第14話 外伝 帝 理那は大激怒!?
アタシの名前は
父、
私はまだその時、漸く新米の医者としてスタートしたばかりでそんな奇病を治療する手立てを、きっかけを作る事すら出来なかった。
でも、あれから二年の月日が流れたが、私は只毎日を過ごしていた訳では無い。
今、この時も徐々に増えているこの病を撲滅する為に、私は研究を続けてきた。
全ては今度こそ大切な人を救う為に、護られてばかりのアタシじゃなくて、誰かを助けられるアタシになるために、二年という時間の全てを私は治療法の確立する為の研究に力を注いできた。
勿論、医者としても仕事をした上で・・・昔からの仲間であるあの子達にも色々と頼んで研究を続けてきた。
そんなアタシに母がダンジョン病を患ったと兄貴から連絡がきた。
私が面倒と治療をみると伝えたのにアタシはアタシの仕事を専念するように言った。
普段ならアタシもここで言い返した。
でも、電話から聞こえる兄貴の声は・・・例えるなら凍えるような焔の言葉を紡いでいた。
母さんのことは俺が絶対に何とかする、だから理那は今出来る事をしっかりと頑張れ・・・そう言って兄は電話を切った。
あの声は昔、レディースのチームを立ち上げてから暫く経った時に、別のチームに罠に嵌められてその時助けてくれた時の声に似ている。
その時はまだアタシは兄のことをお兄ちゃんと呼んでいて、その事を今でも仲間に誂われるがそれも正直気にならないくらい、その時の兄貴はカッコ良かった。
なんて言ったって300人もいる相手のチームを、全員両手の拳骨だけでぶっ飛ばしたんだから妹として兄に痺れない訳がなかった。
それと同時に私のチームの女の子の殆どが兄貴に惚れてしまったけど、それでアタシ達の仲が悪くなったら兄貴が悲しむからって言って、どうにか協定を結ぶ事が出来た。
代わりにアタシは兄のことを兄貴って呼ばないといけなくなったが・・・まぁ、もうお兄ちゃんに甘えるのも恥ずかしかったし、丁度いいかと割り切った。
兄貴は今回もそんな無茶を、いや、それ以上の無茶をするつもりだ。
兄貴は何気に結構ゲームをやる人間だ、私も一緒になってやってたから分かる。
兄貴はダンジョンに母の病気を治す万能薬がある可能性に掛けたんだと思う。
アタシもステータスなんてモノが見えるようになって、尚更そう感じた。
だから、ダンジョンに治療の手掛かりがあると絶対に考えているはずだ。
だけど、多分それだけじゃ足りない。
そういった効能の薬が手に入る保証など何処にもないし、そもそも原材料しか手に入らない可能性もある。
なら、アタシがやる事は一つ・・・医者として毒とかも全て分析し尽くして完璧な特効薬を調合すれば良い。
そして、久々にお兄ちゃんに我が儘を一杯言おう、それが兄貴に対しての一番の仕返しになるんだから・・・その後にあの子達ともデートさせてあげなきゃいけないから、それもきっちりと責任とってもらう事にしよう。
一応、兄貴を口説くルールに色仕掛け厳禁のルールを付けてあるから多分大丈夫・・・な、はず・・・後でお酒も禁止だと伝えておこう・・・うん、そういう間違いでアタシのおねぇちゃんになりたいか聞けばあの子達も聞いてくれるだろうしね。
とりあえず、運命の神様だか悪魔だか分からないけど・・・アタシの大事な家族に手を出すという事がどういう事か・・・見せてやるわ!!
医者が神様に頭を垂れると思うなよ!!
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