衒いのない虚像

三文字

衒いのない虚像

衒いのない虚像

中空に浮かび思考する人影

真空の闇に光るその思索

僕はそんな風にとぼけて見せた

しかし君はもっと大文字のことを言う

索莫とした心の地平線の向こうから

無謀にも水をやるかのように

それもまた嘘をついているのではなかった

真実と思うことを語りまた為そうとしていたのだと そう思う

しかしその動き出したまさにその時

蝋燭の火は吹き消え 暗がりは窓に照り映え

そこにある月は退屈そうな眼差しで見遣っていて

それが鬱陶しかった

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