非モテの俺が可愛い過ぎる見た目の後輩に毎日愛の告白をされている。~愛に性別は関係ないですよ!!先輩好きです!!~
第六話~百合香とゲームをする時は、周りに男が居ないことを確認してからでないとダメだと確信した~
第六話~百合香とゲームをする時は、周りに男が居ないことを確認してからでないとダメだと確信した~
第六話
バスケットボールのシュート対決を終えた俺たちは、自動販売機の前でジュースを飲みながら感想を言い合っていた。
ちなみに、勝負は僅差で俺と百合香の負けだった。
負けた俺と百合香が勝った二人にジュースを奢る形になった。
「ねぇ拓也くん!!負けたのはすごく悔しいわね!!」
「そうだな。あとは吉見さんがまさかバスケットボールの経験者だったのは驚きだったな」
祐希と共にバシバシシュートを決めていく吉見さんに俺と百合香が驚いていると、
『ふふふ。実は経験者なのですよ』
とドヤ顔でこちらに言ってきたのだった。
「ふふふ。小学生の頃から中学卒業まではバスケ部でしたので。ちょっと膝を悪くしてしまったので、高校では野球部のマネージャーをしてるんです」
「こうしてシュートを打つのは平気なのか?」
「はい。激しい動きをしなければ問題は無いので」
少しだけ心配そうな表情をした祐希に、吉見さんは軽く微笑みながらそう答えた。
「ですが、久しぶりに身体を沢山動かしたので疲れましたね。少し休みたいところです」
スポーツドリンクを片手に、吉見さんはそう言って顔を仰いでいた。
少しだけ顔が赤くなってるのを見ると、ここまでの移動も含めて疲れが溜まってるのかもしれないな。
「じゃあ俺がバッティングマシーンで打ってるから、フォームとか見てもらってもいいか?」
「ふふふ。敵に塩を送る形になってしまいそうですが、愛する祐希くんの為なら構いませんよ」
祐希と吉見さんがそんな会話をしているのが聞こえた俺は、二人に提案した。
「じゃあここらで二手に別れようか。俺と百合香は向こうで遊んでるからさ」
「OK。じゃあ俺と涼香はバッティングマシーンとか、ストラックアウトをやってるわ」
「そうね。じゃあ後でまた合流しましょうか。涼香ちゃんも無理しないでね?」
「はい。ありがとうございます百合香さん」
こうして、俺たちは当初の予定通りに二手に別れることになった。
さて、百合香と二人きりになったわけだが。何して遊ぶかな……
「ねぇねぇ拓也くん。アレでスコアを競わない?」
「……え?ワニワニパニック??」
百合香がそう言って指をさしたのは、ハンマーでワニをぶん殴ってスコアを競うワニワニパニックだった。
「この間に来た時はエアホッケーをやったわよね。今回は違うので勝負しようよ」
百合香はニコリと笑いながらそう言ってきた。
そうだな。この間のエアホッケーはとても幸せな時間だった。
揺れる百合香のおっぱいを眺めていたら完封負けを喫したんだったよな……
祐希は今みたいにバッティングマシーンと戯れてたし、周りには俺以外の男が居なかったから良かったけど、他人には見せたくない光景だったな。
そう考えると今回のワニワニパニックは完全にスコア勝負だからな。あの時のような無様な惨敗にはならないだろう。
「いいぜ。俺もワニワニパニックには自信があるんだ。コテンパンにしてやるよ」
俺はそう言葉を返した後に、制服の上着を脱いで百合香に渡した。
「先手は俺が貰う感じでいいか?」
「構わないわよ。じゃあ拓也くんの制服は持ってて上げるわよ」
「せんきゅー。じゃあいっちょワニをしばいて来るか」
俺はワイシャツの袖のボタンを外してから腕まくりをする。
