第16話 初めてのボスバトル

 早めの休息を取ることにした俺の翌日の体調は絶好調だった。


 ボス部屋に挑む前に俺は自分のステータスを再チェックした。


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 帝 拳信


 レベル 20


 筋力 160


 反応 166


 敏捷 158


 器用さ 156


 魔力 75


 SP 0


 スキル

 闘気

 気功

 波動撃

 破邪

 加速

 先駆者

 鑑定

 エネミーサーチ

 トラップサーチ

 アイテムボックス


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 今回俺が上げたスキルは闘気と気功と先駆者のスキルだ。


 闘気にはSPを2ポイント使用してステータス上昇倍率を二倍にまで持ってきた。


 続けて上げたのは気功のスキルだが、こちらの攻撃力の上昇倍率は2ポイント使用して1.85倍になっているので攻撃力は相当なモノになっている筈だ。


 そして、先駆者はボスを倒すとレベルアップに期待出来る為、より効率良く強くなる為に先駆者のスキルレベルを2ポイント分上げた。


 このステータスでダメなら恐らく人類は滅びるしか無くなるだろう・・・俺は自分の最初のステータスを思い返しながらそんな事を考えた。


 だが、俺は家族の為に眼前の敵は全て粉砕すると決めた以上、どんなモンスターにも負けるつもりは無い。

 

 そう覚悟を決めた俺は、その後、テントをアイテムボックスに片し早速ボス部屋に挑む事にした。


 3メートル以上の高さがある扉に手を触れて押してみると、


 ゴゴゴゴォォォン・・・・・


 重厚な音を立てながら扉がひとりでに開いた。


 俺はこの扉の開き方を見て、ゲームのボス部屋の定番を思い出し、いざという時は逃げれない事を覚悟した上にボスをぶっ飛ばす覚悟も決めた。


 ボスを泣かす!!


 そんな風に考えながら俺は拳を握り締めてボス部屋の中に入った。


 サーチスキルを使用しながら部屋の真ん中に進むと上に影が掛かった。


 その後、落下音の後に巨大な赤いカエルが目の前にいた。


 どうやら1個上の階層のカエルが成体になったのが目の前のカエルのようだ。


 その姿は地球にもいた魚もムカデも何でも食べてしまうカエルに似ているが・・・大きさがまるで違う。


 このカエルの大きさはまるでトラックのような大きさがある。


 「先手必勝!!」


 だが俺は闘気と気功のバフを発動させて全力で攻撃を仕掛ける。


 俺は素早く横から回り込みカエルの左側面にガゼルパンチを繰り出す。


 ドオォォォォオン!!!?


 そんな音を響かせながらカエルは横滑りしていく、しっかりとダメージを与えられているようだ。


 俺はカエルが態勢を立て直さない内に更に攻撃を加えるべく、加速のスキルを発動して追撃する。


 「グォぉぉぉぉ!!」


 するとカエルはこちらに姿勢を向けないまま、魔法を発動させて水の壁を作り出した。


 「波動撃!!」


 だが、俺は水の壁を波動撃を叩き込み、水の壁を吹き飛ばす。


 「もういっちょぉ!!波動撃!!」


 そのまま俺はカエルのボディに波動撃をダイレクトに叩き込み、カエルは呻き声を上げる。


 「グゲェェェェ!?」


 カエルは強烈なボディを食らって少し足が浮いていたので、俺はハメ技上等!!とばかりに波動撃をボディアッパー連続で繰り出す。


 俺は身体を左右に振りながら膝を屈伸させながら拳を繰り出し続ける。


 それはまるで暴風、いや嵐のような暴力と疾さを持った拳だった。


 ドドドドドドドドドドドドドォォォォォン!!!!?

 「オォぉぉぉぉラァ!!!!テンペスタ・ナックル嵐撃拳!!!!」


 某ボクシング漫画のようなボディの連続を繰り出しいく内に俺の口からそんな言葉が出てきた。


 その言葉と共に繰り出されたフィニッシュブローによってカエルの身体は軽々と宙を舞い吹き飛んでいった。


 「ハッ、ハッ、ハッ・・・何だ?今の・・・そんなスキル、ステータスには・・・」


 途中からまるで漫画のような必殺技に完全になっていたが朝に確認したスキルにはそんなモノはテンペスタ・ナックル無かった。


 途中から全て俺のイメージ通りに身体が動いて繰り出された攻撃に俺は首を捻る。


 とりあえず俺はこのカエルの亡骸をアイテムボックスに回収して、このボス部屋を調べようとした所で、部屋の奥に見えていた扉の前に宝箱が出現した。


 俺は一応警戒しながら宝箱を開けた。


 出てきたのは何らかの書物と薬草か何かの束だった。


 「書物は・・・何処の文字だ?」


 象形文字のようにも見えるし、アルファベットのようにも見える文字に俺は首を捻った。


 「韓国語とも絶対に違うな・・・アラビア語が一番見た感じのイメージに近いけど・・・


 そして、俺は薬草らしきモノに目を向けて・・・


 「鑑定」


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 アイテム名 白月草


 全ての病に対して効能がある薬草だが、単体だと何の効果も持たない雑草にしかならない。

 特殊な薬の触媒の一つ。


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 「・・・多分、これだ・・・母さんを救う鍵になる」


 俺は書物と薬草をアイテムボックスに入れてボス部屋の先に移動した。


 その後も辺りを確認して見つけたのは石碑のようなモノとボス部屋の前にあったセーフティーエリア、それと謎の扉に下に下りる階段だった。


 「・・・とりあえず、石碑を調べてみるか・・・何も無ければ次は扉だな」


 そう考えた俺は石碑のようなモノに触れたら頭に自動音声のような声が響いた。


 「ダンジョンから帰還しますか?」


 「!?」


 まるでゲームのお約束のような言葉に驚きを隠せなかったが、今回はここで切り上げる予定だったので肯定の意思を心の中で思ったら急に周囲が光だし・・・


 光が収まって目を開けたら俺はダンジョンの入口に立っていた。


 そして、いつの間にかダンジョンの入口の傍に、ボス部屋にあったような石碑のようなモノが出現しており、俺はその石碑のようなモノにもう一度触れてみた。


 「ダンジョン5階層に移動しますか?」


 「・・・・・」


 確認したかった事を確認出来た俺は、否定の意思を心の中で思い、石碑に触れていた手を離した。


 この事を含めて前進した事を感じている俺は、逸る心を抑えて一旦駐屯地へと向かい、素材を換金した後に妹に連絡を取るべく帰路に着いた。

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