第18話 クライマックス直前!

「お祖父様~」お祖父様の部屋に入る。意外に遠いから疲れた…。「何だ?」「流唯都さんと七愛さんがやはり暇になりまして、いろいろな部屋を探検しようとし始めました。止めたのですが、どうにもできず・・・申し訳ありません。」「なんだって!神気庫しんきこもあるし、書庫、書斎、倉庫には刀も・・・思いつくだけでもこれだけあるんだ。これらの部屋に入るとたいへんだ!ほかにも問題があるかも…」「すいません!」「これらの部屋に入ったらどうするつもりだったんだい?」う、

いつもは穏やかなお祖父さまの顔が怖い…「ほんとに危険な部屋はわたしが止めるつもりでした。」「『部屋探検』も止められない舞優が本当に止められるのかい?」すんごい怖い顔。「さすがに本当に危険だと言えば、流唯都さん達もやめてくれるはずです。」「どっちにしても今あの子たちの近くに舞優はいないんだ!早く行かなければこの隙にと無鉄砲なことをして、危険な目に合うかもしれないぞ!」


廊下に出た。走る。本当はダメだけど走る。祖父さまも一緒に走ってるから大丈夫だよね。廊下を走っていたら、「うわっ!」「きゃあ!」「!」二人の悲鳴が!それと同時に黒い光が周りを包んだ。「この光…神気?」「…ああ。想像しきれなかった最悪のことが起こったらしい…」え…「それは?」「…空泉に人が入った。」「人とは…流唯都さんたちのことですか?」「ああ。」「入ったりはしないと思いますが…」「空泉に入っている神水にちょっとでも触れたらだめなんだ。」「だめ、とは?」「空泉は天国あまくにとつながっている。故に近づいたら人は天国にいく。説明はしたろう?」思い出した。空泉に人が近づくと…死ぬ。正確に言うと処刑される。「どうしたのですか」お母様!「この光…怒神気どしんき!神孫子さまの怒りに触れたのは…あの子供たちですか?」お祖母様。「恐らくそうだ。」「お祖父様、お祖母様!流唯都さん達は?」「…基本例外はありません」祖母様…「助けに行ってやれ」お祖父様!「助からないかもしれぬが、ここでずっと心配しているよりはいいだろう。」「そうですね!」「やめなさい。あなたまで死ぬかもしれないわよ。」お母様…「こんなんだから家に呼びたくなかったのですよ。」そんなこと…「香菜。いい加減にしないか。舞優。早く行かないと手遅れになるぞ。」「舞優そんな無鉄砲な子に育てた覚えはありません。だいたい、お祖父様がいいかげんなことを言わなければこんなことにはなっていません。まともな行動をしてください。」どうしよう。るいっぺも七愛ちゃんも大切な友達。ううん、親友。お母様が言っていたという言葉も怖いし…そんななわたしなんてお母様は見捨ててしまうのではという懸念、いやきっとそうだ。けど…どうしよう。グダグダ考えていたら二人が…「流唯都君は舞優を助けようとしてくれたぞ!それに舞優が応えてあげなくてどうする!」そうだ。そうだよ!るいっぺはわたしを不良から守ろうとしてくれた。私も助けてあげなきゃ!「行きます!」お祖父様は微笑んだ。「いいだろう。正仄空泉を持っていきなさい。」「はい!」一刻も早く助けなければいけないので、走って刀のところまで行く。後ろから「廊下まで走って…どうなっても知りませんよ。」というお母様の声が聞こえてきた。

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