第25話 着せ替え人形ハルマン
「さあ、ハルマンの服を買いに行きましょう」
「いいのですか?」
「ハルマンは訓練服しか持ってないですから、私服があってもいいでしょ?」
お嬢様は、どうしてこんなに良くしてくれるのだろう。
わからない。
◇
ハルマンの腕は、依然と違い無駄な脂肪がなくなりとても引き締まっていてカッコいいです。
可愛い顔と細みなのに引き締まった筋肉。
凄くワタクシ好みになっていて・・・うっとりしてしまいます。
着替えを覗かせてもらいましたけど、腹筋も割れ筋肉のメリハリが出来ていてとても抱きしめてみたかったのに残念でした。
ハルマンははしたないというけれど、ワタクシは大好きなハルマンに引っ付きたいだけなのに。
ハルマンには、これからカッコいい服を着てもらいましょう。
うふふ、楽しみです。
◇
お嬢様が、ずっとニヤニヤしている。
どうしたのだろう。
ボクらはマーケット側ではない大店が立ち並ぶ街の南西にある方向に向かって歩いていた。
話では聞いていたけど始めていく区画なんだよね。
まあ、この間お嬢様と出かけてから街に出かけていないのだけど。
やがて、大きなお店の前へと辿り着いた。
店先には、ガラスが張られ洋服がマネキンを着飾っていた。
所謂ショーケースと言う物。
マネキンが着ているのは、お嬢様が来ているのと同じワンピースだった。
「驚きましたか?ワタクシのこの服もここで仕立ててもらったのですよ。さあ、入りましょう」
ボクらは、お店の中に入っていく。
中にもいろんな服が所狭しと飾られている。
「リリ、いますか?」
「はーい、いまいきます」
そう言って、奥から一人の女性が出てきた。
彼女は、お嬢様と色違いのワンピースを着ていた。
色は黄色、ボブヘアの金髪・・・耳が長い。
えっと、エルフだったかな。
「あれ、シアンさま。
珍しいですね、お店に来てくださるなんて」
「今日は、このハルマンの服を見繕いたくてきたのです」
「あら、シアンさまも色めくお年頃なんですね。
どこで、こんなイケメン拾って来たんですか?」
「内緒よ、それよりも服見せて」
そういって、リリ?さんとお嬢様は服を見繕う。
そして、ボクに着せていく。
ボクが着せ替え人形をそれから数時間するのだった。
その後僕が着た服は・・・。
ネクタイにワイシャツのようなフォーマルな物。
カジュアルシャツを合わせた服。
時には、真っ黒なスーツみたいなものなど。
様々だった。
その度に、お嬢様がボクを見る目が獣が獲物を見る目に似ていた。
なんだか、とても怖かった。
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