第14話 騎士になる為に

ボクは、お嬢様に連れられて騎士団の詰め所へとやって来ていた。


彼女の街の案内の一環としてとして。


騎士団の団長室へと通されたボクたちはウェインと対面していた。


「そういえば、ハルマンにはしっかり紹介してなかったわね。

ウェイン・ハルバート。

このツァエリの騎士団の団長よ」


ウェインさんって、そんなに偉い人だったのか。


確かにあの時随行している人の中では実力が抜きん出ていたように感じる。


「はは、確かにあの時は自己紹介もしている余裕はなかったですから。

ハルマン殿、先日はご助力感謝いたします」


「いえいえ、たまたまあの場に居合わせられて良かったです」


ボクらはそんな挨拶を交わしていた。


お嬢様は、そんなボクらを微笑んでみていた。


「ウェイン、今日の用件はそれとはまた別で。

今日、ハルマンが洗礼を受けて「聖騎士」を賜ったのよ」


「それは喜ばしいことですね。おめでとう、ハルマン殿」


「ありがとうございます」


ボクは、純粋に嬉しかった。


現在騎士団を率いる団長自らお祝いを言われたのだから。


「それで、ハルマンを鍛えてほしいのです」


「ハルマン殿を騎士団に入団させると言うことですか?」


「一時的によ、だってハルマンはワタクシのモノなのですから」


唇を尖らせながらお嬢様はそんなことをいい放った。


嬉しいけれど、恥ずかしくもあった。


「かしこまりました。では、仮入団と言う形で鍛えましょう。

では、ハルマン殿・・・いや、これからは一時的には部下となるのでハルマンと呼ばせてもらおう」


「はい、よろしくおねがいします」


「ウェイン、明日からお願いしますね」


「畏まりました」


明日から?


今日からじゃないんだ。


じゃあ、これから何をするのだろう。

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