガスッ!
「ぐはっ!」
男は吹き飛ぶ。
「えほっ、えほっ。さすがだな。」
最後にリサとユキナサイド。
「こんなか弱そうな女の子に、やれるのかい?」
「舐めないでよね!」
ズザッ!
リサは高く飛び、
「
「ふんっ!」
斧と長剣がぶつかり合う。
カキーンッ!
「ユキチン!」
「はい!
ユキナの一撃が男の左手を襲う。
「ぬっ!」
男は長剣を弾き、槍を転がり避ける。
「ふんっ、パワーも足りんわ!スキルも足りんわ!」
「こっの!」
(ん?パワー?もしかしてあたしなら。)
(スキル?もしかすると、私の槍なら。)
ザザザッ!
リサはスピードをつけて近づく。
「なら、見せてあげる!
リサの大振りの一撃を、上段から浴びせる。
バキーンッ!
斧が砕ける。
「なにっ!」
「ガラ空きです!
ダゴーンッ!
槍の先から衝撃波を放ち大男を吹き飛ばす。
「うぐっ、やるじゃねえか。」
ホープ部隊は謎の黒ずくめ三人組を倒す。
「さあ、教えろ。俺らに何のようだ。」
「そうだな、もう隠す必要もあるまい。」
三人組は黒のロープを脱ぐ。
「ホープよ、これまでの無礼を許してくれ。俺は、アトレウス。FC計画の元指導官だ。それと、私の部下のフェルナンドとリオネルだ。」
剣を持った男、アトレウスが話し始める。
「FC計画?何だよそれ?」
「やはり、君らも失っているのか。あの日の記憶を。」
「君らもということは、あなた達は何か知ってるんですか?」
ヒメノが問いかける。
「そうだな、君らはヘルクリスマスを終わらせたトップの生き残りだ。」
弓使いのフェルナンドが答える。
「ヘルクリスマス?トップ?それ、ハンクさんも言ってたやつ?」
リサは首を傾げる。
「我らの知ることを話そう。今日の目的は、君らが本当にトップの生き残りなのか試すことだった。急にすまんな。」
大男のリオネルが話す。
「え、は、はい。そしたら、あなた達は仲間ってことでいいんですよね?」
「ああ、俺達は君らホープに協力しに来たんだ。」
仲間との再会、そして着実に動き始める時計の針。
スノウ達はさらに辛い過去を知ることになる。
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