第9話 誰も救われない戦い
「馬鹿にするなああああ!
人の夢を、踏みにじるなあああ!」
「これは、夢でもなんでもないわ。
これは、押し付けよ。
第一、その人にも、人権があるんだよ。
それを踏みにじっているのは・・・・・」
「うるさい!
うるさい!
黙れ!」
そう叫び、怪我をして動けないバンピーロを撃ち殺してしまった。
「死ね!
この野郎!
はははははあはは」
笑いながら、バンピーロを無残に撃ち続けた。
「バンピーロ!」
バンピーロは血だらけのまま、目をつむり、返事がなかった。
「あはははははははは!
やった!
やったよ!
殺した!」
近くにいた私にも、返り血が飛んだ。
「とても、人とは思えないわ・・・・。
君は、人なんかじゃない・・・・」
私は槍を、元いじめっ子に向けた。
いっそのこと、このまま刺してしまおうかな?
私は、槍の刃先で銃を壊した。
「なっ・・・・!」
このまま、槍で元いじめっ子の左腕を刺した。
彼女は、左利きだったから。
「大嫌い・・・・!」
「あは、八つ当たり?」
「自分のしたことを、認めてなんだね。
教えてあげるよ。
君がしてきたこと。
今、目の前でしていること。
人殺し。
理解できたかしら?」
私は槍を、元いじめっ子の喉に向けた。
「何をするつもり?」
「言うまででもないわ。
選択によっては、君の未来はないと思わばいいわよ。
なぜ、無関係の人を巻き込むの?」
「決まっている。
あいつの佐藤の怯えている顔を、反応を見たかったから」
「君の言うことは、理解できないわ。
この殺人鬼。
消えればいいわ」
「うちは、もう長くは持たない・・・。
さっき、銃で撃たれて、血もたくさん出た・・・・。
うちは、死ぬ前に佐藤に会いたかった・・・・」
「会えないわ。
死んでしまえば、そこまでよ。
諦めるってことを、いつ学ぶのかしら?
きっと、君は何十年もこの先で変わらない。
なら、地獄で天罰を受けることを祈るわ」
「あははははは・・・・」
こうして、元いじめっ子のリーダーは倒れた。
血だらけの状態で。
私だけが魔法学校で生き残ってしまった。
生き残ったのは、戦い抜いた私と、逃げ切った校長や生徒ぐらいかな。
私は、その場を去ることにした。
白のワンピースも返り血がかなりついたので、私は別の白のワンピースに着替えた。
私は、また一人になってしまった。
そうだ。
私はこうして、また一人になる。
二度と、あんな惨劇が起こらなきゃいいけど。
そんな願いなんて、叶いそうになさそうだ。
「君の戦いぶりを見たぞ」
「君は、誰なの?」
目の前には、浮いているピンクのペンギンがいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます