No.3 冒険者協会

 冒険者協会に着き、僕は受付に向かった。

 なぜか並んでいないところがあったので、そこに向かった。

 そこには、可愛い受付の女性がいた。

 チラリと彼女の名札を見る。苗字は華吹だった。


「ここって受付であっていますか。初めて来たんです。」

「初めて来られたのですね。わたくしは華吹レイカと申します。今回はどう言ったご要件でこちらに来られたのですか。」

「あの...今日、覚醒しちゃったんです。どうすればいいですか。」

「覚醒者の方でしたか。では、こちらの紙にお名前、職業、電話番号等を記載してください。」


 下の名前はレイカさんって言うんだと考えながら、華吹さんから渡された用紙に記入をする。


「では、ステータスボードを出してください。記載に間違いがないか確認します。こちらに見せてください。

 ありがとうございます、もう大丈夫ですよ。冒険者カードを作成しますのでしばらくお待ちください。」


 そう言って、華吹さんは席から離れ奥に行ってしまった。

 少し経つと、彼女は戻ってきて、僕に注意事項の説明と質問をしてきた。


「注意事項を説明します。冒険者カードは常に持ち歩いてください。免許証がないと車が運転できないのと同様に、所持していなことが判明すると罰金になります。繰り返すと捕まってしまいますのでご注意ください。

 それと、冒険者カードを紛失した場合は、直ぐに近くの冒険者協会に連絡をお願いします。冒険者カードが再発行されるまで外出は避けてください。一日もしないで登録したお家にお届けします。また、再発行には1万円かかるのでご注意ください。」


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「錦戸様はダンジョンに潜られるご予定はありますか。」


「ダンジョンには潜ろうと思っています。今、無職なんで少しでもお金を稼ぎたいんです。」


「分かりました。では、ダンジョンのドロップ品についてです。ダンジョンで得たは冒険者協会で買い取る仕組みとなっております。ダンジョンのそばに常駐している協会職員がいますので、必ずその人にお売り下さい。

 素材に関しては、個人の自由となっておりますのでお好きにしてください。冒険者協会でも買い取りをしていますので、魔石と一緒に素材を売ってもらっても構いません。もし未発見の素材を手に入れましたら、協会に売っていただけると助かります。」


「了解しました。」


「最後に、覚醒者の方に任意の協力願いをしています。覚醒者の『職業』は、未知の部分が多いのです。できればでいいのですが、スキルや魔法等を研究協力していただけませんでしょうか。研究によっては、報酬をお支払いすることもあります。」


「それは....考えておきます。」


「よろしくお願いします。」


 華吹さんと話していると、華吹さんの後ろから同僚の方が、僕の冒険者カードを持ってきてくれた。それを華吹さんが受け取り、僕に冒険者カードを渡してくれた。


「こちらが、錦戸様の冒険者カードになります。冒険者ランクはFランクとなります。同ランク以下のダンジョンにしか入場は許されておりません。

 錦戸様は、Fランクダンジョンのみ潜ることができます。気をつけて、ダンジョン攻略をしてください。錦戸カケル様、頑張ってください。」


 そんな華吹さんの励ましを受け、僕の冒険者としての生活が始まった。

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