第11話 領主一家との会食
ボクは、メイドに連れられて大きな扉の前に立っていた。
「さあ、ハルマンさまこちらです」
メイドは、大きな扉を開けた。
そこは、白いテーブルクロスが張られた長机がある大きな部屋だった。
正面には、領主さま。
領主さまの左手・・・ボクから見て右手にお嬢様によく似た女性が座っていた。
お嬢様は、領主様の右手・・・ボクから見て左手に座っている。
「ハルマンさまは、シアンお嬢様のお隣へお座りください」
ボクは、メイドにエスコートされる。
お嬢様の隣の席の椅子を引いたメイド。
ボクは、その席に着席した。
「うふふ、ハルマン。
お待たせしてしまってごめんなさい。
お父様とお母様とお話をしていて遅くなってしまいました」
「いえ、そんな。
ボクも母への手紙を
「あら、お母様にですか!」
なぜか、キラキラした目でボクを見るお嬢様。
一応、お嬢様には伝えておかないとな。
「お嬢様、母にはしばらく街に滞在する旨を認めました」
「まあまあ。それはとても嬉しいことです」
お嬢様は、ボクの手を取りブンブンと振り回していた。
とても嬉しそうだ。
「シアン、ハルマンくんに紹介はしてくれないの?」
「は、そうでした。
ハルマン、正面に座っているのがお母様でアクア・ディ・ツァエリです」
「ハルマンくん、よろしくね。
シアンを助けてくれてありがとう」
「いえ、ボクはちょうど通りかかっただけですので」
「そんなことありません、ハルマンはワタクシを守ってくれました。
助けられたワタクシがいうのですから、間違いありません」
「お嬢様・・・」
あの時、ボクにできたことはとても少ない。
ボクは弱い。
強くなりたいな。
もっと、ちゃんと守れるようになりたい。
そう思うと、胸の聖痕が熱を帯びるのを感じた。
帯びた熱は、胸だけではない右目もまた熱を帯びている気がする。
「あら?ハルマン、その右目に聖痕があるのですね」
「え?」
「あら、気づいてなかったのですの?
いま、右目が浮かび上がっていますよ」
確かに、熱を帯びている。
意志に呼応している?
「ハルマン、お主のその聖痕。
母上からかね?」
そう領主さまがボクに訪ねる。
確かに、母さんは両目に「星」の聖痕がある。
「えっと、聖痕の形はボクにはわかりませんが。
星の形ならそうです」
領主様は、何かを考えやがて何かに気づいたようだった。
「なるほど。それよりも、晩餐としよう。
ハルマンよ、、マナーなど気にせずに気楽に食すと良い」
「ありがとうございます」
その後、ボクらはご飯を食べた。
とても美味しかった。
その日は、客間のベッドで眠りに就くのだった。
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