第11話 再びダンジョンへ
翌朝、俺は再び上野動物園跡地にあるダンジョンに挑むべくその側にある駐屯地を訪れていた。
駐屯地には昨日と同じく自衛隊の人達がいた。
「どうも、今日もお願いします」
俺は挨拶しながら許可証を彼らに提示する。
「おはようございます、今日も安全第一で頑張って下さい」
人当たりの良さそうな男性隊員がそう言って確認した許可証をこちらに返してくる。
「えぇ、勿論です・・・ですが、今回はダンジョン内での野営も考えています」
今のペースだとダンジョン一つをクリアするのに一年以上かかってしまう、ここに目当ての物が無い場合を考えると出来れば一月以内にこのダンジョンをクリアしたい。
俺の言葉を聞いた隊員は、
「・・・そうですか、貴方が無茶をする前に望みの品があれば良いですね」
野営という言葉を聞いて隊員は心配そうに俺に向かってそう言ってきた。
「・・・えぇ、まぁスキルを使って上手くやって見せますよ」
俺は隊員の心配を有り難く受け取って上野動物園跡地のダンジョンに足を踏み入れた。
足を踏み入れた俺はいきなり動き出さずにまずはスキルなどの諸々をチェックした。
「ステータスオープン」
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帝 拳信
レベル 12
身体能力値
筋力 108
反応 110
敏捷 106
器用さ 104
魔力 35
SP 1
スキル
闘気
気功
波動撃
破邪
鑑定
トラップサーチ(New)
エネミーサーチ(New)
アイテムボックス
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現在のステータス構成はこのような感じになっている。
とりあえず魔力を除いた身体能力値の項目が3桁を超えたのでこのまま地道に上げていって4桁を目指すというのが堅実だろう。
レベルがどこまで上げれるのか分からないがこういったモノをカンストして後悔する事は無いだろう。
そういう結論になった俺はダンジョンを進み出した。
エネミーサーチのスキルは実にいい仕事をしてくれる、スキルを発動すればどのあたりに敵がいるのかが見えなくても感覚で感じる。
マップ系のスキルと併用出来れば更に広範囲の敵の位置が分かるようになるかもしれない。
そんな事を思いながら俺は不意打ちを狙う角兎を逆に不意打ちする形で肉を確保していった。
一階層で狩り取った角兎は最初の時と同じ6匹、ただ時間は昨日の半分以下の時間で俺は次の二階層に足を踏み入れる。
二階層に着いた俺は下りた階段の傍で腹拵えをするために肉を焼いて食べる事にした。
正直、肉は売っても俺の場合は捨て値にしかならないと判断した為だ。
それならと日持ちする瓶詰めのピクルスが昨日泊まった旅館にあった為、4つ程買い占めた。
水はトン単位でアイテムボックスに用意してあるため、なんの心配もしていないしもし食べる獲物が出てこなくなったら、その時用の非常食はちゃんとアイテムボックスに用意してあるため万全だと言っても良いだろう。
そうして肉を食べ終えた俺は軽く腹を休めてから再び行動を開始した。
二階層の草原フィールドを歩き、三階層に下りる為の階段を探す。
エネミーサーチを使って敵の気配を感じない所で小休止を挟みながら、向かってくるゼブラホーンを狩る。
何匹か自分から挑んできた癖に逃げようとした個体がいたので、全力で走って追いかけて回り込むことに成功してしまった。
ゼブラホーンの絶望感は言い表せない表情だったが、ここはダンジョン、弱肉強食こそがルールという事で容赦なくゼブラホーンを狩った。
ゼブラホーンはこちらを見つけると向かってくる為、角兎よりもずっと多い15匹狩っている。
そんな事を考えながら探索してると正午過ぎくらいに一際大きいゼブラホーンがいた。
奴の後ろに階段らしきモノも見えている。
周囲を見渡すと流石にこっそりと通り抜ける事は出来無さそうだ。
「・・・でも、やっぱりシマウマなんだな」
違う種類の馬では無く結局シマウマなのがこのダンジョンのクオリティなのだろうか?
俺は思わずそんな事を考えてしまったが、思考を切り替えてゼブラホーンに挑む。
「闘気、気功発動!!」
闘気と気功のバフ効果はスキルを使い込む事で更に上がっている。
現在は闘気が1.6倍、気功が攻撃力を1.45倍だ。
俺の攻撃力は現在300くらいはあるはずだ、そこにジョブスキルの効果が入ると、
ドガァァァァ!!!
只の右ストレートが偉い威力に変わる。
「ヒィヒィぃィィン!!!?」
現在の俺の攻撃力だけで言えば、あるかは分からないが一個上のジョブと同じくらいの攻撃力があると思っている。
尚、これは飽くまでゲームなどの項目を参考にして考えているもので、現実のデータは俺の感覚でしかない。
ゼブラホーンは最初の一撃だけで動き取れない程に身体をふらつかせている。
ゼブラホーンの角に何やら光始める。
嫌な予感を感じた俺は最大戦速でゼブラホーンに接近して、
「波動撃、連打ぁぁぁ!!!」
至近距離で波動撃を連打した後に距離をとってゼブラホーンの角の動きに注意を払ったが、
「ヒィィィィン」
結局、ゼブラホーンは何もする事が出来ず倒れた。
「・・・この感覚、またレベルが上がったみたいだな」
俺はレベルアップを実感したがその前にこのゼブラホーンをアイテムボックスに回収してアイテムボックスの機能で解体した。
アイテムボックス内の品名の項目にスピアゼブラの肉という項目が出た。
あの上位個体のシマウマはスピアゼブラというらしい確かに他のシマウマよりも角がめちゃくちゃ長かった。
だが、正直現在のステータスだとこの階層だと弱く感じるし、探索もいつまで経っても進まないので進める所まで進む事とする。
その為にトラップサーチのスキルを修得したのだから、しっかりと使って探索して行こうと考えた俺は、このまま目の前の階段を下りて次の階層に向かった。
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