第38話 2日目 –焚火の前で母と

空が白んできた。


夜明けがそこまで来ていた。


背後に気配がした。


ボクは、振り返る。


「ハルマン、おはよう」


「母さん、おはよう」


そこには、母さんが立っていた。


父さんは、まだテントで寝ているようだ。


「朝ごはん用意するわね」


「うん、ボクは周囲警戒しているから」


「よろしくね」


ボクの前の焚火で、母さんが朝食を作り始めた。


「ハルクト・・・父さんの修行はどう?」


「凄く為になるよ、強くなれる気がする」


「そう?ならよかったわ。

でも、この先大変なことになるけど頑張ってね」


「うん、シアンの為にも頑張らなきゃ」


母さんは、ボクの顔を見てクスクス笑った。


「すっかり好きになっちゃったのね」


「うん!」


「あらあら」


ボクは、母さんから視線をずらす。


言ってたら照れくさくなってきた。


シアン、なにしてるかなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る