No.2 なにコレ??

 突然の『 対象:錦戸翔 は、覚醒しました。』というシステム音に混乱しながらも、ステータスと唱えてみる。突然の現状について、動画や掲示板を調べて試しに言葉にしてみた。

 言葉にすると、目の前にステータスボードが表示された。

 本当に『覚醒者』になったらしい。

 その後、自身のステータスを見て「なにコレ?」と呟くことになる。



 ♡♡♡♡♡


 名前:錦戸ニシキド カケル

 職業:ギャンブラー【補正:初期LUK+2】

 Lv:0


〈ステータス〉

 HP:3/3

 MP:2/2


 STR:2

 DEF:1

 INT:1

 RES:2

 AGI:3

 DEX:3

 LUK:3+2(5)  ⇐ 3(元々の数値)+2(補正値)


〈スキル〉

 「ダイスロール」「コイントス」「ポーカーフェイス」


〈魔法〉

〈装備〉

  普通の服 …効果無し


 ♡♡♡♡♡



 ダンジョン地球にできてから『職業』を得る方法は2つある。


 1つ目は、ダンジョンの中にいる魔物を倒すことで、レベルが上がる。初めて魔物を倒すとレベル1になることができる。それと同時に『職業』を得る。

 赤ん坊でも動物でも『職業』を得ることができるのが特徴だ。ただ、そこに魔物を倒せればという条件がつけられる。

 この方法だと、11種類の『職業』の中から本人に適した『職業』を得ることになる。これが一覧だ。


 物理職の『盾士』『戦士』『剣士』『槍士』『拳闘士』『斥候』

 魔法職の『魔法使い』『回復術師』『付与術師』『呪術師』

 そしてどちらにも分類されない『ポーター』


 なかでも『ポーター』はハズレ職業と呼ばれおり、ダンジョンに潜りたい者にとってはなりたくない職業No1となっている。まあ、ダンジョン外では活躍の場があるので『ポーター』になりたいと言う人は少なからず存在している。



 2つ目は、僕のように突然『職業』を与えられる方法である。ダンジョンに一度も潜ってもいないのにも関わらず、いきなりシステム音が頭の中に響き覚醒する。

 こちらは完全に運。いくら待っても『職業』を得られない人もいる。それに、先に『職業』を得ると、こちらの方法では『職業』を得ることが叶わなくなる。

 既に『職業』を得ている人は別の『職業』にはなれない、そんな感じだ。

 こちらの場合で得る『職業』は、上記の11種類に含まれない『職業』になる。いわゆる『ユニーク職業』である。


 このような『ユニーク職業』を得た人たちのことを総称して『覚醒者』と呼ぶ。『ユニーク職業』の中には。ハズレ職業もあれば当たり職業もある。彼らは、様々な場所で活躍している。『覚醒者』は、人数が少なく100万人1人いるかどうかと言われている。

 掲示板等では覚醒者の職業は、その人が持つ天職ではないかと噂されたりもしている。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 覚醒者は、冒険者協会に赴き、覚醒したことを報告する義務がある。これは、『職業』を得た人が一般人より強くなっていることが原因である。

 ダンジョンに潜り『職業』を得たい人は、冒険者協会を通して行う必要があり、その申請により冒険者を管理している。

 しかし、覚醒者は違う。突然『職業』を得るのだ。ダンジョンの外で『職業』を得てしまう。そのため、自身で冒険者協会に報告する義務が生じる。報告しなければ見つかった時点でブタ箱行き確定なので、カケルも例に漏れず冒険者協会に行くことにする。


 主婦である母に自身が覚醒した事を伝え、協会に向かう準備をする。母の所有車を借りて都道府県ごとに必ず1つある冒険者協会に行く。僕が行くのは岩手県にある冒険者協会である。

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