第5話 ドキドキ同居生活
「何のようもないわ。
ただ、来ただけよ」
「まあ、人間が?」
「ママ、この女の子、すごっく美人だよ?
付き合っていい?」
「初対面でしょう?
見た目だけで付き合うのは、やめた方がいいわよ」
「それでも、この子がいいの」
男の子が、私のところに近づいてきた。
「すっごく、きれいだね」
「ありがとう」
「何歳なの?」
「もうすぐで、11歳よ」
「僕と年近いじゃん?
結婚とか、考えてる?」
「まだ、結婚できる年齢でもないし・・・・」
「かわいいね。
行く当てがないなら、僕のところこない?」
「いいわよ」
「やったあ」
こうして、男の子の家に泊まることになった。
男の子の家も、シングルマザーみたい。
男の子の名前は、バンピーロ。
バンピーロと同じベッドで寝ることになった。
「近い・・・・。
寝息がかかる・・・・」
私の心臓は、ドキドキしていた。
「いいでしょ?
これから、結婚するんだし」
「こんな約束、した覚えないんだけど」
「僕が今日、考えたんだ。
セオリちゃんの花婿になれたらなって」
「何、それ?
好きにしたら?」
私の顔は、すでに赤くなっていた。
こんな感情、生まれて初めてだった。
「顔、赤くなった。
かわいい~。
僕のこと、好きでしょう?」
「1歳しか年変わらないくせに、生意気。
でも、いいわよ。
結婚したげる。
ただし、条件があるわ」
「条件って?」
「私のこと・・・・、ずっと守ってくれる?」
「条件にするまでもないじゃん。
セオリちゃんのこと、好きなんだよ。
彼女だし。
婚約者だよ。
未来のお嫁さんなんだから、守らないわけないじゃん?」
「そうね。
条件にするまででもなかったわ。
すっごく、私が馬鹿馬鹿しいわ。
なら、高難易度の方がいいかしら?」
「高難易度とは?」
「私のパパを探して?
私は、生まれてから会ったことがなくて、ずっと見つけるための旅をしてきたの」
「写真とかあるの?」
「ない」
「これは、本当に高難易度だ。
でも、セオリちゃんのためなら、探してあげるよ。
そして、セオリちゃんのパパが見つかったら、結婚してくれる?」
「ここまできたら、結婚してあげてもいいわよ。
結婚でも、出産でも、何でもするわ」
「やったあ。
子供とか、何人ほしいの?」
「考えたことない。
バンピーロは?」
「僕もないかな?」
「あはは、おかしいね」
私は、思わずふきだしてしまった。
「あ、笑った」
「いちいち、言わなくていいから」
私は、布団に潜り込んだ。
次の日からは、私とバンピーロで学校に行く。
様々な種族が集まる学校に入学することになったから。
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