第6話 空泉〜正〜
〜回想〜
空泉正。お祖父様。あだ名はただっしー。お祖母様がうっかり、「ただっ!」と言ってしまうことがあるから知っている。お祖父様は、格闘技全般の名人で、お母様も、お祖母様も、今は亡きお父様も、お祖父様に格闘技を教わっていた。私も教わっている。そうだ、部屋に竹刀があるのはお祖父様のせいだ。昨日、お祖父様は、私の部屋に竹刀を置いていた。いつもないので、いつもどうり、稽古場に戻しに行こうとしたら、物陰に隠れていたお祖父様に打たれそうになって、とっさに避けたけど、髪に当たって、ちょっとよろめいた瞬間、パンッと叩かれ、倒れた。「なんでこんなことを?」と聞いたら、「来るべきときのためだ。とっさに出るようにな」と言われた。意味がわからない。しかも、「じゃあずっと置いときますか?」と聞いたら、「どうせいらなくなるからよい。」と言われた。まぁ、稽古場に鍵がかかってたのと、面倒くさいからしまわなかったけどね。けど、なんでだろう・・・。
次の日、学校に行く前、「今日は早く帰ってこいよ。」と言われた。今日は、早足で帰り、ついてきた、るいっぺに家に来るのはだめって言われたことを伝えて、すぐ帰った。帰ったら、細長い箱が置いてあった。何か書いてある。『正仄 空泉』なんて読むんだろう。空泉は読めるけど・・・前半にはお祖父様の名前の正の漢字が入ってるけど・・・あっお祖父様。「お祖父様これはなんですか?」と聞いたら、「開けてみろ。」と言われた。開けてみたら・・・「わっ刀!」と思わず叫んでしまった。「どうだ?名刀なんだぞ。」と言われた。「銃なんとかかんとか違反とかいうものじゃないですか?」と聞いたら、「銃刀法違反にはひっかからないわ。許可は先代からもらっとるわい。」と言い放って、刀を鞘に入ったまま投げてきた。うわ!びっくりしたが、今度は叫ばなかった。あっそうだ!「お祖父様これはなんて読むんですか?」と聞いたら、「まさほのかくうせんだ。」と言われた。えーーーーーそらいずみじゃないのぉ?なんかショック・・・「この家の家宝だ。我らの同類宝月家の帝麒が研いでくれた。竹刀じゃあ中学生にもなってかわいそうだからな。鍛錬するんだぞ。」と言われた。「え?同類って?」と聞いたら、「なんだ。知らんのか。まぁそのうちわかるわい」と言われ、「とにかく鍛錬がんばるんだぞ!」と締めくくられた。「はい!」といい返事をしたら、「よし!稽古場に行って木を打ってこい!稽古が終わったら、さやに入れて廊下のほら、あのラックにかけておけ。」と言って指さした方向を見たら、確かにラックがある。納得して稽古場に向かった。
空泉正(ただし)
七十二
白髪短い
背は百七十二センチ
筋肉がついていて、同年齢の人よりずうっと元気
好きな食べ物 りんご
嫌いな食べ物 特になし
好きなタイプ 静かで、文化や昔を大事にし、強いもの(結婚相手の空泉彩葉)。仲間を大事にするもの
嫌いなタイプ へらへらしてるもの、文化を重んじないもの、昔を否定するもの
勉強 ★★★★★
職業 表向きは骨董品、雑貨屋。作法教室も開催。部屋を見学させ、風流を学ぶコースも。悩み相談所も開いている。だが、義娘や、妻に任せ、自分は剣術教室などをしている。
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