第10話 三井
お祖父様に「なんで神気はあんなにきれいなの?」って聞いたら、「自然の神気は外に出来るんだ。人の思いが集まる、にぎやかところか、逆に人が来てくれず、悲しい思いが集まるところにな。そして、神気ができるのにはもう一つ条件がある。月光がよくあたることだ。つまり、神気は月光と「思い」を吸収してできるんだ。月、きれいだろ?だから月の光を吸収してできる神気も綺麗ってわけ。あと、神家が神気を入れられるのは、元々そういう一族だからって言うのもあるが、生まれた日に一晩中、月光に当てるんだ。そしてなんの偶然が知らないが、神家の赤ちゃんが生まれるのは満月の日なんだよな。光なんかは、そこまで感情的じゃないから、もう一つの条件はどうしてるんだかしらないがな(笑)」と教えてくれた。人の思い、か。
今日は、悩み相談所に連れて行ってもらった。「お願いします。家の主人ががんに・・・家の主人は金持ちですので、お金は払います!ここは、どっちかというと、悩み相談所ではなく、願いを叶えてもらえるのでしょう?とりあえず、治していただけたら、500万用意させていただきます。どうか、どうか!」500万払うのぉー!!!!こんなんがしょっちゅうくるから、景気がいいんだわ。納得。この懇願するおばさんは今日のお客さん。三井美晴さん。私は、お母様とお祖母様の横に同席している。「余命はどれくらいですか?」とお母様が口を開いた。「余命、一週間ちょっとと言われています。」と返事が来た。えーー!余命一週間!!!!!やっば。もう死ぬじゃん。医者にも治せなくて神頼みに来るわけだ。「分かりました。病気が治ったら、ここに代金をお振込みください。」と言ってお祖母様がメモを渡した瞬間「何よ、どうせ治せないんでしょ!治ったらお金が入ってラッキー!そういうことでしょ!こっちはリスクを負わず、治ったら放り込んどいてなんてずるいじゃない!」と三井さんが怒鳴った。そしたら間髪入れずに「では、三井美晴さんのご主人がお亡くなりになったら、お見舞い金500万を払います。」とお祖母様が申し出た。「え?」三井さんがすがるような驚くような顔をした。「今の条件ではいかがですか?」とお祖母様が畳み掛けて、三井さんはコクリとうなずいた。お金払って貰えれば、怒んないの…。
三井さんを見送ったら、お母様がくるりと振り向いて、「神気は、舞優に見つけてもらいます。願いが叶う神気の量は、正仄より、多いぐらいですね」と言われた。「え?」お母様は、スタスタ歩いていってしまった。
「えぇぇぇぇぇぇー!」自分の部屋で叫んでしまった。「私がみつけるのぉ?しかも正仄より多いぐらいって相当多いじゃない!」はぁ、どうやって見つけようかなぁ。期限は三日以内に見つけとけってお母様言ってたなぁ・・・それまでに見つかるかなぁ・・・けど、私が見つけられなかったら、三井さんの夫は・・・
三井美晴
五十一
茶髪パッツン
背は百六十四センチ
ケチ。
中背
好きな食べ物 ブランド牛、高級品
嫌いな食べ物 カレー、りんご
好きなタイプ 金持ち
嫌いなタイプ ホームレス
勉強 ★★☆☆☆
職業 専業主婦
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