第8話 空泉〜彩葉〜
時は戻るが一ヶ月ほど前。お祖母様が、小石と、水晶と鈴をくれたとき。お祖母様は、「小石や水晶が変わって見えたら教えなさい。毎日見るのです」と言った。変なのと思いながら、私はしたがった。
そして昨日の夜に石を見たら、なんだか靄(もや)みたいなものが纏わりついていた。水晶も同じだった。夜8時にお祖母様に伝えたらとても真面目な顔で、「そうですか」と言った。
時は戻って、今日、家に帰ったら、玄関にお母様とお祖母様が正座をして待っていた。「こちらへ」と言って、お祖母様が一番近くの書院造りの十畳の部屋に入った。お母様と私も続く。私とお母様が部屋に入り、正座をしたら、お祖母様は口を開いた。「舞優が『神気』が見えるようになったので、空泉家の本業を教えます。」意味が分からなかった。お祖母様は、淡々とポーカーフェイスで話していった。3回ほど繰り返し話してもらい、(2回目にはお祖父様もやってきて一緒に話してくれた)分からない事は質問し、話が始まってから、2時間後、やっと納得した。要点をまとめると、
・石や水晶に纏わりついてた靄は、『神気』と呼ばれるものである
・空泉の名前の由来の空泉の守り人の役目も本業の一つである
・中庭の泉は、天国の空泉とつながっていること
・我々空泉家は、神気を纏った物体を、空泉に戻す(奉納)こと
・神様は、神気を泉に戻す(奉納する)と、とても喜び、強い神気だと、願いを叶えてくれること
・悩み相談所の悩みは強い神気を纏ったものを入れて、神に願い、解決してあげる。金持ちも来るのでそのお金が大量になっている
・だいたい大抵の願いは神に願えば二日以内に叶うからお金はいらない
・そして、神気が目視で確認出来ると、守り人として、泉に近づいたり、入ったりして天国に行くことができ、行っても許される
・守り人以外が近づいたり入ったりすると、天国に連れて行かれ、処刑される
・直接神気を受け取るのは朱雀と呼ばれる神の臣下
・神気は空泉、天ヶ瀬、神孫子(あびこ)、天国(あまくに)、斑鳩(いかるが)、神水流(かみずる)、神室、紫雲、朱雀、宝月、神(じん)の一族の一定の年齢(それぞれ違う)を超したもののみ見える。
・神気は、入れることもできる(空泉に入れて、願いが叶えられるのは自然の神気だけ。)
ここからは、各一族の仕事!
・宝月帝麟を同類とお祖父様が言ったのは、神気が見える家柄だ、ということ。
・神気をこめる(入れる)一族は神一族のみ
・宝月家は、刀を研いだり、各一族の家宝を扱う
・我孫子は、いつまで経っても神気が見えない一族の子供に、能力を目覚めさせる仕事で、一番近くに神気があったら、感じる能力に長けている
・神気の器(入れ物。石など)を作るのは神室の仕事
・紫雲は、神気を使って、天候を操ったり、罪を洗い流したりなど少し幅広い仕事をしている
・斑鳩と天国は、神の宮を家に作り、供え物をして、神を敬う
・神水流家は、呪い、穢れ(けがれ)などを浄める
・天ヶ瀬の名前の由来は、空泉がある天国の場所から来ていて、空泉家と似た仕事をしている。
いやー随分あってねぇ。そして、最後にお祖母様は、「前に舞優にあげた石、神様に奉納しますよ」と言って、こっちに来いと言う仕草をして、中庭に出た。もう外は暗くなっていて、ほのかに輝く神気は、とても綺麗だった。
神気は、石からだけでなく、泉(空泉)からも出ているようで、神秘的に光っていた。「綺麗・・」それはもう私が思わず呟いてしまう程に。「そうでしょう」とお祖母様がいった。「今日は満月ですからね。昼間や明るいところで見るのとは別格でしょう。」「はい!」私もそう思い、返事をした。「あなたにあげたもののうち、鈴は、しまっておきなさい。水晶を私に。」とお祖母様が言ったので、私は大急ぎで、鈴をしまい、水晶を渡した。そしたらお祖母様は、「見てなさい」と言って、泉ぎりぎりまで歩いていき、水晶をかざしてこういった。「神の臣下である朱雀様よ。わたくし、空泉彩葉、空泉の守り人でございまする。わたくし本日、神のものである神気、お返しする所存にございます。ただいま、奉納いたしまつる。」と言って、跪き、水晶を泉に落とした。そしたら、泉がより一層光り、(神気が増え、光ってるみえるだけ)なんというか、爆発?して、神気が飛び散った感じ。そして、飛び散った神気は、お祖母様の所に集まった。そしたら、待ってましたとばかりに、「奉納終了ですが、まだお待ちください」と言って、こっちを向き、「舞優も石を」と言って催促した。私は大急ぎでお祖母様に近よった「私の真似をして。さぁ」とお祖母様がいったので、見様見真似で、「神の臣下である朱雀様よ。わたくし、空泉舞優、空泉の守り人でございまする。わたくし本日、神のものである神気、お返しする所存にございます。ただいま、奉納いたしまつる。」と言って、跪いて石を落としてみた。そしたらさっきと同じことがおこったので、奉納終了ですが、まだお待ちくださいと言おうと思ったら、待つことない!!!!と思ってうわーーーーとパニックになったが、そしたらお祖母様が「奉納終了です。」と告げた。そしたら神気は、一度お祖母様に寄って、空泉に帰った。「まぁ最初としては上出来でしょう」と言って、お祖母様は、部屋に帰っていった。気づいたらご飯の時間。みんな続々帰っていって、私は一番最後になったが、帰った。最後に小声で「奉納終了です。朱雀様」と言って。
空泉彩葉(いろは)
七十
白髪短い
背は百六十四センチ
同年齢の人よりずうっと元気で、気品がある
好きな食べ物 りんご
嫌いな食べ物 特になし
好きなタイプ 静かで、文化や昔を大事にし、強い人(結婚相手の空泉正)。仲間を大事にする人
嫌いなタイプ へらへらしてる人、文化を重んじない人、昔を否定する人
勉強 ★★★★★
職業 表向きは骨董品、雑貨屋。作法教室も開催。部屋を見学させ、風流を学ぶコースも。悩み相談所も開いている。
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今回だけ長くてすいません💦
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