第15話、きいろな間食

どうしよう。たむくんの紹介だし、不味くはないはず。


「美味しければ買って行きましょう」

「そうそう、ぜひぜひ。サービスしちゃうよ(^_−)−☆」


まあ、アイテムボックスもあるし、美味しかったら、ということならいいか。


・・・本人目の前にして「まずい」って絶対に言えない。


「口に合わなかったらはっきり言ってね?そしたら、これからKAIZENしていくからさ。ジャパニーズの特技なんでしょ?」

「ああ、まあそうですね」

とりあえず、食べてみよう。


まずは見た目。

正直に、雑。お皿が綺麗じゃない。

大衆食堂だから仕方ないけど、日本ならクレーム対応になりそう。


白色のペーストは魚のペーストらしく、粗々なペースト状になっている。パンは細いバケットの輪切り。よくわからない薄黄色の焼いたものもある。皿の上に小さな曲線を描く高さのある皿が置いてあり、深い緑色のオイルが入っている。


香ばしい油の匂いは海鮮のフリット。

バケツ型のお皿を覗くとイカの輪切りとか小魚が薄いきつね色の衣を纏って金色のもったりとしたお粥に降り立っている。


食欲をそそるのは揚げ物だけど、味が濃そうだから魚のペーストからにしよう。

パンを手に取る。ほんのり温かい。バターナイフでペーストを掬いパンにのせる。


口元まで近づけるとパンの香ばしい香りに魚の匂い。それに混じってわずかに乳製品の匂いがする。魚に乳製品?


困惑したまま、一口。


「う!?」

パンを嚙みちぎるのに失敗して少しこぼしかける。


仕方ないので、そのまま口に突っ込む。

噛むのも苦労するぐらいに口の中いっぱい。いけそうなところでコーラ投入!


「ぷはっ!!けほっ」

「大丈夫ですか?」

「ぁ、うん。上手く噛み切れなかった」


白身魚特有の臭みの一歩手前の香気に、ミルク特有の匂いが絡んでくるけど、パンの香ばしさと塩気がそれらをまとめ上げて喉を通していく。


ちょっと、コーラは合わなかった。

しゅわしゅわ感がさっぱりでいいけど、甘さがミルクと絡んでしまっていた。


「どお?」

「うん。おいしいです。なんか、胡椒とか足したらビールのおつまみに合いそう」

「Non!!これは白ワインよ(T_T)」

「あー、それならこれでいいですね。ミルクと合いそう」

「よく気が付いてくれたわ。ペーストに合わせているのはミルクと少しのクロテッドクリームなの(^_-)-☆」

「あと、ケッパーですよね。この料理だといれgy」

「ちょっと!?それはうちの企業秘密!!」


これだから犬の人って油断ならないの、とぼやいているのをしり目に、揚げ物に手を伸ばす。こっちはどうなのかな。


「ほんと、すいません」

「秘密にしてね(>_<)」







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