そして、百円玉を一枚取りだして筐体の中に入れる。
手でワニを叩くのは反則だが、ハンマーで叩くならルールの範囲内だ。
なので俺は両手にハンマーを持ってスタートの合図を待つ。
『たーべちゃうぞーーー!!!!』
「一匹たりとも逃がさねぇ!!」
俺はそう言って『チュートリアル』的な速度のワニを一匹残らず叩いていく。
最初はゆっくりと、一匹や二匹が同時に出てくる感じだ。
そして、少しするとチュートリアルが終わり『本気モード』に突入する。
『もーー!!怒ったぞーーー!!!!』
「さぁ、ここからが本番だ!!」
すると、さっきまでとは打って変わって大量のワニが俺の目の前に現れる。
そいつらを俺は器用に二つのハンマーで叩いていく。
完全に顔が出てきてから叩くのではスコアが稼げない。
ちょっとだけ顔を出した様子見みたいなやつも叩いていくのが勝負のポイントだ。
『痛てぇ!!痛てぇ!!痛てぇ……ガブ』
「あ!!やっちまった!!??」
「あはは。1ポイントやらかしたわね!!」
一匹のワニを打ち漏らしたものの、俺は比較的高スコアでワニワニパニックを終えた。
「はぁ……はぁ……115点だな……まぁ悪くないよな」
確かMAXは117点だったはずだ。
そう考えればかなり高スコアと言える。
今日の最高スコアだしな。
「じゃあ次は私の番ね」
「おぅ、じゃあ百合香の上着は俺が持ってるよ」
「匂いを嗅いだらハンマーでぶん殴るからね?」
「そんな事しねぇよ……てか気にすることないだろ。俺は好きだぞ……ってセクハラだなこれは……」
「セクハラよ……バカ」
そんなやり取りをした後に、俺は百合香の上着を受け取る。
バスケットをやったあとなので、少しだけ汗が染み込んだ彼女の上着からは、百合香の匂いがしていた。
って……変態かよ……
そして、ワイシャツ姿になった百合香を見た俺は愕然とした。
ば、馬鹿野郎!!透けてるぞ!!
淡いライトグリーンの下着が薄らと見えていた。
こんな姿を他のやつに見せられねぇぞ!!
そう思った俺は急いで周りを確認する。
過疎ってるゲームであるワニワニパニックの周りには、幸いなことに周りにはあまり人はいないようだった。
『たーべちゃうぞー!!!!』
「ふふふ。覚悟しなさい!!血祭りにあげてやるわ!!」
そう言って百合香は俺と同じように両手にハンマーを構えてワニに振り下ろしていく。
そして、その動きに合わせて彼女の豊かなおっぱいも右へ左へ、上に下にと魅惑的に揺れている。
「……すげぇ」
ある意味感動的なその光景に、俺は両手を合わせていた。
ありがとうございます。今夜はこれでいいかな。
そんなことを考えながら百合香のプレイ(おっぱい)を見ていると、彼女はパーフェクトゲームでクリアした。
「ふふふ。117点だったから、実質満点のスコアね!!」
「あぁ、素晴らしいプレイだったよ。百合香から目が離せなかった」
俺が両手を叩きながら彼女を祝福すると、百合香は怪訝な表情で言葉を返す。
「あ、ありがとう……なんか含みを感じるけど……」
「俺の負けだからな。どうだ、アイスでも奢ろうか?」
「そ、そうね。ピノを食べたいわ」
「わかった。じゃあちょっと買ってくるわ」
俺は百合香に上着を返したあと、アイスのピノを買いに自動販売機へと向かった。
そして、自動販売機でピノを買って彼女の元に向かうと、この僅かな間で百合香が二人の男から言い寄られていた。
どうやらあの二人は、先程祐希にあしらわれたヤツらだとわかった。
「なぁなぁ、俺たちと遊ばない?」
「このゲーセンは治安が悪いからね。俺たちが守ってあげるよ?」
ははは!!一体どの口が言ってんだよ!!
