なんかかきたい
何にも書けない。
つか、なんで続いている? せっかく1200文字くらいに引き伸ばしてそれらしいオチまで付けたのに。
ちゃんと「完結済」にしなかったせいだろ、いい加減にしろ。
何にも書けないのにコレどうしてくれんのよ。ちゃんと単発で終わらせないとダメじゃん、連載モノはそれっぽい内容が含まれないと怒られるんだよ。
――こんな時こそAIだ。
今パッと頭の中に浮かんできたアイデア「下ネタでしりとり」を入力欄に打ち込んでみる。
返ってきたのは「ガイドライン的に無理だわ、めんご」であった。
なんてことだ。人間の
むしろAIに愚痴ってやろうかな。「文章を書きたいけど何にも書けない、どうしよう><」って。
――実際にやってみた。
ざっとこんな感じだった。
【まず概要・あらすじを作りましょう。そうすると、文章の構成や流れが整理されて、書くべき内容がはっきりします。また、書く前に、自分が何を伝えたいのか、どのような読者に向けて書くのかを考えてみましょう】
うわあ。素晴らしいご提案。
残念な点を一つ挙げるなら、「書く前」ではないことか。もう動き出してしまった後だ。つまりもう敗戦処理である。
この話を書き終えたら「完結済」にすればいいのではないか。駄目だ。手遅れなのだ。うっかり寝過ごした結果、籠原に到着しちゃったくらい手遅れ。
籠原に着いてしまったのは仕方がない。次はキリの良い数字まで何とか頑張る。これしかない。10000文字超えたタイミングでどかーんと良いオチを作っておしまい。
何にも書けないのにそれは惨たらしいのではないか。
ずっと何にも書けないならまだマシだ。問題なのは、なんか浮かんできちゃった場合だ。そうなると、この出オチ作品を終わらせないことには進められず、また「はて婆さんや昼のネタはどこへいったかえ?」とぼんやりする羽目になる。
無理に引っ張り出そうとして、変な扉を開いてしまったらまずい。
最悪だ。新幹線で名古屋に行こうと思ったらうっかり寝過ごして博多に到着してしまうくらいまずい。
何とかしなければならない。
本来ならば「10000文字くらいで終わる面白い作品つくって」とAIに指示したいところだが、そんなことをすれば、この後どんな奇抜なアイデアが浮かんで出したとしても、「どうせAIが考えたんでしょ」と一蹴されてしまう。
こんな時は哲学するに限る。
無とかそういうのは哲学にうってつけだ。
「何にも書けない」というのは「何にも出来ない」「何者にもなれない」と読み替えることが出来る。
何かになることが出来れば、きっとその経験などを基に何かを書くことが出来るようになるはずだ。
――ちょっと待て。だとすると、今書いているこの文章は一体何なのだろう。
数秒考えた後に、
「何にも書けない」わけではない。
何にも出来ない、何者にもなれない自分でも何かは書けるのだ。ただそれが著しく程度の低いアレというだけなのだ。
ああ……納得だ……
いや、納得してはいけない。
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