そんなことを思いながら百合香を見ると、呆れたような表情でため息をついていた。
早く助けてやんねぇとな。せっかくゲーセンで楽しんでたんだからこれ以上それを邪魔されたくない。
そんなことを思いながら、俺は百合香のところに行き、二人の前に身体を割り込ませる。
彼女と一緒に居るとこういう事が起きるのは少なくない。
そうなった時の対処はうんざりするほどやってきた。
「あぁん?てめぇなんだよ??」
軽く目を細くしてきた男に、俺は視線を逸らさずに言葉を返す。
「俺は彼女の連れだよ。護衛なら間に合ってるから男二人で楽しんで来いよ」
百合香の名前は出さない。こんなヤツらに教えてやる義理は無いからな。
「おいおい。男一人でイキってんじゃねぇぞ」
そんなことを言ってくるもう一人の男。
だが、なんのトレーニングもしてないようなヒョロヒョロの男が何人集まっても怖さなんか無い。
ただまぁ、そうだな。変に暴力沙汰なんてすると面倒だからな。こういうのは『店員さん』に任せるに限る。
「店員さーーーーん!!!!助けてくださーーーい!!!!変な人に絡まれてまーーーーす!!!!!!」
「なぁ!!!???」
「てめぇ何言ってんだよ!!!!」
俺は演劇部で鍛えた腹式呼吸で店員さんを呼んだ。
するとすぐに店員さんが二名ほどやって来た。
「あ!!お前達は出入り禁止にしていた二人組じゃないか!!」
「今すぐ出て行かないと警察を呼ぶぞ!!」
何だよ、あのクズ二人は出禁だったのかよ。
俺がそう思ってると、不審者二人は何やら捨て台詞を残してその場を去っていった。
そして、店員さんは二人を追っていく形になり、その場には俺と百合香が残された。
「あはは。拓也くんも随分と手馴れてきたのね」
「まぁな。お前と一緒に居るとこういうトラブルには事欠かないよな」
「でもこうして拓也くんが守ってくれるじゃない。ありがとうね」
「俺は何もしてないよ。店員さんを呼んだだけだよ」
「それが大切なんじゃない。変に貴方が喧嘩なんかし始めたら軽蔑してるわよ」
「暴力沙汰なんて起こしたら、そっちの方が面倒だろ……」
そんなハプニングもありながら、俺と百合香は他のゲームでも楽しく過ごした。
その後、少ししたところで祐希たちと合流した。
「ふぅ……結構遊んだな」
「そうだな。俺も楽しかったよ」
「はい。私も楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます」
「それじゃあ帰ろうかしらね。私と拓也くんはこのまま自転車で帰るわね。祐希くんはちゃんと涼香ちゃんを送ってあげるのよ?」
「当然だろ。結構遅い時間だし、さっきみたいな事がないとも限らないしな」
「ふふふ。ありがとうございます、祐希くん」
こうして、自宅までの流れを確認した俺たちはゲーセンの外に出たあとに各々帰宅のために別れて行った。
田中うどんに停めていた自転車を回収し、俺と百合香は自宅に向けて自転車を走らせる。
「今日はなかなか楽しかったよ」
「そうね。私もとても楽しかったわ」
自転車を走らせながら、俺は百合香にそう言葉をかける。
彼女からも、良い言葉が帰ってきたことにホッと一つ息をついた。
そして、もうすぐ俺と百合香が別れる交差点に来たところで彼女が俺に行ってきた。
「ばいばい。拓也くん。また明日」
「おぅ、じゃあな百合香」
手を振って別れを告げる俺に、百合香はイタズラっぽく笑いながら言葉を放った。
「リア充になりたくなったら、拓也くんはいつでもなれるんだからね?」
「ゆ、百合香!!??」
「あはは!!ばいばい!!鈍感野郎の拓也くん!!」
百合香はそう言い残すと、俺を残して自転車を飛ばしていった。
あっという間に小さくなっていく彼女の姿に、俺は少しだけ額を押えながら「これって……そういうことなんだよな……」と小さく呟いていた。
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